発表•お知らせ
2023年5月24日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、「ラ・アーグ再処理工場における運転訓練」、「再処理の設工認対応状況」の2点について、ご報告させていただきます。

ラ・アーグ再処理工場における運転訓練

 まず、「ラ・アーグ再処理工場における運転訓練」です。お手元の資料をご覧ください。
 当社は、再処理工場のしゅん工、操業に向けた運転員の技術力の維持・向上のための取り組みとして、202111月から20227月にかけて、再処理工場の前処理・分離・精製の各工程の運転員延べ47名をフランス ラ・アーグ再処理工場に派遣し、工場の運転員として約1ヶ月に亘り、実機の運転訓練を経験させました。
 今回、新たに36名を、今月末から来年2月にかけて3回に分けて派遣することとしました。
 今回の訓練の特徴は、全ての班にアクティブ試験時の運転経験を持つ当直長クラスの運転員を入れたことです。
 昨年実施した訓練の成果報告会で、アクティブ試験の経験者がいた班は、経験者ならではの着眼点から、より深い質疑応答が行われ、運転未経験者にとっても、非常に勉強になる、有意義な訓練であったという意見が挙げられました。より広い視野で議論することで訓練の質を向上させ、多くの気づきを持ち帰ってもらいたいと考えています。
 加えて、当直長クラスの運転員には、運転を通して当直長が行うべき判断や取るべき行動、トラブル時の迅速な対応などに関して、ラ・アーグの当直長が現場で実際に指示を出している様子や運転責任者としての振る舞いを直接肌で感じてもらい、当直長としての更なる成長を期待したいと思っています。特に第3陣は、当直長クラスの運転員を中心に派遣し、ラ・アーグの当直長との意見交換の機会を設けることを計画しています。他国の運転責任者と考えを共有する貴重な機会を通じて、さらに成長してもらうことを期待しています。
 今月16日、今月末から訓練を開始する第112名の壮行会を行いました。
 訓練生からは、「実機での運転を通じて知識を身につけ、当社施設とラ・アーグ再処理工場の違いを学んできたい」、「自分自身の技能向上はもちろん、未経験の若いメンバーの知識習得と技能向上をサポートしたい」といった意気込みを聞き、心強く思っています。
 彼らには実機の運転を通して、注意すべき勘所を掴んでもらい、「自分たちの力で、計画通りプラントを立ち上げ、安全に運転できる」という自信を持って帰ってきてもらいたいと思っています。
 引き続き、地域の皆さまにご安心いただけるよう、再処理工場のしゅん工、操業に向けた技術力の維持・向上に取り組んでまいります。

再処理の設工認対応状況

 次に、「再処理の設工認対応状況」です。
 耐震評価の前提となる地盤モデルに、平均地盤モデルを用いることの妥当性を示すため、地盤モデルの設定に影響を与える因子の解析結果について、技術的知見から丁寧に分析・考察しているところです。来月の審査会合で、分析結果を取りまとめて、ご説明したいと考えています。
 設工認申請書の不備への対応については、先月、この場でもご説明したように、「経営層、事務局へ状況を伝えても申請目標は見直されないと考えた」といった声が挙げられたことを踏まえ、第一線で設工認対応をしている社員との対話を連休明けから始めました。
 社員からは、「申請書作成ルールの変更が事務局から各課にうまく伝わっていなかった」、「作成した申請書をチェックするための時間や人手が足りなかった」、「12月の申請目標は必達であり、スケジュールは変えられないものと認識していた」といった意見が多く挙げられました。

 対話で挙げられた意見は、優先順位をつけて改善策を検討し、仕事の仕組み、体制、環境をできるだけ速やかに変えていこうと考えています。改善を迅速に行うことで、「物を言えば変わるんだ」と実感してもらえるように、今後もこのような対話活動を続けてまいります。

 最後になりますが、今月17日に低レベル放射性廃棄物埋設センターの1号埋設施設7群に、1号埋設地では初めてとなる充填固化体の定置を開始しました。
 これまで1号埋設には均質・均一固化体を受入れてきましたが、発電所での発生本数が減少していることから、受入れの幅を広げ、充填固化体も受入れることとしました。今年度は約6,500本の充填固化体を7群に受入れていきます。
 
引き続き、地域の皆さまにご安心いただけるよう、安全を最優先に操業を継続してまいります。

 本日、私からは以上です。