再処理施設の通水作動試験・化学試験における不適合等の状況

 当社では、不適合等が発生した場合、適切な処置や原因究明による再発防止に努めています。
 ここでは、最近、発生した主な不適合等の状況についてご紹介します。

<不適合等の総件数>
 調整運転段階の機器、バルブの調整などのごく軽微な事象を含めた不適合等の総件数は以下のとおりです。

化学試験中 (平成14年11月〜平成17年12月)
802件
※1  平成17年12月27日に、全ての化学試験を終了しました。

※2 平成17年7月6日に公表いたしました「化学試験報告書(その3)」においては、未建設建屋を対象としていないことから、平成16年12月24日に発見された第1ガラス固化体貯蔵建屋西棟の不適合1件(冷却空気入口・出口形状の圧力損失の再確認)を計上しておりません。
  なお、本ページにおける化学試験中の不適合等の総件数については、未建設建屋を含めて計上しております。

化学試験における不適合等の発生件数内訳(図は各項目のイメージ)


1:漏えい(液体、蒸気、空気) 41件

 


4:誤動作・不動作 95件


7:地絡・短絡 5件

 


2:干渉(機器、構造物) 23件

 


5:異音・異常振動 17件

8:改善事項等 153件


3:破損 62件

 


6:性能未達・動作不良 137件

 


9:その他 269件
(例:ケーブル外れ、錆の発生)

 


 

通水作動試験中 (平成13年4月〜平成16年11月)
1252件

通水作動試験における不適合等の発生件数内訳(図は各項目のイメージ)


1:漏えい(液体、蒸気、空気) 47件

 


4:誤動作・不動作 451件


7:地絡・短絡 19件

 


2:干渉(機器、構造物) 67件

 


5:異音・異常振動 25件

8:改善事項等 128件


3:破損 98件

 


6:性能未達・動作不良 218件

 


9:その他 199件
(例:ケーブル外れ、錆の発生)

 


 

再処理施設の通水作動試験・化学試験における不適合等の状況

<主な不適合等> 平成14年10月16日〜平成16年12月20日現在 平成14年10月15日以前の情報はこちらをクリック

件名/発生年月日
事象内容
処置内容
精製建屋の大物搬入口のシャッター変形について
/H14.12.25
 精製建屋非常用電源設備の点検・清掃のため、対象電源設備を停止したところ、運転状態の建屋給気閉止ダンパー(建屋給気を閉止する板)が自動閉止し送風機が停止した。このため、建屋内への給気がなくなり、排風機だけの運転状態となったため建屋内が過負圧となった。その結果、大気圧との差圧により建屋の大物搬入口シャッターが変形した。
 なお、過負荷防止のために、排風機の風量を自動減少するインターロックを設置していたが、調整運転中であったため、インターロックを外していた。
 変形したシャッターについては取替え修理を行う。また、当該建屋及び他建屋の同様な過負圧防止のインターロックについても常に動作させるよう運用を変更した。
前処理建屋内での漏水の発生
/H14.12.27

 前処理建屋の建屋給気フィルタ室内にて、暖房加熱用の水が漏えいした。
 漏えい箇所について確認したところ、建屋給気加熱コイルに割れが認められた。
 割れの原因を調査した結果、建屋空調機の停止に伴い、コイル内部の加熱用の水の流れがない状態(滞留状態)になっており、凍結したことによるものであった。

 当該コイルについては再製作品と取り替えた。また、他建屋の同様の機器について割れがないことを確認した。今後は当該コイルの流れが停止しないよう弁の構造を変更した。
高レベル廃液ガラス固化建屋のガラス溶融炉の仕上げついて
/H14.10.30
 高レベル廃液ガラス固化建屋において、ガラス溶融炉搬入後の炉内点検を行ったところ、内部の耐火レンガにくぼみが確認された。
 原因を調査した結果、耐火レンガの製造段階で行った充てん材を用いた仕上げが不完全であったことから、その後の環境条件の変化により、仕上げに用いた充てん材が吸湿し剥がれ落ちたものであることが判明した。
 当該レンガについて、同様な不具合が起こらないように再仕上げを実施した。
 なお、再仕上げ方法については、各種確証試験を実施し、その妥当性を検証した後、平成15年1月に確定した。
 また、他建屋で同様なレンガを使用している設備について調査を行い異常がないことを確認した。
ウラン脱硝建屋の硝酸漏えいについて
/H15.3.11
 試薬建屋より分析建屋へ硝酸溶液を移送していたところ、移送する配管につながる、ウラン脱硝建屋内の硝酸溶液を受け入れる系統の弁のガスケット(弁の繋ぎ目に隙間が出来ないようにする部品)部から硝酸溶液が漏えいした(約0.6m3)。一部配管の保温材の損傷等はあったものの、けが人等はなかった。
 調査の結果、ガスケットの耐酸性が当該系統の硝酸に対して充分なものではなかったことが判明した。
 漏えいした硝酸溶液は回収し、損傷があった保温材の交換等現場の復旧作業を実施した。当該ガスケットについては耐硝酸性のガスケットに交換した。
  なお、当該建屋及び他建屋について不適切なガスケット等のシール材が使用されていないか点検を行い、交換する必要がある箇所について全て交換を実施した。
詳細な情報についてはこちらをクリックしてください。(PDFファイル)
前処理建屋内における試薬の飛散について
/H15.9.23
 前処理建屋2階の保守室において、仮設タンクから溶解槽へ亜硝酸ナトリウム溶液を仮設ホースにより移送する作業を行っていたところ、溶解槽までの経路にある弁が閉まっていたため、系統内の内圧が上昇し、仮設ホースが外れ、同溶液が飛散した(約1.6リットル)。これにより、当社社員1名および協力会社作業員1名の身体に付着したが、直ちに洗浄を実施し、身体への影響はなかった。  手順書の見直しを行い、試験実施前に試験系統の確認・徹底を図っていく。
分離建屋内における試薬の飛散について
/H15.11.30
 分離建屋2階の除染・圧縮空気分配室において配管からポリ容器へ試薬の抜き出し作業を実施していた(1リットルずつ3回、なお2回目以降ゴーグルを外したまま作業を実施した)ところ、作業の最終段階で配管内に留まっていた空気が水酸化ナトリウム溶液と混合状態でポリ容器中に入り、その時飛沫の一部が当社社員1名および協力会社作業員1名の顔面に付着した。その後、直ちに水による洗浄を行い、身体への影響はなかった。  今後は、防護具の確実な着用など安全処置の確実な実施を周知徹底する。
分析建屋内における薬品の飛散について
/H15.12.12
 分析建屋 地下2階の第4分析室において空気作動ポンプ点検のため、圧縮空気を送るホースの接続コネクタの取り付け作業をしていたところ、仮設の接続コネクタに残っていた硝酸のしずくが飛んで、当社社員1名の顔面に付着した。その後、直ちに水による洗浄を行った。身体への影響はなかった。  今後は、接続コネクタを溶液用と気体用で分けて使用し、気体の取扱い時も防護具を着用することとした。

再処理施設の通水作動試験・化学試験における不適合等の状況

 当社では、災害が発生した場合、適切な処置や原因究明による再発防止に努めています。
  ここでは、主な災害についてご紹介します。


<主な災害>
 平成14年10月16日〜平成16年12月20日現在

件名/発生年月日
事象内容
処置内容
チャンネル ボックス・バーナブルポイズン処理建屋の人身事故について
/H15.3.14
チャンネル ボックス・バーナブルポイズン処理建屋において、作業員がせん断ピットのライニング溶接部の点検を実施中、ライニング壁面と作業足場の隙間に足を滑らせて約2.7m下の床に落下し、両足の踵骨([しょうこつ]=かかとの骨)を骨折した。 作業足場とライニング壁面の隙間まで足場を拡張し、作業員の転落を防止する。更に、手摺りの固定方式をより強度のある方式に取り替えた。
精製建屋の人身災害について
/H16.2.21
精製建屋において、足場組立作業中に、作業員が昇降用梯子の上部を固定しようとして、梯子を約1.3m登ったところで梯子が滑り落ち、このとき足の甲を梯子と床の間に挟んで足の親指の付け根を骨折した。 固定されていない梯子で作業する場合は梯子の足の部分を他の作業者が支えるなど仮固定して作業する。
保健管理建屋の人身災害について
/H16.11.2
保健管理建屋において、肺モニタの新規設置工事のため、鉄製しゃへい部材の組み立て作業中に鉄製しゃへい部材が倒れ、近くにいた作業員がこれを避けた際に、クレーンの支柱に右腕を強打し、骨折した。 鉄製しゃへい部材吊り上げにあたっては、必要に応じて支線を張る等の転倒防止対策を講じて作業するとともに、作業員の待機場所を明確にし、直接作業に携わらない作業員については、待機場所で待機していることを確認する。
 

 

使用済燃料受入れ・貯蔵建屋:使用済燃料を受け入れて、燃料貯蔵プールで冷却・貯蔵する。また燃料をせん断設備に送り出す。(既に竣工済) 前処理建屋:使用済燃料を細かくせん断し、燃料を硝酸で溶かす。さらに不純物を取り除く。 分離建屋:硝酸溶液と溶媒と呼ばれる油性の溶液と混合させ、第一段階としてウラン・プルトニウムと核分裂生成物とに分離、第二段階として、ウランとプルトニウムに分離する。 精製建屋:ウラン溶液、プルトニウム溶液それぞれから微量に含まれている核分裂生成物をさらに取り除いて純度を高める。 ウラン脱硝建屋:精製されたウラン溶液から硝酸を蒸発及び熱分解させて粉末状の製品とする。 ガラス固化建屋:再処理工場で発生する高レベル廃液をガラス原料とともに溶融し、容器に注入する。