日本原燃
2010年2月26日

 

定例社長記者懇談会挨拶概要



 本日は、三村青森県知事へ「再処理工場の状況」をご説明させていただいた件と、「固化セル内の復旧に向けた作業状況」について申し上げます。

 本日、三村知事にお時間をいただき、当社再処理工場の状況についてご説明をさせていただきました。これは、昨年8月に三村知事へご説明してから半年が経過したことから、その後の状況についてご説明させていただいたものであります。
 また、終了後には、田中県議会議長にもご説明をさせていただきました。

 ご説明いたしました内容は、固化セル内の洗浄作業が終了し、その洗浄効果が確認できたこと、そして、セル内の機器の点検もほぼ終了し、一部機器の補修終了後にガラス溶融炉を熱上げして、炉底に落下したレンガの回収作業に入りたいと考えていることでございます。
 加えて、このためのレンガ回収装置や炉内残留物除去装置の遠隔操作訓練、東海村にあります実規模モックアップ施設KMOCでの試験状況についてご説明するとともに、使用済燃料受入れ・貯蔵施設における仮置き廃棄物の解消に向けた取り組みにつきましてもご説明した次第であります。
 私どもの説明に対しまして、三村知事からは「アクティブ試験は、再処理工場の安全機能や機器・設備の性能などを確認する重要な工程であるので全社をあげて強い決意で取り組んで欲しい。今後とも、試験にあたっては、スケジュ−ルにこだわることなく安全を最優先に進めて欲しい」とのお言葉をいただきました。
 私どもといたしましても、青森県民の皆さまのご期待にお応えできるように、今後とも安全を最優先に、着実かつ確実に一歩一歩進めてまいる所存であります。

 次に、「固化セル内の復旧に向けた作業状況」についてご説明いたします。
 既に皆さまにはご説明をさせていただきましたが、洗浄作業につきましては、洗浄の効果がしっかりと得られたことを確認しており、漏えいした放射性物質についてもほぼ回収ができたと考えております。
 また、固化セル内の機器の点検につきましては、対象となる約220機器、実際には218の機器ですが、これらの機器の健全性確認につきましては、現在15機器を残すのみでほぼ終了しており、3月はじめ頃には全て完了する見込みであります。一部、補修が必要な機器につきましても、レンガ回収の熱上げまでに必要な機器は3月はじめ頃に終了し、熱上げに使用しない機器、例えばガラスカッタやジブクレ−ンなどは、アクティブ試験の再開までに終了する予定であります。

 こうした状況を踏まえ、ガラス溶融炉の熱上げに向けた復旧作業として、まず、ガラス原料や純水などを通すジャンパ管の取り付け作業については終了しております。今後、これらを溶融炉に供給するために必要な原料供給器および間接加熱装置を溶融炉の上部に取り付ける作業を始め、更に、溶融炉の流下ノズルとガラス固化体の容器をつなぐ結合装置の取り付けなどを順次行っていく予定であります。
 そして、こうした復旧作業が終了次第、炉内に模擬ビーズを供給し、3月の前半には、溶融炉の熱上げを開始したいと考えております。

 なお、東海村にある実規模モックアップ施設、いわゆるKMOCを活用したデ−タの収集、分析につきましては、新たな知見を得ているところでありますが、撹拌運転時にガラスの流下性の低下が認められたことから、一旦ガラスをドレンアウトいたしました。
 その結果、炉内の一部の部品、廃ガス冷却器先端リングが外れているのが見つかっており、今後、炉を冷やした後、詳細な調査を行ってまいることとしております。

 いずれにいたしましても、今後ともガラス固化試験の再開に万全を期すため、安全を最優先に、今やるべきことを、一つ一つ着実に、しっかりと取り組んでまいる所存であります。

 
以上

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