日本原燃
2009年7月28日

 

定例記者懇談会挨拶概要



 副社長の川井でございます。本来であれば、社長の兒島からご報告申し上げるべきところでございますが、現在、入院加療中でございますので、かわりまして私からご報告させていただきます。
 本日は、「三村青森県知事へのご報告」の件と、「ガラス溶融炉の復旧に向けた作業状況」についてご報告申し上げます。

 まず、「三村青森県知事へのご報告」について申し上げます。
 先程11時から三村知事に時間を頂戴し、6月17日に開催された「核燃料サイクル協議会」で、当社のアクティブ試験に関してご要請のありました4項目について、私どもの取り組みをご報告いたしました。あわせて、さる5月1日に三村知事からご指示をいただきました「日本原子力技術協会」による特定評価と、「ロイド・レジスター・ジャパン」による特別監査の結果につきましてもご報告いたしました。
 ご報告した内容のポイントをご説明いたしますと、サイクル協議会における4項目の1点目、「ガラス固化試験への取り組み」につきましては、国内の専門的知見として、ガラス分野、溶融炉分野等の専門家、学識経験者を集めた「ガラス固化技術研究評価委員会」からご意見をいただくとともに、レンガ材料の専門家からも助言を得たいと考えております。また、日本原子力研究開発機構から当社に技術者を派遣していただく等、研究開発機関との連携を進めてまいる所存です。
  更に、当社と同様のレンガ製の溶融炉を採用しているドイツ、アメリカからの情報の取得を進めるとともに、フランスのアレバ社からも必要に応じて助言を得てまいりたいと考えております。
  2点目の「各部署の有機的な連携の構築」につきましては、長年にわたってサイクル技術の開発や安全管理に携わった経験を有する大和専務取締役を「再処理事業部特命担当」に任命し、事業全体を俯瞰した指導、助言を行うことで、再処理工場の中間管理職の視点・思考を広げたいと考えております。また、再処理事業部トップと中間管理職との十分なコミュニケーションの活発化を図り、「報告・連絡・相談」の定着化に努めてまいります。
  3点目の「企業体質の変革」につきましては、運転・保守優先型の組織に改正するため、運転部門、保修部門の連携強化、安全管理機能の集約強化等を進めます。また、中間管理職のマネージメント力を向上させるため、部長、課長が一堂に集まり、ディスカッションを行ったり、他企業にて現場でのマネージメント実践状況の視察や意見交換を行ってまいります。
  4点目の「トラブルの再発防止の徹底」につきましては、トラブルの再発防止の徹底を図るため、 体制整備を行うことといたします。具体的には、アクティブ試験以降のトラブルを精査し、トラブル事例集や社内規定類を充実するとともに、過去に実施した類似の作業を検証して、「万が一」を想定した作業計画を立案することといたします。そして、これらの対策を実施するにあたって、現場作業に精通した「安全技術担当」を各課に配置し、作業計画のチェック等を行わせ、安全最優先の視点から、日常業務をより実効あるものとしてまいります。

 次に、「高レベル廃液の漏えい事象に関する第三者機関による評価及び監査結果」でございますが、まず、原技協の特定評価につきましては、安全基盤強化に向けた具体的な対策の内容およびその実施状況について一定の評価をいただきました。加えて、設備の機能・設計根拠の把握、技術伝承の基盤整備、隔離・復旧の検討強化等、当社の技術力に焦点を当てた5項目の主な改善要望を頂戴しております。
  また、ロイドの特別監査につきましては、アクションプランに関する文書監査と実地監査の結果、総合所見として、いずれの項目の対応状況にも「指摘事項」、「観察事項」はなかったとの評価をいただきますとともに、アクションプランが的確に実施され、成果を挙げることを期待する旨の8項目のご意見を頂戴いたしました。
  両者からのご意見も踏まえまして、適宜業務に取り入れながら、アクションプランの着実な実施に向け全社をあげて取り組んでまいります。以上が本日知事へご報告いたしました内容の概要でございます。

 なお、三村知事からは、先程、「六ヶ所再処理施設については、アクティブ試験が長引いているが、原子燃料サイクルは我が国の原子力政策の基本であり、これを確立していくためには、安全の確保を第一義に、当面する課題を一つ一つ着実に解決し、しっかりとした安定運転を実現することが求められている。」、「日本原燃においては、本日報告の取り組みを着実に進め、更なる品質保証活動の実効性の確保等、継続的な改善に取り組むように。」とのお言葉をいただきました。
  私どもといたしましては、これを真摯に受け止め、安全を最優先に本日ご報告した取り組みを一歩一歩着実に実行し、三村知事のご要請にお応えしてまいりたいと考えております。

 次に、「ガラス溶融炉の復旧に向けた作業状況」について申し上げます。
  固化セル内にあって、全ての作業の手足となるパワーマニピュレータにつきましては、動作不良のため、5月下旬から昇降用のチェーンやモータの交換等を進めてまいりました。
  そうした中、このマニピュレータを上げ下げする際に伸縮するテレスコープがスムーズに動かないという不具合が確認されたため、テレスコープ本体一式を交換することとし、今月14日から準備作業を始め、来月の中頃までには終了したいと考えております。
  交換作業が終了し、パワーマニピュレータが復旧した後、洗浄作業を再開する予定であります。

  なお、本年8月しゅん工予定となっております再処理施設の工事計画につきましては、現場の作業状況等を踏まえながら工程変更の検討を行っているところであり、8月末までには新しい工程を国に届け出るとともに、青森県ならびに六ヶ所村へご報告させていただき、同時に皆さまにもお知らせしたいと考えております。

 
以上

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