日本原燃
調査結果(2006年7月4日掲載)
2006年5月2日

洞道内の漏えいを検知する検知ポットにおける
微量の放射性物質等の検出に関する調査結果について

 分離建屋と精製建屋の間の配管等を収めた洞道(アクティブトレンチ※1)内の漏えいを検知する検知ポットにおける、微量の放射性物質※2等の検出(4月24日公表)について、これまで原因究明のため調査を実施してきたところですが、洞道内の漏えい液受け皿の集液部の試料採取・分析などを実施した結果、放射性物質等は検出されませんでした。従って、洞道内の配管からの漏えいではないものと判断しました。
  本事象は、当該検知ポットに接続されている低レベル廃液貯槽等から混入したものと考えられますが、引き続き、原因究明のための調査を継続することといたします。


 

【調査内容等について】
  (洞道内の配管の健全性に関する調査)

  洞道内に立ち入り、漏えい液受け皿集液部における試料の採取・分析を行った結果、放射性物質等は検出されなかった。また、漏えい液受け皿を洗浄し、その洗浄水の採取・分析を行った結果、放射性物質等は検出されなかった。
  4月23日の分析において放射性物質等が検出されたが、前日(22日)の分析では放射性物質等は検出されていない。この間、漏えい検知ポットのサンプリング部に洞道側から液の流入がないことを運転記録から確認した。
  配管形状(U字型水封部)およびアクティブ試験以降に発生した洞道内からの結露水等の量から、当該漏えい検知ポットへの放射性物質等の流入は考えられないことを確認した。
  当該配管に改めて液を移送し、漏えい検知ポットにおける液位変化を観察したところ、液位変動の傾向に変化はなかった。
  当該配管の建設段階の記録により、適切に製作・据付け、検査が行われていることを確認した。

 以上のことから、今回検出された微量の放射性物質等は、洞道内の配管からの漏えいではないものと判断した。

 (低レベル廃液貯槽等からの混入に関する調査)
  当該検知ポットに微量の放射性物質やTBP※3などが混入する可能性がある経路として低レベル廃液貯槽等からの経路を抽出した。
  低レベル廃液貯槽等では、貯槽間の液の移送等により微量の放射性物質を含むミスト(飛沫)または蒸気になったTBPなどが検知ポットに混入する可能性があることを模擬試験装置により確認し、当該物質が上記経路を通じて検知ポットに混入した可能性が高いことが分かった。
  なお、微量の放射性物質を含むTBP等が検知ポットに混入しても、低レベル廃液処理設備で回収され適切に処理される。

【今後の対応について】
   本事象は、当該検知ポットに接続されている低レベル廃液貯槽等から混入したものと考えられますが、引き続き、原因究明のための調査を継続することといたします。

本事象については、当初、B情報の可能性があるとしてお知らせしましたが、調査の結果、C情報未満となりました。
せん断・溶解作業については、配管からの漏えいではないと判断したことから、準備が整い次第、実施いたします。


*1アクティブトレンチ 鉄筋コンクリート製の閉鎖された配管用通路で、通常は人が立ち入ることはできない。セル同様、漏えいがあった場合には、漏えい液は全て漏えい液受皿にて回収され、設計どおりの経路を通じ、廃液処理設備により適切に処理される。
*2放射性物質 検出された放射性物質は、全ベータ 0.52 ベクレル/ミリリットル
*3TBP リン酸三ブチル。硝酸溶液中のウラン、プルトニウムを抽出するために使用される抽出剤の一種。

概要図

 


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