JAPAN NUCLEAR FUEL LIMITED

<別紙2>

 

発熱量測定の判定基準及び発熱量から全βγ放射能濃度を
算出する計算式の変更の理由について


1.使用済燃料条件の変更

 

 第3回返還ガラス固化体については、ガラス固化された再処理廃液の使用済燃料条件(燃焼度・冷却期間)が表−1に示すとおり変更となりました。
 なお、これらの内容は、『第3回輸入廃棄物(ガラス固化体)返還に伴う「放射能濃度及び発熱量の決定に関する当面の補正係数」の見直しについて(報告)』により、昨年6月19日に科学技術庁から原子力安全委員会に報告されています。

 

 

表−1 使用済燃料条件及び当面の補正係数の変更

 

従来

第3回

燃焼度(GWd/tU)

20〜36

17〜38

冷却期間(年)

6〜30

5〜30

全α放射能濃度決定に関する当面の補正係数

1.04

1.04

全βγ放射能濃度決定に関する当面の補正係数

1.05

1.06

発熱量決定に関する当面の補正係数*

1.01

1.01

 

*発熱量決定に関する当面の補正係数について:
 ガラス固化体の発熱量は、ガラス固化体に含まれる放射性物質の量から計算により求める。発熱量を求める際には、発熱量の大部分を占める十数種類の主要な核種(指定核種)を選び、指定核種の含有量を分析等によって求め、含有量に基づいて計算した発熱量に指定核種以外の核種の寄与を補正係数として積算して、すべての核種に基づく発熱量を求めている。
 補正係数を式で表すと次のようになる。

 補正係数とは燃焼度や冷却期間により変動するものであり、この変動の平均値として当面の補正係数を設定した。

 

2.発熱量測定の判定基準の変更

 第3回返還ガラス固化体の受入検査のうち、発熱量測定に用いる判定基準については、ガラス固化される廃液の使用済燃料条件(燃焼度、冷却期間)が変更となったことに伴い、表−2に示すとおり変更します。

表−2 発熱量測定に用いる判定基準の変更

固化ガラス重量
(kg)

判定基準 (%)

変更前

変更後

390未満

75〜135

同左

390〜435

80〜125

90〜130

435超

75〜135

同左

 

 

 発熱量測定に用いる判定基準は、測定装置の誤差の他に補正係数の変動範囲を考慮しています。
 ガラス固化体に含まれる核種の組成は、使用済燃料の燃焼度や冷却期間により変化します。これに伴い、補正係数も図−1のように変化します。補正係数の変動範囲は、図−1中の”当面の補正係数”と”補正係数”の差の最大値(図−1中のA,B)で表されます。
 図−1から、今回の使用済燃料条件の変更に伴い、補正係数の変動範囲がBからAに拡がったことが分かります。この変動範囲の拡大により判定基準が一部変更になりました。

 


図−1 燃焼度と補正係数の関係(概念図)

 

3.発熱量から全βγ放射能濃度を算出する計算式の変更

 第3回返還ガラス固化体の受入検査のうち、全βγ放射能濃度と発熱量の相関を表す計算式の係数については、ガラス固化される廃液の使用済燃料条件(燃焼度、冷却期間)が変更となったことに伴い、表−3に示すとおり変更します。

 

表−3 全βγ放射能濃度と発熱量の相関を表す係数の変更

 

変更前

変更後

kmax

1.26×1016

1.28×1016

kmin

1.05×1016

9.91×1015

 

 全βγ放射能濃度と発熱量の間には、図−2に示す通り、燃焼度、冷却期間に応じた相関があります。
 今回、燃焼度、冷却期間がそれぞれ拡がったことにより、従来(1)の範囲内であった両者の相関関係が(2)の範囲内に拡がりました。このため、計算式中の両者の相関を表す係数を表−3の係数に変更します。

 


図−2 発熱量と全βγ放射能濃度との相関 (概念図)

 

以上

 


戻る