平成24年11月7日

報道関係各位

日本原燃株式会社

再処理事業所 技術開発研究所屋外におけるボイラ用重油配管からの漏えいについて(原因と対策)


 2012年8月6日、17時25分頃、再処理事業所技術開発研究所(非管理区域)において、巡視点検中の当社社員がボイラ用重油貯槽の重油配管(フレキシブルホース)から重油が滴下していることを発見しました。
 ただちにボイラ用重油貯槽の出口弁を閉止し、17時26分頃に漏えいが停止したことを確認しました。
 本設備については、平日1日1回の巡視点検を行っており、先週金曜日の巡視点検において漏えいはありませんでした。
 漏えいした重油の量は、ボイラ用重油貯槽内の液位から、約1,500リットルと推定しました。
 原因については、現在調査中です。
 なお、本事象による放射線の影響はなく、また、けが人もありません。
 (2012年8月6日お知らせ済み)

 その後、本事象が発生した原因について調査を行ってきましたが、本日、原因及び再発防止策をとりまとめましたので、お知らせいたします。

【原因】
 漏えいの発生したフレキシブルホースの破断について、破面観察や再現試験による調査を行った結果、フレキシブルホースの破断は内圧の上昇によるものであると判断しました。
 当該重油配管は冬季のみ使用しており、それ以外の時期は使用していないことから、使用していない期間は逆止弁と電磁弁の間で重油が閉じ込められた状態となることが確認されました。そのため、外気温の上昇に伴い、配管内重油が膨張し内圧が上昇したものと推定しています。
 当該配管設備は17年の使用実績がありますが、今までに膨張による重油の漏えいは発生していません。外気温の変動はこれまでもありましたが、2010年6月に設備修繕工事(配管交換)、2012年5月に電磁弁の交換を行ったことにより、配管内のシートリークや空気混入の状態が変化し、重油の膨張を吸収できなくなったことによりフレキシブルホースが破断し、漏えいに至ったものと推定しました。

※シートリーク:弁の密閉性の低下により弁内部でわずかに流体が流れること

【対策】
 推定原因を踏まえ、再発防止対策として、外気温の変動により発生する内圧を逃がすため、逃がしラインを11月中に設置することとし、消防法に基づく変更届提出などの手続きを進めております。
 また、当該設備の点検に用いるチェックシートに当該のフレキシブルホースを確認するという記載が無かった点に対する改善として、点検マニュアルに点検項目としてフレキシブルホースの記載を追加しました。さらに、当該フレキシブルホースに設置していた落雪対策の保護カバーについては、落下物等による荷重に係る調査においてフレキシブルホースの外力に対する耐久性が高いことが確認されたことから、フレキシブルホースの点検に対する改善(点検のしやすさの確保)として、撤去しました。


添付1:技術開発研究所屋外のボイラ用重油配管からの漏えい(概要図)
添付2:再処理事業所 技術開発研究所屋外におけるボイラ用重油配管からの漏えいについて(原因と対策)


以上


「ホームページ」へ 一覧へ