平成24年9月13日

報道関係各位

日本原燃株式会社

停電による六ヶ所ウラン濃縮工場の生産運転の停止について(原因と対策)


 2012年8月29日、ウラン濃縮工場において、14時07分に停電が発生し、2Aカスケード設備の生産運転が自動で停止しました。
 停電発生に伴い、非常用発電機が自動起動し、ウラン濃縮工場の保安上必要な機器への給電を行っており、建屋の負圧は維持され、ウランの漏えいも発生しておりません。
 停電の原因については、ウラン濃縮工場の所内電気設備において、地絡※1検出器が作動し、商用電源(外部電源)の受電遮断器が作動したことによるものです。
 商用電源からの受電は14時23分に復旧しておりますが、地絡検出器が作動した原因については、引き続き調査中です。
 本事象による作業員および環境への影響はありません。
 なお、カスケード設備は排気状態※2を継続しておりますが、遠心分離機は安定した状態で運転しており、その他設備にも異常はありません。

概要図

※1地絡:機器や電路の絶縁が低下し、大地等に電流が流れる現象
※2排気状態:カスケード設備内のウランガスを回収装置へ回収している状態

(2012年8月29日お知らせ済み)



 その後、本事象が発生した原因等について調査・検討を行ってきましたが、本日、原因及び再発防止対策を取りまとめましたので、お知らせします。
 なお、準備が整い次第、生産運転を再開する予定です。

【停電に至った原因】
濃縮・埋設事業所の電力量測定のため、可搬式電力量計の電流プラグ接続部ケーブルが断線した状態で所内電気盤の電流測定端子に接続した結果、地絡過電流継電器が作動して停電に至ったことが原因であることが判明しました。


【断線に至った推定原因】
8月29日午前中の作業終了後、午後の測定までの間で、何らかの原因(電源プラグの引き抜き、移動等)で電流プラグと配線の接続部が断線したものと推定しました。


【電流プラグの断線に気がつかなかった原因】
手順書では測定前に可搬式電力量計の電流プラグの結線に断線がないことを確認する手順であったが、作業員は手順書を使用せず、当該確認をしなかったため、断線に気がつかずに作業を実施しました。
当該作業は一人で実施していたため、確認作業を怠ることに対する歯止めが機能しませんでした。


【再発防止対策】
 以下の再発防止対策を実施し、基本ルールの遵守・徹底を図ります。
○手順書に係る対策
電力量測定作業については、重要な作業として位置づけ、現場作業は二人で確認しながら実施することを明記するとともに、確実に実施するため作業記録を作成し、運転課長の承認を得るように仕組みを改善しました。
本作業以外の作業についても手順書の内容や不具合発生時の影響を確認し、生産停止や設備故障に至る可能性がある作業を重要な作業と位置づけ、同様な仕組みに改善しました。

○教育に係る対策
濃縮事業部全員に手順書の遵守・徹底を含むコンプライアンスの教育を改めて実施しました。また、本事例を教育資料に盛り込み、定期的に教育することで風化させないようにします。
電気主任技術者による高圧電気設備の取扱い等に関する特別教育を電気設備取扱従事者に実施しました。

○基本ルール遵守・徹底に係る対策
濃縮事業部長より濃縮事業部全員に対して、基本ルールの遵守・徹底の重要性を訓示しました。
今回の手順書に係る対策において重要な作業として位置づけた作業について、ウラン濃縮を行うために必要な運転操作、保安維持のための作業と同様に、作業開始前に必ず関係者での作業手順や作業上の注意事項等を確認することで作業員の意識付け、重要ポイントの再確認を行うことを徹底して実施することとしました。
また、本活動を品質目標管理の中に取り込み、PDCAサイクルを活用することで定着化、継続的改善を図ります。


添付:停電によるウラン濃縮工場の生産運転の停止について

以上


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