日本原燃
【B情報】(2012年3月7日掲載、2012年8月31日原因及び再発防止対策掲載)

高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター

  ガラス固化体受入れ建屋、ガラス固化体貯蔵建屋及びガラス固化体貯蔵建屋B棟における換気設備の停止について

 3月6日(火)ガラス固化体受入れ建屋※1、ガラス固化体貯蔵建屋※2及びガラス固化体貯蔵建屋B棟※3(全て管理区域内)において、電気設備の点検のため、バッテリー※4からの給電をしゃ断したところ、運転していたガラス固化体受入れ建屋の管理区域送・排風機、ガラス固化体貯蔵建屋の検査室送・排風機及びガラス固化体貯蔵建屋B棟の管理区域送・排風機が15時22分に全台停止しました。
 当該建屋の電源系統について点検したところ、2系統ある電源系統のうち、前日に切り替えを行った電源系統において、開閉器※5が切となっており電源を供給していたバッテリーからの給電をしゃ断したことにより、電源が供給されない状態となったことを確認しました。
 このため、当該開閉器を入として電源の供給を行い、ガラス固化体受入れ建屋及びガラス固化体貯蔵建屋の停止した送・排風機を16時40分に、ガラス固化体貯蔵建屋B棟の停止した送・排風機を16時52分に再起動し、換気設備は復旧しました。
 この間、ガラス固化体受入れ建屋及びガラス固化体貯蔵建屋については、一時的に正圧となりましたが、ガラス固化体貯蔵建屋B棟ではこの間の負圧は維持されていました。
 開閉器が切となっていた原因については現在調査中です。
 本事象での放射性物質による汚染、環境への影響はありません。


※1 ガラス固化体受入れ建屋: 海外からの返還ガラス固化体を受け入れる建屋。
※2 ガラス固化体貯蔵建屋: 海外からの返還ガラス固化体を検査、貯蔵する建屋。貯蔵容量は1,440本。
※3 ガラス固化体貯蔵建屋B棟: ガラス固化体貯蔵建屋と同仕様の増設した建屋。
※4 バッテリー: 電源系統からの給電が行われなくなった際に、一時的に電源を供給するための設備
※5 開閉器: 電源回路の入り切りを行うための機器
   
(2012年3月7日お知らせ済み)
   
   その後、本事象が発生した原因について調査を行ってきましたが、本日、原因及び再発防止対策を取りまとめましたので、お知らせします。

【原因】
 今回切り替えを行った電源系統(D母線※6)において、電源系統の切り替えの際に、入の状態にしなければならない開閉器が切となっていることが確認された。
 また、今回の電源系統の切り替え作業に使用した作業連絡票(作業の手順などを記載した書類)について調査したところ、手順の記載を従前の手順から変更されていることが確認された。
 これらの確認された事実について原因を調査した結果、必要な「D母線側開閉器の入」操作が行われなかったのは、今回の電源系統切り替えの手順書が「しゃ断器をC母線側からD母線側に切り替える」となっており、「D母線側開閉器の入」の手順が記載されていなかったためであり、さらに以下の理由により、手順書の審査、承認の過程で手順の記載を変更したことが確認できず、「D母線側開閉器の入」の手順が明記されていなかったことに気づかなかったものと推定しました。
 
  電気設備の受電系統切替手順が含まれている作業連絡票は、品質保証標準類の変更の際に行うような管理方法(変更内容や変更点を示すための変更前後の比較表の作成)が定められていなかったために、手順の記載を変更したことが審査者、承認者に伝わりませんでした。
  作業連絡票の審査者・承認者は、過去に作業実績がある手順であり、過去と同様の手順という認識で、電源切替作業の範囲だけ(どの受電盤の系統を対象として切り替え作業を行うか)を確認し、手順の内容まではチェックしなかった。また、過去と同様の手順という認識であったため、審査者、承認者から担当者に対して変更を行ったかなどの問いかけが行われませんでした。
   
  ※6当該建屋の2系統ある電源系統のうちのひとつ。
 
  【対策】
 原因に対して、以下の対策を実施しました。
 
    手順の記載を変更した場合に変更内容や変更点を示すための変更前後の比較表の作成が行われるようにするため、電気設備の受電系統切替手順を品質保証標準類である「再処理事業部 所内電気設備運転マニュアル(廃棄物管理施設)」に取り込むとともに、今回変更した手順について、従前の手順に戻しました。
    また、受電盤の表示ランプは、切り替え操作を行った時点でD母線から給電されている状態になっていない(D母線側の受電盤の受電表示が点灯していなかった)状況であり、当該表示を確認していれば、D母線から給電されていないことに気づくことができたと考えることから、電源系統切り替え作業前後で受電盤面の表示を確認する手順を「再処理事業部 所内電気設備運転マニュアル(廃棄物管理施設)」に追加しました。
    作業連絡票の運用についても、今回の事象を受け、改善することを目的として、以下の対応を図りました。
      a. 作業連絡票を管理するためのルールである「再処理事業部 運転計画策定細則(廃棄物管理施設)」を以下のとおり変更しました。
      作業連絡票の審査、承認に加え、手順を手順単体で審査、承認することを定めました。
      3H(「はじめて、変更、久しぶり」)の観点でチェックを行うことにより変更点やはじめて作業など間違いが発生しやすい部分に対する確認が重点的に行えるよう3Hの観点を含め作業連絡票の審査、承認時のチェックの基準を定めたチェックシートによる審査、承認を行うことを定めました。
      b. 作業連絡票の審査・承認を受ける際には、過去に承認を得ている書類を参考にした場合やそれを変更した場合には、その旨を審査者及び承認者に対して確実に伝達することの必要性を関係者に教育しました。
以 上


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