日本原燃
【B情報】(2010年7月12日掲載、11月12日原因及び再発防止対策掲載)

  精製建屋における加熱蒸気温度高によるインターロック作動について

 7月12日(月)、精製建屋(管理区域内)において、廃液の処理運転の終了に伴い第2酸回収系設備※1の停止操作を行っていたところ、蒸発缶※2の液位が低下したため、蒸発缶へ加熱蒸気を供給する弁が閉止した。このため、蒸気発生器からの加熱蒸気が滞ったことにより、加熱蒸気の温度が高くなったため、11時11分にインターロックが作動し、加熱設備※3が停止しました。
 現在、加熱設備は停止しており、安全上問題はありません。
 また、原因については調査中です。
 なお、本事象による周辺環境への影響はなく、作業員の被ばくもありません。


※1 第2酸回収系設備 塔槽類廃ガス処理設備等から発生する廃液を定期的に処理するための設備
※2 蒸発缶 再処理工場で発生する廃液から硝酸を回収する目的で、廃液を加熱蒸気により加熱し、蒸発させる設備
※3 加熱設備 蒸発缶、精留塔で使用する加熱蒸気を製造・供給する設備

  概要図
   
   その後の調査の結果、蒸発缶の液位が低下した(液位低設定値となった)原因及び再発防止対策は以下の通りです。
 
   
原因
  @ 蒸発缶液位の停止時目標位置が液位低設定値に対して余裕が小さかったためです。
  A 運転員は、運転手順書に従い蒸発缶液位の停止時目標液位に向けた低下操作を行っていましたが、廃液供給量を低下させる操作と加熱蒸気量を低下させる操作について、液位を適切に低下させるための操作タイミングが運転手順書には明記されていなかったため、廃液供給量の低下に伴う液位低下の応答が遅いにも関わらず、廃液供給量の低下操作を継続しました。また、この際加熱蒸気量の低下操作を行いませんでした。その結果、蒸発缶の液位が液位低設定値まで低下しました。
     
再発防止対策
  @ 蒸発缶液位の停止時目標位置に向けた低下操作を取りやめることで、液位低設定値に接近するリスクを低減しました。
  A 廃液供給量と加熱蒸気量の低下操作のタイミングを運転手順書に明記しました。

図


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