日本原燃
2006年6月9日

再処理工場分析建屋における
微量の放射性物質の体内への取込みについて
(調査結果と今後の対応)


 再処理工場分析建屋において、試料の分析作業を行っていた協力会社作業員が、微量の放射性物質を体内へ取込んだ件(5月25日公表)につきまして、調査の結果、原因はフード※1での放射性物質の分析試料の取扱い作業において、放射性物質が二重に着用しているゴム手袋の一重目の手袋に付着し、汚染防止のためのエプロンの取外しに伴い体内に取込んだ可能性が高いと判断いたしました。

 このため、以下の対策を行うこととし、その内容を徹底するため、フード作業についての手順書の改訂、社員および協力会社の分析員の教育・訓練を実施することといたしました。

放射性物質の分析試料取扱い作業において、グローブボックス内に放射線検出器を設置し、エアロック※2へ試料皿を移動する前に試料皿裏面を検査し、放射性物質がエアロックおよびフードへ極力移行しないよう管理する。
二重に着用しているゴム手袋のうち、汚染の可能性のある二重目のゴム手袋を廃棄するため、専用の開口部の広い廃棄容器をフード内に新たに設置する。
フード作業終了時の補助作業者による身体(被服)の汚染検査を徹底する。
放射性物質を扱うフード作業時には、上記対策が定着するまでの間、半面マスクを着用する。

 また、バイオアッセイ※3測定結果により、当該作業員が体内へ取込んだ放射性物質からの預託実効線量※4は、0.014mSvと確定しました。この値は、法令で定める年線量限度(50mSv)より十分低いレベル※5です。

 類似事例:アクティブ試験において発生が予想されるトラブル等事例集No.6-06,6-21

※1 フード:放射性物質や化学薬品を取扱う際に、取扱い物質を拡散させないために使用す る局所排気装置を有する箱型装置
※2 エアロック:圧力の異なる場所の間に2枚の扉を設け、扉は片方ずつ開くようにすることで、物を移動する際に両空間が直接つながらないようにして、空気の流れを抑制するもの
※3 バイオアッセイ法:代謝機能により人体から排泄される尿、糞等に含まれる放射性物質を測定することにより、取込んだ全放射性物質の量を推定する方法
※4 預託実効線量:体内に取込んだ放射性物質から取込み後50年間に被ばくする実効線量を取込み時点で被ばくしたものとして評価した実効線量
※5 胸部レントゲン撮影により被ばくする線量(約0.05 mSv)より低い値であり、また、被ばく歴に記録するレベル(記録レベル:2mSv)よりも十分低い。
概要図参照

以上
○本事象は、トラブル情報に該当するものではありません。

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