日本原燃
【B情報】(2006年5月18日掲載、5月29日原因・対策掲載)

精製建屋


精製建屋内における試薬の漏えいについて

 5月17日(水)19時00分頃、精製建屋1階の管理区域内にある漏えいの拡大防止のための堰構造*1を有する室内(試薬分配第1室)において、液体が滴下しているのを協力会社社員が発見しました。
 その後、プルトニウム精製工程の停止操作を行い、漏えいが停止したことを目視で確認しました。
 現場を確認した結果、漏えい液(約7リットル)はプルトニウム精製工程のプルトニウム洗浄器*2に供給する放射性物質*3を含む試薬(硝酸ウラナス溶液*4)であり、漏えい箇所は、当該系統配管のT字部であることを確認しました。今後、原因を調査します。
 なお、漏えい液は回収し、適切に処理します。
 本事象による主排気筒モニタおよびモニタリングポストの指示値の変動はなく、環境への影響はありませんでした。また、作業員への影響もありませんでした。

*1堰 構 造 万一の漏えい発生時に、周囲への拡大を防ぐように設置された堰の役割を持つ構造物
*2プルトニウム洗浄器 溶媒中に含まれるプルトニウムを溶媒から除去するための機器
*3放射性物質 全ベータ :約4.7×10ベクレル/ミリリットル
全アルファ:約6.5ベクレル/ミリリットル
全ウラン:約21グラム/リットル
*4硝酸ウラナス溶液 溶媒中に含まれるプルトニウムを溶媒から除去するために用いるウランを含む硝酸溶液

概要図参照(PDF)

○原因調査結果と再発防止対策

【原因調査結果】
 漏えい箇所は、浸透探傷試験により、配管と配管をつなぐT字型の接続部品(以下「T継手」という)の母材部であることを確認しました。また、当該T継手の内外面の拡大観察、断面観察等の結果、材料に含まれていた非金属介在物が、硝酸ウラナス溶液により侵食、貫通したことによる漏えいであることを確認しました。
 今回漏えいしたT継手は、昨年7月に液滴が発見されたT継手と同一条件で製作されたもの(以下「同一ロット」という)であり、漏えいした原因も同様でした。
浸透探傷試験結果(写真PDF)
【再発防止対策】
 昨年7月に液滴が発見されたT継手と同一ロット品で今回も漏えいがあったことから、同一ロットのT継手のうち、同様の使用条件(硝酸溶液に接液)にあるものは全て切断し内面の確認をしたところ、他にも侵食が認められました。
 このため、切断した箇所は、材料の検査を行った新しいT継手に交換の後、必要な検査を受検し、合格後、試験で使用します。

非金属介在物:酸化物、硫化物等の不純物

図


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