JAPANNUCLEARFUEL LIMITED |
濃縮・埋設事業所 原子力事業者防災業務計画 (概要版) |
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日本原燃株式会社 |
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1.目的 |
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原子力事業者防災業務計画は,原子力災害対策特別措置法(以下「原災法」という。)第7条第1項の規定に基づき,原子力災害の発生及び拡大を防止し,並びに原子力災害の復旧を図るために必要な業務を定め,事業者の責務の遂行に資することを目的とする。 |
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2.用語の定義 |
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事業者の緊急時態勢を以下のとおり定義する。 |
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・第1次緊急時態勢: |
原災法第10条に定められる事象又は地域防災計画に定められる警戒配備に該当する事象の発生が認められ関係機関に通報するとき |
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・第2次緊急時態勢: |
原災法第15条に定められる原子力緊急事態宣言の基準又は地域防災計画に定められる災害対策本部設置基準に至ったとして関係機関に報告するとき,あるいは原子力緊急事態宣言が行われたとき又は地域防災計画に定められる災害対策本部が設置されたとき |
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3.基本方針 |
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原災法等に基づき,原子力災害の発生防止に関する措置を講じるとともに,原子力災害が発生した場合の拡大防止及び復旧に関し必要な準備を行うこととし,原子力災害予防対策,緊急時態勢発令時の措置及び原子力災害事後対策に重点をおいてこの計画を定め,原子力防災対策の推進を図る。 |
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4.原子力事業者防災業務計画の修正 |
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原子力防災管理者は,毎年この計画に検討を加え,修正する場合はあらかじめ青森県知事及び六ヶ所村長と協議する。協議は,この計画を修正しようとする日の60日前までに,修正案を提出して行う。 |
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1.防災体制の整備 |
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(1)原子力防災組織 |
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原子力災害の発生及び拡大防止並びに原子力災害事後対策に必要な業務をこの計画に従い行うため,事業所対策本部をあらかじめ定め,これを原子力防災組織とする。 |
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(2)原子力防災管理者,副原子力防災管理者 |
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原子力防災管理者は事業所長とし,原子力防災組織を統括管理するとともに次の職務を行う |
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原災法第10条に定められる事象又は地域防災計画に定められる警戒配備に該当する事象の発生が認められた場合の関係機関への通報 |
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原子力防災要員等の召集,事業所対策本部の設置,原子力災害の発生及び拡大防止のために必要な措置の実施 |
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放射線測定設備その他必要な資機材の整備 |
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原子力防災要員等に対する訓練及び教育の実施 |
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副原子力防災管理者は,原子力防災管理者を補佐するとともに,原子力防災管理者が不在の場合はあらかじめ定められた順位によりその職務を代行する。 |
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(3)連絡責任者 |
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原子力防災管理者は,関係機関への通報を迅速かつ的確に行うため,連絡責任者を定める。 |
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2.防災活動に使用する施設及び設備の整備 |
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事業所対策室,本社対策室,退去集合場所,除染施設,応急処置施設,気象観測設備,放送装置等を整備する。 |
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3.放射線測定設備その他必要な資機材の整備 |
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(1)モニタリングポスト |
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毎年1回以上定期に較正を行う。また,警報の設定を行う。 |
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(2)原子力防災資機材等 |
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排気用モニタ等の原子力防災資機材に関し,必要な数量を確保するとともに定期的に保守点検を行い,常に使用可能な状態に整備する。 |
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4.原子力防災活動に必要な資料の整備 |
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事業所対策室及び本社対策室に原子力防災活動で使用する資料を整備する。また,オフサイトセンターへ備え付ける資料を科学技術庁長官へ提出する。 |
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5.防災教育,防災訓練 |
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(1)防災教育 |
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原子力防災要員等に対し,事業所等の施設,原子力防災体制及び対策活動,放射線防護,防災諸設備に関する事項について教育を行う。 |
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(2)防災訓練 |
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原子力災害を想定した総合訓練(原則毎年),通報訓練,救護訓練,モニタリング訓練,避難誘導訓練を実施し,評価を行う。 |
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6.関係機関との連携 |
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科学技術庁その他関係省庁,県及び村,地元防災関係機関等と平常時から協調し,防災情報の収集,提供等相互連携を図る。 |
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7.周辺住民に対する平常時の広報活動 |
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事業所の周辺住民に対し,国,青森県及び六ヶ所村と協調して,正しい知識の普及・啓発を行う。 |
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1.特定事象等発見時の通報 |
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原災法第10条に定められる事象の発生の通報を受けた連絡責任者は,原子力防災管理者に通報するとともに,通報を受けてから15分以内を目途として,科学技術庁長官,青森県知事,六ヶ所村長,官邸(内閣官房),国土庁,青森県警察本部,北部上北広域事務組合消防本部,八戸海上保安部,野辺地警察署,六ヶ所消防署及び原子力防災専門官にファクシミリ装置を用いて一斉に送信する。更に送信した旨を電話で送信先に連絡し,科学技術庁長官,青森県知事及び六ヶ所村長についてはその着信を確認するとともに,他の各関係機関にも通報する。 |
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2.第1次緊急時態勢の発令 |
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原子力防災管理者は,事業所に第1次緊急時態勢を発令,原子力防災要員等を召集し事業所対策本部を設置,事業所対策本部長となる。 |
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3.応急措置の実施 |
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(1)事故状況の把握 |
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原子力防災管理者は,事故の原因,事故の状況,被ばく及び負傷者の状況,施設内の放射線量率,環境への放射性物質の放出状況等の把握を行う。 |
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(2)原子力災害の発生防止措置の実施 |
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原子力防災管理者は,対策本部の各班長等を指揮し,原子力災害発生防止に必要な以下の応急措置を実施する。 |
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事故の拡大防止に関する運転上の措置等の応急復旧対策 |
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放射線監視データ,環境モニタリングデータ等から放射線量等の影響範囲の推定 |
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放射線被ばくを受けた者及びそのおそれのある者の線量当量評価 |
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被災者に対する除染及び応急措置と外部の医療機関への移送 |
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被災者を移送する場合の救急隊等への汚染状況の伝達,やむをえず汚染残留者を移送する場合の汚染拡大防止措置と放射線管理班員の同行 |
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資機材の調達及び輸送 |
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保安上の通信を確保するために必要と認めた時の通話制限,事故発生施設以外の施設の保安,消火活動 |
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(3)事業所外運搬に係る事象の発生における措置 |
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原子力防災管理者及び本社対策本部長は,事業所外運搬に係る事象が発生した場合,直ちに現場に必要な要員を派遣するとともに,事象の状況を踏まえ,運搬を受託した者等に,携行した防災資機材を用いて,必要な措置を実施させ,また,最寄りの消防機関,警察機関及び海上保安部署との協力を図り,原子力災害の発生の防止を図る。 |
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(4)経過及び概要報告 |
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把握した事故の状況,実施した応急措置の概要について関係機関に報告する。 |
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(5)オフサイトセンターとの連携 |
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オフサイトセンターにおいて現地事故対策連絡会議が開催され科学技術庁からの要請を受けたときは,現地事故対策連絡会議へ原子力防災要員等を派遣する。 |
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(6)広報活動 |
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特定事象等の発生の通報を行った旨を報道機関へ発表する。また,状況に応じてプレスセンターを開設し,施設の状況,応急措置の概要等を関係機関及び報道機関を通じて周辺住民へ提供できるよう発表する。 |
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4.第1次緊急時態勢の解除 |
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原子力防災管理者は,拡大防止措置により事故が終息していると判断した場合は,第1次緊急時態勢を解除する。 |
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1.災害対策本部設置基準に至ったときの報告 |
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原災法第15条に定められる原子力緊急事態宣言の基準又は地域防災計画に定められる災害対策本部設置基準に至ったと認めた場合,原子力防災管理者は,科学技術庁長官,青森県知事,六ヶ所村長,原子力防災専門官及び各関係機関に報告する。 |
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2.第2次緊急時態勢の発令 |
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原子力防災管理者は,事業所に第2次緊急時態勢を発令し,他方の事業所(濃縮・埋設事業所又は再処理事業所)に原子力防災要員の派遣を要請する。 |
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3.緊急事態応急対策等の実施 |
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(1)原子力災害の発生及び拡大防止措置 |
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原子力防災管理者は,対策本部の各班長を指揮し,原子力災害の発生及び拡大を防止するため,応急措置を実施する。 |
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(2)事業所外運搬事故における対策 |
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原子力防災管理者及び本社対策本部長は,運搬を受託した者と協力し,発災現場に派遣された専門家による助言を踏まえつつ,原子力施設における原子力災害に準じた緊急事態応急対策を主体的に講じる。 |
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(3)オフサイトセンターとの連携 |
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関係機関の行う緊急事態応急対策が円滑に行われるようにするため,要員の派遣,資機材の貸与その他必要な措置を講じる。派遣された要員は合同対策協議会の指示に基づき業務を行う。 |
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(4)当社以外の原子力事業者への応援要請 |
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必要な場合,他の原子力事業者へ応援を要請する。 |
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4.第2次緊急時態勢の解除 |
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事故原因の除去及び拡大防止措置により事象が終息し緊急時態勢をとる必要が無いと判断した場合は,第2次緊急時態勢を解除する。 |
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復旧計画を策定し科学技術庁,青森県及び六ヶ所村に提出し,その計画に基づき施設の損傷状況の把握,放射性物質の追加放出の防止,施設損傷部の修理,改造等を速やかに実施する。 |
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他方の事業所(濃縮・埋設事業所又は再処理事業所)で第2次緊急時態勢が発令された場合は,原子力防災要員の派遣等の必要な支援を行う。 |
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