発表•お知らせ
2017年10月11日

平成29年度第2回保安検査等の結果について

 当社各施設の平成29年度第2回保安検査等において確認されておりました「再処理施設非常用電源建屋への雨水浸入について」および「濃縮・埋設事業所加工施設における排気ダクトの腐食について」、本日の原子力規制委員会において、保安規定違反との指摘を受けました。
 当社は、今回の指摘を全社で取り組むべき問題として真摯に受けとめ、事業者対応方針(2017年9月27日お知らせ済み)に基づき、再発防止に取り組んでまいります。

【再処理施設】
○再処理施設非常用電源建屋への雨水浸入について
 2017年8月13日、再処理工場非常用電源建屋(非管理区域)に隣接した屋外の配管ピットBに溜まっていた雨水が、配管ピットBと建屋を繋ぐ配管の建屋壁貫通部から非常用電源建屋内に約800リットル浸入する事象が発生しました。本事象による外部への影響はないことを確認しております。
 雨水が浸入した壁貫通部については、北陸電力株式会社志賀原子力発電所での原子炉建屋内への雨水流入事象を受けた原子力規制委員会からの指示(2016年11月)に対する当社報告書(2016年12月)において、止水措置に問題がない旨を報告していました。
 また、本事象に関する調査を行っていたところ、雨水が溜まっていた配管ピットは、2003年以降、点検をしていなかったことがわかりました。
 本件につきましては、再処理施設保安規定上で定める「業務の計画及び実施」、「巡視・点検」および「保守管理に係る計画及び実施」の規定に反していることから、保安規定違反との指摘を受けました。
 雨水が浸入した配管ピットについては、コンクリート蓋および点検口の蓋と、配管ピットとの接触面に隙間が生じないよう、コンクリート蓋には止水用コーキングを施しその上に防水テープを、点検口の蓋には防水テープを施工し、さらに、ピット周辺地盤の掘削やピット上部にやぐらを組んでブルーシートで覆うなどの応急処置を実施し、雨水の浸入を防止する対策を実施しています。
 現在、ピット周辺地盤にコンクリート舗装の施工や排水用の勾配を設けるなど、10月末までに恒久的な対策を実施しているところです。
 なお、現時点において非常用電源建屋への雨水の浸入はありません。
 今後、事業者対応方針に基づき、再発防止を図るとともに、適切な保守管理を実施してまいります。

【ウラン濃縮施設】
○濃縮・埋設事業所加工施設における排気ダクトの腐食について
 ウラン濃縮工場において、中国電力(株)島根原子力発電所での中央制御室空調換気系ダクトの腐食を踏まえ、自主的に、2017年1月から9月に給排気ダクトの点検を行いました。
 当該点検において、同年2月に、更衣エリア天井裏の排気ダクトに腐食による損傷等を確認したことを受け、引き続き、点検を実施したところ、同年8月に分析室天井裏の排気ダクトに腐食による損傷等を確認しました。当該損傷により核燃料物質等を限定された区域に閉じ込める機能を保持した状態にないことを確認しました。これらの排気ダクトについては、1992年の操業開始以降、点検が行われていませんでした。
 また、当該分析室内での作業にあたり、排気ダクトの閉じ込め機能に異常があり、基準に適合していない状態のダクトがあるにも係わらず、腐食箇所の汚染検査や養生が実施済みであることを根拠に、新たな汚染の可能性はないと判断し、同室に入域した作業員に適切な放射線防護装備がなされていませんでした。
 本件につきましては、加工施設保安規定上で定める「保守管理に係る計画及び実施」および「管理区域への出入管理」の規定に反していることから、保安規定違反との指摘を受けました。
 現在、補修が必要な錆、変色等を確認したダクト等について、10月末を目標に交換や補修を実施しているところです。
 本事象において、放射性物質の漏えいはなく、建屋内の負圧も維持されており、外部への影響はないことを確認しております。
 また、同室に入域した作業員は、身体サーベイの結果より被ばくはないことを確認しております。
 今後、事業者対応方針に基づき、今回確認された腐食箇所は、順次補修を行うとともに、再発防止対策を徹底し、適切な保守管理および教育を実施してまいります。

以上