広報活動
2018年3月16日掲載

舞の海秀平さんが訪ねる 原子燃料サイクル最前線

「青森はエネルギーの将来を担う」 -舞の海秀平 氏

 日本原燃の原子燃料サイクル施設をはじめ、エネルギー関連施設が集積する青森県六ヶ所村。今回、青森県出身力士として相撲界を沸かせ、現在は大相撲解説者、スポーツキャスターとして活躍する舞の海秀平さんが六ヶ所村を訪ね、原子燃料サイクル事業の最前線を取材しました。

エネルギーの未来へ多様な選択肢を

 舞の海さんが最初に訪れたのは「六ケ所原燃PRセンター」。今回、原子燃料サイクル施設の視察に先がけて、再処理の仕組みやサイクル事業の必要性などについて理解を深めました。

 PRセンターのスタッフから「3階の展望台からは、原子燃料サイクル施設に加え、国家石油備蓄基地、林立する風車やソーラーパネルといった再生可能エネルギーの発電設備など、多くのエネルギー関連施設を望むことができます」と説明を受け、六ヶ所村の風景を眺めながら「環境に優しい再生可能エネルギーの導入拡大は大切ですが…。自然条件によって発電出力が大きく変動することや、現時点では発電コストが高いといった課題があると聞きます」と舞の海さん。
 「再生可能エネルギーの出力変動に対して、電力会社は火力発電の出力を上げ下げすることで調整し、バックアップ体制をとっています。しかし、これには発電設備を二重に持つことになるというデメリットも出てしまいますね」と説明を受けました。
 また、「再生可能エネルギーで発電した電気は電力会社が買取りますが、この買取費用は電気料金と合わせて、広く皆さまにご負担いただくという制度となっています。ちなみに、標準的なご家庭でのご負担額は、現在、年間8千円を超えているんですよ」との説明に、舞の海さんは「産業活動や私たちの生活に過度な負担とならないようにする必要がありますね」と話していました。

 かねてから日本のエネルギー事情に強い関心を持っていたと語る舞の海さんは、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故後の風潮について、「原子力や日本のエネルギー問題を感情論で語るのは危険です。事故で被害を受けた人たちをどうサポートできるのかという問題と、日本のエネルギーの将来を考えることを混同してはいけない」と指摘。「エネルギー自給率がわずか8%程度という日本の現状や、各発電方式それぞれの特性を踏まえて議論すべき」と強調していました。


PRセンターの装置を用いて自然界にある放射線の動きを観察

舞の海さんの視点ここがポイント
多様な選択肢を持ち、エネルギーミックスを達成することの重要性を実感しました

原子燃料サイクル、再処理の意義を実感

 続いて、舞の海さんは原子燃料サイクルの要となる再処理工場を視察。
 三交代勤務で、 24時間・365日体制で施設の監視を続けている中央制御室は、再処理工場の心臓部です。
 さらに、使用済燃料をプールで貯蔵管理する施設を視察した舞の海さんは、「国内に使用済燃料はどのくらいあるのですか?」「それらを再処理するには何年くらいかかるのでしょうか?」と熱心に質問。日本原燃の担当者から「全国の原子力電所には2017年9月末の時点で、約1万5千トンの使用済燃料が貯蔵されています」「再処理工場の年間処理能力は最大で800トンですから、1万5千トンを再処理するには、定格運転しても 18年以上かかるんですよ」との説明を聞くと、「非常に息の長い事業ですね」と感心した様子でした。
 使用済燃料を再処理し、取り出したウランとプルトニウムからは、再び原子力発電の燃料となる「MOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料」が製造されます。
 「日本はエネルギー資源の多くを輸入していますが、使用済燃料を再処理することにより、『準国産エネルギー資源』を創出できることになります。現在国内に保管されている使用済燃料を再処理して原子力発電の燃料として再利用すれば、国内の約1.5年分の電力需要を賄うことができます。また、再処理は放射性廃棄物の減容化にもつながります」という説明を聞き、舞の海さんも納得の表情を浮かべていました。


再処理工場の中央制御室前で説明を受ける舞の海さん

技術を駆使して準国産エネルギーの創出を

 日本原燃の取り組む事業、特に再処理事業では、国内はもとより、海外にも例のない「オンリーワン」技術の確立に向けて、様々な技術を獲得・集積する挑戦が続けられています。
 大型力士と渡り合うため、技を磨き続けた舞の海さんは、相撲界でオンリーワンの存在。「日本のエネルギーについても、資源が少ないからといって、海外からの輸入に頼るばかりではなく、技術を駆使して再処理事業を確立し、『準国産エネルギー』の創出を成し遂げてほしい」と今後の取り組みに期待を寄せていました。
 また、「壮大で国内唯一のプロジェクトへの挑戦が青森の地で進められていることを、青森県出身の一人として誇りに思います。また、全国の人たちにも、ここ青森で重要な事業が進められていることを知ってほしいと思います」と語っていました。

舞の海さんの視点ここがポイント
青森の地で原子燃料サイクル事業への挑戦が行われていることを誇りに思いました

コミュニケーション活動を通じて信頼関係構築を

 日本原燃は会社の設立当初から、青森県に根ざし、地域とともに歩む事業活動を行っています。社員の約6割が青森県出身であり、地域イベントやボランティア活動に社員が参加するなど、長きにわたり、さまざまなコミュニケーション活動に取り組んできました。
 会社設立と同時にスタートした全戸訪問では、毎年、六ヶ所村で働く社員が村内全戸を訪問し、事業の状況等について継続してお伝えしてきました。特に福島第一原子力発電所の事故以降は、安全性向上の取り組みについて詳しくご説明するとともに村民の皆さまの声を聞かせていただく活動を続けています。こうした経緯について説明を受け、「地道な活動の積み重ねが大切ですね」と舞の海さん。

 最後に舞の海さんは「相撲でも、突っ張りしかない力士は、相手に突っ張りが通用しなければお手上げです。四つに組める人、そこから投げ技、足技がある力士は相撲の取り口にも幅が出てきます」「エネルギー問題もしかりです。もちろん、あらゆるものごとにリスクはつきものです。しかし、エネルギー資源に乏しい日本では、事故が起こったからといって感情的に原子力を排除してしまうのではなく、エネルギーの将来について冷静に議論し、安全確保を大前提とした原子力の活用と原子燃料サイクルの実現を含めて、様々な選択肢を確保しなければなりません」と視察を終えた感想を語っていました。

安全性向上の取り組み-想定されるリスクに備えて-

 舞の海さんは、福島第一原子力発電所事故の教訓や海外の知見などを反映して定められた「新規制基準」を踏まえ、日本原燃が実施している安全性向上に向けた取り組みなども視察。
 再処理施設では、設計・建設の段階から十分な安全性を確保するための対策が施されています。また万が一、施設で使う電源や冷却用の水が失われた場合などに備え、移動可能な電源車や貯水槽など、施設の安全性・災害対応能力を高める設備の配備に加えて、これらの設備を使った訓練を通じた知識・技能の向上に力を入れています。
 「わざわざ気象条件が厳しい冬に訓練を行うと聞きましたが」と尋ねる舞の海さんに対しては、「例えば各施設の冷却機能が失われた場合に備え、貯水槽や河川、沼からの取水など何重もの安全対策を講じています。厳冬期に沼の氷を割り、ホースを入れて取水を行う訓練も実施しているんですよ」と、あえて過酷な環境を想定した訓練を行っていることを説明し、舞の海さんは頷いていました。また、「事故は決して起こしてはならないものです。あらゆる事態を想定して安全の上に安全を積み重ねてほしい」と話していました。

沼の氷を割りホースで取水する厳冬期の訓練

沼の氷を割りホースで取水する厳冬期の訓練

厳冬期に電源車にケーブルを接続する訓練

厳冬期に電源車にケーブルを接続する訓練

舞の海秀平 氏

舞の海秀平

1968年、青森県生まれ。本名 長尾秀平。
日本大学卒、90年出羽海部屋入門。91年新入幕、技能賞5回、最高位は東小結。
99年の引退後、NHK大相撲解説者、スポーツキャスターとして活動する。