六ヶ所再処理工場における試験の概要
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「試験」により,機器の「故障や不具合」を操業前に発見し,必要な措置をとることが重要
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再処理工場の機器は,日本あるいは海外のメーカの工場で製作され,そこで設計通り作られているかどうか検査が行われ,出荷されます。その後六ヶ所の現場では,これらの機器を接続する工事が行われますが,操業開始前までには機器を結びつけた「系統」が再処理工場全体として設計通り,所定の機能を発揮し,安定かつ安全に運転できるか確認する必要があります。
六ヶ所の再処理工場には,約10,000基もの主要な機器があります。再処理工場を操業開始後,安定かつ安全に運転するために,この「試験」において設備の操作性や保守性も確認し,機器の故障や不具合を操業前までに発見し,調整や手直しなどの必要な措置をとることとしています。
また,このような「試験」を行うことにより,操業開始後には容易に近づいて確認することができない機器,系統でも段階的に性能を確認して行くので,運転員や保守員の技術習得,向上にも大いに効果があります。
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・セル
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高放射性物質を取り扱う機器等は,コンクリート性の分厚い遮へい壁で囲まれた部屋に設置することにより,放射線による被ばくを防止すると共に,放射性物質の汚染拡大を防止しています。この部屋をセルと呼んでいます。
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・有機溶媒
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有機化合物を成分とする液体であり,再処理工場では,ウラン・プルトニウムを選択的に抽出するリン酸トリブチル(抽出剤)をドデカン(希釈剤)で希釈した溶液をいいます。
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・劣化ウラン
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天然ウラン(0.7%
U235含む)から燃料として利用できるU-235が分離され,U-235が少なくなったものを劣化ウランと呼びます。
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■試験項目は抜けがないように選定
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故障や不具合を摘出するために実施する試験は,抜けがないように工場の稼動状態(通常運転,異常,保守)と設備の範囲(機器単体,系統,全体)を組み合わせ,体系的に実施します。
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(1)
通常運転状態での確認,調整
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各機器・系統ひとつひとつの試験を実施し,いろいろな機器のデータを取ると共に,操作性も確認しながら,これらを組合わせて,その範囲を少しずつ広げ,最終的には,工場全体を通して機器が性能を発揮するか試験を行います。
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(2) 異常状態を摸擬した試験
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機器の故障などにより通常状態から外れるような異常状態を模擬し,警報の発報や正常な状態への復帰,或いは機器が停止するような安全な動作をすること(インターロック)を確認する試験を行います。
この場合も,試験の対象範囲を順次広げるとともに,異常(外乱)の大きさを小さなものから,大きなもの(たとえば電源喪失試験)へと段階的に変えて行います。
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(3) 保守作業の確認試験
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定期的に行う保守作業などを想定して,その作業時に使う工具が適切か,また作業がスムーズに行われるか等を確認する試験を行います。
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■先行再処理工場での実績も踏まえて実施
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試験は,先行再処理工場であるフランスのラ・アーグ再処理工場,我が国の東海再処理工場などの経験を踏まえ,計画しています。
なお,先行再処理工場においても,同様な試験を行い,操業を開始しています。
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■試験体制
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通水作動試験は,建設工事に引き続いた試験であるため,建設体制で行います。
化学試験以降は,操業運転時と同様な体制に加え,海外や国内の再処理の経験のあるCOGEMAグループ,BNFL及び核燃料サイクル開発機構などの支援を受けて行います。
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・COGEMA
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フランスのラ・アーグ再処理工場の運転を行っている会社
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・BNFL
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イギリスの再処理工場を運転している会社(六ヶ所再処理工場の一部の工程の設計を行っています。)
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