「日本のエネルギー問題」を考える

  • ①エネルギー資源の安定確保
  • ②電力の安定供給
  • ③発電と地球温暖化問題
  • ④原子燃料サイクル
  • ⑤放射性廃棄物処理
  • ⑥世界の原子力政策の現状

④原子燃料サイクル

ウラン燃料をリサイクルすることでエネルギーの安定確保を推進

化石燃料とは異なり、使い終えたウラン燃料(使用済燃料)のなかには、消費されなかったウランや、新たに生成したプルトニウムなど、まだ燃料として利用できる資源が多く含まれています。適切な処理を施せば(これを再処理といいます)、ウランを燃料として再利用できる、つまり燃料をリサイクルできるという特長が原子力発電にはあります。このようなウラン燃料(生成したプルトニウムの利用も含む)の流れ全体を、「原子燃料サイクル」と呼びます。

原子燃料サイクル
図:原子燃料サイクル
出典:電気事業連合会「原子力・エネルギー」図面集2010

原子力発電の燃料となるウランは、化石燃料(石油など)と同様に輸入に頼っています。政治的・経済的に安定した産出国を中心に輸入しているため、化石燃料に比べるとウランの供給安定性は優れていますが、天然の地下資源のため、量には限りがあります。さらにアジアを中心としたエネルギー消費量の増加、地球温暖化対策にともなう原子力発電の再評価によってウランの需要が高まり、ウラン価格は上昇しています。

こうした点から、日本にとってウラン燃料をリサイクルすることは、エネルギーの安定確保(エネルギーセキュリティ確保)と資源の有効利用のために、きわめて重要になっています。さらに、使用済燃料を再処理せずにそのまま廃棄物として処分した場合に比べると、高レベル放射性廃棄物の量を減らすことができます。

このように、エネルギーセキュリティの確保、ウラン資源の有効利用、放射性廃棄物の削減の面から、原子燃料サイクルの確立は大きな意義を持っています。

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ウランを有効活用する「プルサーマル」が日本のエネルギー自給率を高める

原子力発電所で使用した燃料(使用済燃料)には、消費されなかったウランや新たに生成したプルトニウムが含まれています。この生成したプルトニウムを取り出して燃料として加工し、運転中の原子力発電所(軽水炉という種類の原子炉を使っています)で再び活かせれば、ウランの利用効率はさらに高まり、日本のエネルギー自給率の向上に大きく貢献します。

これが重要なエネルギー政策の一つである「プルサーマル」です。実際にプルサーマルで使用する燃料は、取り出したプルトニウムをウランと混ぜ合わせたMOX燃料(ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料)と呼ばれるもので、海外の原子力発電では豊富な実績があります。

MOX燃料
図:MOX燃料
出典:電気事業連合会「原子力・エネルギー」図面集2010

プルサーマルのしくみ
図:プルサーマルのしくみ
出典:電気事業連合会「原子力・エネルギー」図面集2010

我が国でも、2009年12月に、九州電力玄海原子力発電所3号機で国内初のプルサーマルが営業運転を開始。2010年3月には、四国電力の伊方原子力発電所3号機でプルサーマルによる営業運転が始まりました。

国内各社のプルサーマル計画
図:国内各社のプルサーマル計画
出典:電気事業連合会「電気事業の現状2010」より作成

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