原子燃料サイクルと日本原燃の事業

事業④高レベル放射性廃棄物貯蔵管理事業 使用済燃料から分離される高レベル放射性廃棄物を安全に貯蔵

「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理」とは 高レベル放射性廃棄物のガラス固化体を冷却するまで貯蔵する

再処理工場では、使用済燃料から有用な資源であるウラン、プルトニウムを回収し、核分裂生成物を主成分とする廃棄物を分離します。この廃棄物は、「高レベル放射性廃棄物」と呼ばれ、放射能レベルが高いものです。

「高レベル放射性廃棄物」は、「低レベル放射性廃棄物」に比べて、放射線管理にいっそうの注意が必要であり、半減期の長い核種が含まれているため、長期間にわたり人間環境から隔離する必要があります。この「高レベル放射性廃棄物」の処分については、私たちの生活環境に影響を及ぼさないように、深い地中に埋設して生活環境から長期間隔離する「地層処分」が基本的な考え方とされています。地層処分は、これまで国際機関や世界各国で検討されてきた宇宙処分や海洋底処分、氷床処分などの方法と比較しても最も問題点が少なく、最も望ましい方法として実現可能性があるということが国際的に共通認識になっています。

「高レベル放射性廃棄物」は、再処理工場でガラスと混ぜて溶融し、キャニスタと呼ばれるステンレス製の容器に注入した後、冷却して固化させます(ガラス固化体)。このガラス固化体は熱を出しますが、発熱量は時間の経過とともに小さくなるため、発熱量が十分小さくなるまで施設で30〜50年間程度貯蔵します。これが「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理」です。

なお「高レベル放射性廃棄物」は最終的に、地下300メートルより深い安定な地層中に処分すること(地層処分)としており、処分事業を行う「原子力発電環境整備機構」にてさまざまな活動が進められているところです。

ガラス固化体
高さ 約1,340mm
外径 約430mm
容器材質 ステンレス鋼(内厚約5mm)
体積 容器内容積 約170L
固化ガラス体積 約150L
重量 約490kg
(空容器の重量は約90kg)
固化材 ホウケイ酸ガラス
放射能量
(最大)
α線を放出する放射性物質:3.5×1014Bq/本
α線を放出しない放射性物質:4.5×1016Bq/本
発熱量 最大2.5kW/本以下 平均2.0kW/本以下
Bq(ベクレル):放射能の単位。1秒間に崩壊する原子の数。
ガラス固化体に含まれる主な放射性物質は、α線を放出する放射性物質として、アメリシウム、キュリウムなどで、これ以外のα線を放出しない放射性物質として、セシウム、ストロンチウム、バリウムなどがあります。

「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理事業」のあゆみ 海外から返還されるガラス固化体の安全な貯蔵管理を使命に

100万kWの原子力発電所を1年間運転した場合、相当するガラス固化体の量は約30本となります。我が国の原子力発電の運転により生じた使用済燃料は、日本国内のほか、フランスやイギリスに委託して、フランス、イギリスの再処理工場において再処理が行われてきました。この再処理で分離される高レベル放射性廃棄物は、各工場でガラス固化された後、安全対策を施した専用船により我が国に返還されることとなっています。

「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」は、海外から返還されるガラス固化体を受け入れ貯蔵管理する施設で、日本原燃は1995年にその操業を開始し、2007年3月末までにフランスからのガラス固化体1,310本を受け入れています。また、2010年からはイギリスからの返還が始まりました。返還されたガラス固化体は、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターで30〜50年間程度、冷却のために安全に貯蔵しています。

高レベル放射性廃棄物貯蔵管理事業のあゆみ
内容
1980年
(昭和55年)
日本原燃サービス株式会社発足
1989年
(平成元年)
廃棄物管理事業許可申請
1992年
(平成4年)
日本原燃サ−ビス株式会社と日本原燃産業株式会社が合併、日本原燃株式会社が発足
廃棄物管理事業事業許可
高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター着工
1995年
(平成7年)
高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター(廃棄物管理施設)使用前検査合格証
高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター操業開始
2001年
(平成13年)
廃棄物管理事業変更許可申請
2003年
(平成15年)
廃棄物管理事業変更許可

「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理事業」の現在、そしてこれから 計画的な貯蔵量確保のために

フランスからのガラス固化体の返還は終了し、現在はイギリスから返還される850本のガラス固化体の受入を順次進めております。そのため、「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」の増設を2011年4月に実施し、貯蔵容量をガラス固化体1,440本分から2,880本にしました。

また、今後、フランスから返還される、低レベル放射性廃棄物ガラス固化体および固形物収納体も、本施設の機能を追加したうえで、受け入れ貯蔵管理する計画です。

写真:貯蔵ピット
貯蔵ピット

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