1.はじめに
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当社は、海外再処理に伴い返還されるガラス固化体については、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターへの貯蔵に先立ち、以下の7項目の検査・測定を実施しているが、この度、これまでの実績を踏まえ、放射能濃度を確認するための測定内容を一部見直すこととした。
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・発熱量測定
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・外観検査
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・寸法測定
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・重量測定
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・放射能量測定
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・閉じ込め検査
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・表面汚染検査
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2.放射能量測定について
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放射能量測定とは、当社の保安規定に基づき、電力会社が国に提出する事業所外廃棄確認申請書(以下、「申請書」という。)に記載された全α放射能濃度及び全βγ放射能濃度の妥当性を確認するためのもので、具体的内容は以下のとおり。
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(1) 全α放射能濃度
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ガラス固化体の中性子発生数を測定し、この値と申請書添付書類の記載値から計算により求めた中性子発生数を比較する。
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(2) 全βγ放射能濃度
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a.発熱量の測定値に対応した全βγ放射能濃度
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発熱量の測定値に対応した全βγ放射能濃度を計算により求め、この値と申請書添付書類の記載値を比較する。
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b.核種毎の放射能濃度
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上記a.に加え、βγ核種のうち主要な核種であるセシウム137の放射能濃度を測定し、この値と申請書添付書類の同核種の記載値を比較する。
併せて、βγ核種のうち測定可能であるユーロピウム154の放射能濃度を測定し、この値と申請書添付書類の同核種の記載値を比較する。
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3.見直しに向けた検討内容
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放射能量測定の一部見直しについて、これまで受け入れたガラス固化体の実績を基に以下のとおり検討を行った。
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(1) βγ核種毎の個々の割合
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全βγ放射能濃度に占める核種毎の割合については、図1に示すとおりセシウム137が約60%を占めているのに対し、ユーロピウム154は、約1%程度である。このことから、全βγ放射能濃度のうち主要な核種は、セシウム137である。
なお、ストロンチウム90については、γ線を放出しないために、ガラス固化体外部からの測定は困難である。
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(2) βγ核種毎の半減期の違い
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ガラス固化体に含まれるβγ核種の放射能の減衰については、図2に示すとおりである。セシウム137の半減期は約30年、ユーロピウム154の半減期は約8.5年である。
このことから、時間の経過とともにガラス固化体中の全βγ放射能濃度に占めるユーロピウム154の割合は、さらに小さいものとなる。
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(3) ガラス固化体検査・測定の実績
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これまで受け入れたガラス固化体(4回分・168本)の放射能量測定の結果、全α放射能濃度及び全βγ放射能濃度は全て判定基準を満足しており、申請書記載値の妥当性が確認されている。
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(4) まとめ
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(1)
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これまでの測定の実績から、申請書記載値の信頼性が得られている。
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(2)
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全βγ放射能濃度に占めるβγ核種毎の割合は、セシウム137が約60%に対し、ユーロピウム154が約1%程度と極めて小さい。
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(3)
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ユーロピウム154は、セシウム137に比較して半減期が短いため、時間の経過とともに全βγ放射能濃度に占める割合がさらに小さくなる。
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4.結論
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核種毎の放射能濃度の妥当性については、今後、セシウム137放射能濃度により確認するよう測定内容を一部見直した。
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