JAPANNUCLEARFUEL LIMITED

平成12年2月10日

報道関係各位

 

六ヶ所高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターにおける
外部電源の喪失(停電)に関する再発防止対策について

 

日本原燃株式会社

 
 

 当社は、去る1月26日に発生しました六ヶ所高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターにおける外部電源の喪失(停電)につきまして、これまで原因調査を行ってまいりましたが、この調査結果を踏まえ、別紙のとおり再発防止対策を実施することといたしましたのでお知らせいたします。

 

以 上

 


<別紙>

 

1.はじめに

 当社は、平成12年1月26日、東北電力株式会社による高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターへの配電線工事に伴い、同センター内の電源切替え操作を行っていたが、同日17時30分頃、当社社員が誤って通電中の電源系統をしゃ断したことから、外部電源が喪失した。直ちに予備電源用のディーゼル発電機が自動起動し、必要な電源を確保するとともに、18時05分頃に外部電源を復旧した。(1/26発表済)
 高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターで扱うガラス固化体は、ほうけい酸ガラスを固化材として、放射性物質を安定した状態で閉じ込めており、更に十分な機械的強度及び耐食性を有した容器に封入されていることから、固化体そのものが長期間にわたり、安定した閉じ込め性を有している。
 また、貯蔵ピットの収納管に貯蔵されているガラス固化体は、自然通風により冷却されている。
 一方、同センター内の換気設備は、通常時には外気に対し負圧に維持される設計となっているが、外部電源喪失等により負圧が維持できなくなった場合でも、逆止ダンパが自重により閉止することにより、流出経路が遮断される設計となっていることから、施設内の空気が容易に放出されることのない設備となっている。
 この度のトラブルでは、予備電源用ディーゼル発電機から換気設備等に給電する過程において、施設内の一部で短時間正圧になったが、前述のとおりガラス固化体の健全性等には影響しないものであり、更に施設内に設置されたエリアモニタ、ダストモニタ、換気筒モニタ及び再処理施設のモニタリングポスト等の指示値に変動が見られなかったことから、本事象に伴う周辺環境への影響はなかった。

 

2. 事象発生状況(表−1参照)

(1) 外部電源の喪失

 電源切替え作業の最終段階における操作員の誤操作のため、外部電源が喪失した。(第1−1図、第1−2図参照)

 

(2) 換気筒モニタでの排気のサンプル捕集の中断

 外部電源の喪失により、約47分間、換気筒モニタでの排気のサンプル捕集が中断した。(第2図参照)

 

(3) 管理区域系及び検査室系の差圧の変動

 外部電源の喪失による予備電源用ディーゼル発電機の起動に伴い、同発電機室の送排風機が起動したが、送気・排気のバランスがくずれたため、管理区域系及び検査室系の部屋と外気との差圧が変動し、それぞれ約23分、約20分間正圧となった。(第3図参照)

 

(4) 管理区域系送排風機の復旧迄の時間

 予備電源用ディーゼル発電機の運転中に、その電源からの負荷ではない管理区域系送排風機の起動操作を行ったため、起動を阻止するインターロックが作動した。このインターロックをリセットし、約2時間50分後に復旧した。

 

3.再発防止対策

(1) 外部電源の喪失

 この誤操作は、作業手順の確認事項等が明確でなかったこと、また、電源系統のしゃ断を行う操作ロープに、通電側及び予備側を明確に識別できる表示がなかったことによるものである。従って、電源切替え操作時の作業員の誤操作を防止するため、手順書を見直すとともに、操作ロープの操作部の識別化を図ることとする(2月10日までに実施予定)。

 

(2) 換気筒モニタでの排気のサンプル捕集の中断

 予備電源用ディーゼル発電機の起動により再起動する設計となっていたサンプルポンプの起動プログラムに一部不備があったため、起動プログラムを修正した(1月27日実施済)。

 

(3) 管理区域系及び検査室系の差圧の変動

 送気・排気のバランスがくずれたのは、送気・排気の起動・停止を制御する温度センサーの不良によるものであったため、電気設備室内の当該温度センサーを交換した(2月9日実施済)。

 

(4) 管理区域系送排風機の復旧迄の時間

 外部電源喪失時の操作手順書を改訂し、予備電源用ディーゼル発電機からの給電対象となっていない設備の起動操作を禁止する旨を操作手順書に明記する。(2月10日までに実施予定)。

以 上

 


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