JAPAN NUCLEAR FUEL LIMITED

平成10年12月21日

 

日 本 原 燃 行 動 憲 章

 

日 本 原 燃 株 式 会 社

 

序 文

 原子燃料サイクルの確立という当社に課せられた使命の達成のためには、社会との信頼関係の構築が極めて重要である。
 社会から信頼される企業となるためには、会社自体の振る舞いや、社員一人一人の意識、行動が社会のルールに反しないことは当然のこととして、会社としても個々人としても、より高い次元での道徳観、倫理観に裏付けられた意識をもち、行動することが要求される。
 ここに、社会との信頼関係を構築していくために必要な意識、行動の基本的な骨組みを示すとともに、社員一人一人の意識・行動のよりどころとすることを願い、「日本原燃行動憲章」を制定することとした。また、この行動憲章は、単に会社として社員に行動規範を示すというにとどまらず、当社の企業としての姿勢、決意を社会に表明するものでもある。
 社員はこのことを銘記し、自らを常に省みるとともに、全員がこの行動憲章を遵守し、社会との信頼関係の構築に向けて、一体となって取り組んでいくことを強く要請する。私をはじめ役員一同も、この行動憲章の精神の実現が自らの任務であることを深く認識し、率先垂範するとともに、必要な措置を責任をもって講じていく決意である。

社 長  竹 内 哲 夫 

 


 

目 次

 

1.

私たちは、地域の皆様に安心していただけるよう、安全確保および環境保全を最優先に考えて業務を遂行します。

 

2.

私たちは、当社に課せられた「原子燃料サイクルの確立」という社会的使命を銘記し、事業の達成に向けて、全員が一丸となって課題の克服に努めます。

 

3.

私たちは、事業を誠実かつ公正に遂行するとともに、社会の一員としての役割と責任を果たし、社会に信頼される企業を目指します。

 

4.

私たちは、良識を持って「正しいことは正しい、誤りは誤り」という精神に則って行動します。

 

5.

私たちは、お互いの人格・個性を尊重し、いかなるときでも、自由にもののいえる風通しのよい企業風土づくりに努めます。

 

6.

私たちは、社会の声を謙虚に受け止めるとともに、社会の人々に対して、オープンに、わかりやすく、正確かつ迅速に情報を発信します。

 

7.

私たちは、社会のルールや常識から逸脱することのないよう行動するとともに、常にこれをチェックします。

 

8.

私たちは、一人一人がプロ意識を持ち、たゆまぬ研鑽を通じて揺るぎない技術力を確立し、品質レベルの向上と創造的な技術開発にチャレンジし続けます。

9.

社長以下全役員は、憲章の精神がすべての社員に着実に浸透し、かつ具体的な行動に結びつくよう、自ら率先垂範して行動します。


 

日 本 原 燃 行 動 憲 章

 

1.

私たちは、地域の皆様に安心していただけるよう、安全確保および環境保全を最優先に考えて業務を遂行します。

 

【キーワード】

 安全確保、環境保全第一主義の徹底

【解説】

 私たちが青森の企業として事業を進めるにあたっては、地域の皆様に不安を与えることのないよう、安全確保と環境保全を最優先に考えていかねばなりません。具体的には、私たちの業務のすべての分野にわたって安全確保・環境保全の観点から常にチェックし、懸念される点があれば直ちに改めることが必要ですし、その判断に際しては、「この水準まで達したのだから」といったようなことだけで、安易な妥協をしてはなりません。地域の皆様から信頼をもって受け入れていただくためには、こうした姿勢を貫き通すとともに、地域の皆様にも私たちの日々の努力を理解していただけるよう、安全確保・環境保全の実績を積み重ねていくことが何よりも大切なのです。

 

2.

私たちは、当社に課せられた「原子燃料サイクルの確立」という社会的使命を銘記し、事業の達成に向けて、全員が一丸となって課題の克服に努めます。

 

【キーワード】

 当社事業の社会的使命 課題克服への積極的取組み

【解説】

 資源の乏しいわが国において、エネルギーセキュリティーを確保するためには、国内において原子燃料サイクルを確立し、自主的な燃料供給体制を整備することが、長期的なエネルギー政策上極めて重要です。また、国際的には、21世紀における人口の増大と文化水準の維持・向上に伴うエネルギー増への対応や、炭酸ガス放出による温暖化防止という地球環境保護の観点からも、原子力の一層の開発・利用が必須であります。私たちは、このように日本の、さらには世界の未来を担う大切な事業に従事しているのです。常に使命感と誇りを持って、日々の業務に取り組んでいきましょう。そして、いかなる困難に遭遇しようとも、全社員が一丸となってこれを乗り越えて行こうではありませんか。

 

3.

私たちは、事業を誠実かつ公正に遂行するとともに、社会の一員としての役割と責任を果たし、社会に信頼される企業を目指します。

 

【キーワード】

 地域との信頼関係の確立 社会貢献

【解説】

 たとえ皆さんが当社事業の重要性について十分認識し、使命感をもって仕事をしていたとしても、それだけでは十分ではありません。企業として、事業の拡大、発展はもちろん重要ですが、一方で、企業が社会の中で存在している以上、事業遂行には誠実さ、公正さが求められますし、地域の発展に寄与するなどの社会貢献も大切です。そして、こうしたことを継続的に実践することにより、社会の皆様の当社に対する信頼感・安心感が広がっていくのだと思います。私たちは自分たちだけで仕事をしているのではありません。地域の皆様はもとより、ご協力いただいている多くのお客様、取引先そして株主等の皆様から信頼されることや、その声を真摯に受け止め業務に活かしていくことこそ、当社事業を円滑に進めるための基本であることを忘れてはなりません。

 

4.

私たちは、良識を持って「正しいことは正しい、誤りは誤り」という精神に則って行動します。

 

【キーワード】

 企業モラル、社員モラルの確立

【解説】

 「正しいことは正しい、誤りは誤り」…至極当たり前のことで、「今更何を」と感じるかもしれませんが、今一度自身を振り返ってみてください。私たちは、知らず知らずのうちにこの当たり前のことを忘れてはいないでしょうか。経験を重ねていくうちに、「正しいとはいえないが、このくらいならまぁいいか」とか「正論だけでは世の中は通らない」といった言い訳ばかりいって、良識に反することをしてはいないでしょうか。「うそはつかない」という、当たり前ではあるけれども人間として最も大切なことを、今一度肝に銘じてください。そして、こうしたことを間違いなく判断できるように、常日頃から努力を積み重ねてください。企業としてのモラル確立は、まず企業の構成員たる社員一人一人のモラル確立なくしてはなし得ないのです。

 

5.

私たちは、お互いの人格・個性を尊重し、いかなるときでも、自由にもののいえる風通しのよい企業風土づくりに努めます。

 

【キーワード】

 人格・個性の尊重 風通しのよい企業風土づくり

【解説】

 皆さんは、上司や部下あるいは同僚とどのくらい話をしていますか。たとえば、些細な話題でもよいから職場内で議論し、コミュニケーションをとっておくことは、何か困ったことが起きた場合などに、上司や同僚に相談しやすくなるという意味においても、決して無駄ではないはずです。こういったことの繰り返しが、「上司に対しても、言うべきことは自由に言える」「上司は部下の進言をしっかりと受け止める」という風通しのよい企業風土づくりにつながるのです。もちろん、その前提として、一人一人の人格・個性を尊重する姿勢が身に付いていなければなりません。まずは職場内で、フランクに話をする場を定期的に持つことから始めてみましょう。

 

6.

私たちは、社会の声を謙虚に受け止めるとともに、社会の人々に対して、オープンに、わかりやすく、正確かつ迅速に情報を発信します。

 

【キーワード】

 社会の声の傾聴 情報の公開

【解説】

 社会の、また地域の皆様との信頼関係の第一歩は、やはり「コミュニケーションを密にする」ということではないでしょうか。いろいろな声に真摯に耳を傾け、常に自らを省みて業務に反映すべき点はすみやかにこれを実行に移す、また、同時に、当社からも情報をオープンに、わかりやすく、かつタイムリーに伝えていく、こういった反復継続的な情報のやりとりこそが、理解・尊重・信頼に基づいた関係を相互に築き上げていくためのひとつの重要な鍵となるのです。

 

7.

私たちは、社会のルールや常識から逸脱することのないよう行動するとともに、常にこれをチェックします。

 

【キーワード】

 社会ルールの遵守 社会常識との一体化

【解説】

 社会のルールを遵守することや、社会常識を踏まえた行動をとることは、企業レベルや個人レベルのいかんにかかわらず、社会の一員としての責任を達成するうえでの大前提となるものです。私たちは、常に自らの意識・行動を、法令等の定められたルールだけでなく、社会秩序や社会常識といったものとも照らし合わせ、これを逸脱することのないよう自らを律するとともに、改めるべきところはすみやかに改めるなど、誠実かつ公正な行動を実践していかねばなりません。会社の中にいるとついつい自分たちだけの「組織の論理」に埋没してしまいがちですが、「組織の論理」が常に社会に受け入れられるとは限りません。社会のルールや常識から外れてはいないだろうかというチェックを怠らず、常に必要な改善に真摯に取り組んでいきましょう。

 

8.

私たちは、一人一人がプロ意識を持ち、たゆまぬ研鑽を通じて揺るぎない技術力を確立し、品質レベルの向上と創造的な技術開発にチャレンジし続けます。

 

【キーワード】

 揺るぎない技術力の確立 品質レベルの向上

【解説】

 皆さんの周囲には、「その道のプロ」と呼ばれる人が必ずといってよいほどいるに違いありません。その人が今日あるのは、単に経験を積み重ねただけでなく、たゆまぬ研鑽を通じて「知識」や「技術」を築き上げた結果であり、それゆえに、その人は周囲から一目置かれる存在であり得るのです。「その道のプロ」となるためには、日頃の研鑽はもちろん、常に問題意識を持って仕事に取り組むことが欠かせません。幅広い視野を持って、職場の仲間と互いに切磋琢磨し、力を合わせて、揺るぎない技術力を確立し、品質レベルの向上と創造的な技術開発にチャレンジしていこうではありませんか。会社としても、いろいろな形での研修、勉強の場を提供していくつもりです。社員の皆さんには、これらに進んで参加するとともに、自己啓発等にも積極的に取り組んで、自らをみがき、鍛え、成長していくことが期待されています。

 

9.

社長以下全役員は、憲章の精神がすべての社員に着実に浸透し、かつ具体的な行動に結びつくよう、自ら率先垂範して行動します。

 

以 上

 


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