JAPAN NUCLEAR FUEL LIMITED

 

<別紙2>

添付書類の概要


一.

輸入廃棄物の内容の詳細に関する説明書

 

 

 今回申請した輸入廃棄物の起源、固型化方法、廃棄物の性状等、容器材質、容器寸法及び整理番号の刻印方法の詳細並びにCOGEMAのガラス個化体製造に係る品質管理について説明。

 

1.廃棄物の種類

(1)

廃棄物の起源

 

 使用済燃料の再処理に伴い発生した下記の3種類の高レベル放射性液体廃棄物を固化したものであり、一部清澄フアインを含まないものもある。

核分裂生成物溶液

塩基性溶液

清澄フアイン

(2)

固型化方法

固型化方法の概要

高レベル放射性液体廃棄物は、か焼され、ほうけい酸ガラスとともに溶融された後、ステンレス鋼製容器に注入、固化される。

(3)

廃棄物の性状等

 固化ガラスの熱伝導率は廃棄物管理設備の設計に用いた条件を満たす。また、ガラス固化体の放射能は、廃棄物管理設備のしゃへい設計に用いた条件を満たすものであり、核分裂生物質の含有量は少なく、臨界が問題となることはない。

(4)

容器

材質

 仏国規格 Z15 CN24 13(JIS規格 SUH309 相当)

寸法

 ガラス固化体の寸法は、空容器の寸法 (外径:430±2mm、高さ:1,338±2mm)にもとづくものであるが、熱膨張を考慮しても最大約7mmの伸びである。

肉厚

 容器肉厚は、約5mm、強度を担保する上で必要な部分の容器肉厚は、5mm以上。

整理番号

 容器蓋に刻印

 

2.品質管理

 COGEMAにおけるガラス固化体製造に係る品質管理は適切に行われ、ガラス固化体の品質が確保されることを説明。

 

(1)

分析測定管理

 高レベル廃液と固化材(ガラスフリット)分析結果に基づき、供給量を決定する。

(2)

運転管理

 流量計等の監視計器により、供給量が監視され、溶融ガラスの温度等に係る運転管理が行われる。

(3)

調達管理

 容器及びガラスフリットの品質及び容器の健全性が確認される。

 

 電力会社は、仏国の検査会社ビューロ・ベリタス社に委託して、COGEMAが製造するガラス固化体の品質に係る技術監査を行い、製造されたガラス固化体の品質が妥当なものであることを確認している。

 

二.

輸入廃棄物に係る固型化の方法の詳細に関する説明書

 

 COGEMAにおけるガラス固化方法であるAVM法の固化体製造工程及びその管理について説明し、その結果、今回申請した輸入廃棄物に係る固型化の方法が固化ガラスによる放射性物質の良好な閉じ込め性及び均質性を確保するための適正な方法であり、またその工程管理も適切に行われていて、高レベル放射性液体廃棄物は適切に容器に固化されていることを説明。

 

1.COGEMAにおけるガラス固化体製造工程

 AVM法は、COGEMAマルクールのガラス固化施設において実用化され、さらに、COGEMAラアーグのUP2及びUP3再処理工場各々のガラス固化施設にも採用され、運転実績を重ねてきている。
 図−1に製造工程の概要を示す。

 

(1)

か焼

 高レベル放射性液体廃棄物は、連続的にか燃炉に送られ、乾燥、脱硝される。

(2)

溶融

 か焼された廃棄物及び固化材(ガラスフリット)が、溶融炉に供給され、誘導加熱により加熱溶融される。
 溶融ガラスが一定量生成すると、溶融炉下部のノズルを通じてガラス固化体容器に注入される。ガラス固化体一本当たり、注入が2回行われる。

(3)

冷却、蓋溶接、表面汚染調査

 溶融ガラスを注入後、ガラス固化体は冷却位置で一定時間定置され、冷却される。冷却完了後、蓋がプラズマアーク溶接により溶接される。
 蓋溶接後、表面汚染検査が行われ、貯蔵施設へ移送される。

(4)

貯蔵

 ガラス固化体は貯蔵施設において空冷、貯蔵される。

 

2.ガラス固化体製造工程の管理

(1)

固化材及び固化される成分の組成及び供給量

 COGEMAでは、長期にわたる研究開発を通じて、ガラス形成成分(SiO2+B2O3+Al2O3)、修飾成分(Na2O、Li2O)及び固化される成分(酸化物+金属性粒子)の配合を考慮した固化ガラスの組成範囲が決定されている。
 決定された組成範囲は、他のガラス固化プロセスと同様であり、放射性物質の良好な閉じ込め性及び均質性を達成するために妥当なものである。
 上記の組成範囲を満足する固化体を製造するため、廃液の組成及びガラスフリットの組成の分析が行われ、この分析結果に基づいて、廃液及びガラスフリットの供給量が決定され管理される。

(2)

固化材及び固化される成分の混合溶融状態

 溶融炉内の溶融ガラスは、所定の温度(約1,100℃)に管理されるとともに、固化材及び固化される成分が均質に混合溶融されたことが容器への注入時の注入速度で判定されている。

(3)

容器への注入後の冷却

 溶融ガラスを冷却せる際は、失透化を起こさないように、かつ破砕係数が比較的小さい値に抑えられるように冷却位置で24時間以上自然空冷される。

 

三.

輸入廃棄物の強度を決定した方法に関する説明書

 

 今回申請した輸入廃棄物は、容器材質が仏国規格Z15 CN24 13であり、強度を担保する上で必要な部分の容器肉厚が5mmであることから、以下の要件を満足し、強度「良」である旨を説明。

 

 

(1)

9段積み貯蔵時の荷重に対する強度

 

 9段積み貯蔵時の最下段のガラス固化体容器(肩部)に発生する応力が、材料の機械的強度に比べて小さいことから、貯蔵時の荷重に耐える強度を有する。(地震時の荷重についても考慮)

(2)

取扱いに伴う落下等に対する強度

 クレーンによる吊り上げ時の床面への落下及び収納管内での落下については、試験及び解析の結果が良好であり破損に至らない評価を得た。また、移送等の通常時の取扱い時については発生する応力が材料の機械的強度に比べて小さい。したがって、取扱いに伴う落下等に対する強度を有する。

 

四.

輸入廃棄物の発熱量を決定した方法に関する説明書

 

 今回申請した輸入廃棄物について、ガラス固化体の発熱量を決定した方法及び計算経過についての説明。
 発熱量の決定は、「海外再処理に伴う返還廃棄物(ガラス固化体)の輸入に関連して所管行政庁から報告を受けるべき事項について」(原子力安全委員会、平成6年6月2日)、及び「第3回輸入廃棄物(ガラス固化体)返還に伴う「放射能濃度及び発熱量の決定に関する当面の補正係数」の見直しについて」(科学技術庁原子力安全局、平成9年6月19日)に従って行った。

 

[決定方法]

 発熱量は、COGEMAから放射性核種濃度が提示された放射性核種の中から、指定核種を選定し、製造時からの減衰を考慮した指定核種の放射能濃度を発熱量に換算して総和を求め、この総和に、その他の核種の寄与を考慮するための補正係数を乗じて算出した。

 

 今回申請対象の各ガラス固化体の発熱量の計算経過を添付。

 

五.

輸入廃棄物の放射能濃度を決定した方法に関する説明書

 

 今回申請した輸入廃棄物について、ガラス固化体の全α放射能濃度及び全βγ放射能濃度を決定した方法及び計算経過について説明。
 放射能濃度の決定は、「海外再処理に伴う返還廃棄物(ガラス固化体)の輸入に関連して所管行政庁から報告を受けるべき事項について」(原子力安全委員会、平成6年6月2日)、及び「第3回輸入廃棄物(ガラス固化体)返還に伴う「放射能濃度および発熱量の決定に関する当面の補正係数」の見直しについて」(科学技術庁原子力安全局、平成9年6月19日)に従って行った。

 

[決定方法]

 全α放射能濃度は、COGEMAから放射性核種濃度が提示された放射性核種(α核種)の中から、指定核種を選定し、製造時からの減衰を考慮した指定核種の放射性核種濃度の総和を求め、この総和に、その他の核種の寄与を考慮するための補正係数を乗じて算出した。
 全βγ放射能濃度は、COGEMAから放射性核種濃度が提示された放射性核種(βγ核種)の中から、指定核種を選定し、製造時からの減衰を考慮した指定核種の放射性核種濃度の総和を求め、この総和に、その他の核種の寄与を考慮するための補正係数を乗じて算出した。

 

 今回申請対象の各ガラス固化体の全α放射能濃度及び全βγ放射能濃度の計算経過を添付。

 

六.

輸入廃棄物に係る放射性物質の閉じ込めに関する説明書

 

 今回申請した輸入廃棄物が以下の要件を満足することから、閉じ込めが「良」である旨を説明。

(1)

 容器本体の健全性については、容器材質が仏国規格Z15 CN24 13であり、容器肉厚が5mmであることから、十分な機械的強度及び耐食性を有する。

(2)

 容器溶接部については、放射線透過試験及び液体探傷試験の結果が良好であることから健全性を有する。

(3)

 蓋溶接部については、蓋が溶接にプラズマアーク溶接で全周溶接され、溶接パラメータが基準範囲内で溶接されていることから健全性を有する。

 

七.

輸入廃棄物を廃棄する廃棄物管理設備に関する説明書

 

 今回申請した輸入廃棄物を廃棄する廃棄物管理設備の構成、工程概要並びに管理対象廃棄物について説明。

 

(1)

管理対象廃棄物

(2)

管理施設の構成

 


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