平成24年8月10日

報道関係各位

日本原燃株式会社

再処理工場使用済燃料受入れ・貯蔵建屋プール補給水の漏えいについて(原因と対策)


 2011年9月6日、13時35分頃、再処理工場使用済燃料受入れ・貯蔵建屋(管理区域内)の燃料貯蔵プール近傍の点検ピットにおいて、補給水設備の弁の点検作業中に補給水が補給水設備の配管から漏えいしているのを作業者が確認しました。漏えい確認後、運転中であった補給水設備ポンプを13時41分に停止させ、配管からの漏えいは停止しています。
 補給水設備の点検では、弁の前後で液化炭酸ガスを用いて配管内の補給水を凍結させて栓を作って当該弁を取り外して点検を行っていましたが、点検作業中に凍結栓をしていた部分から配管内の補給水が点検ピットおよび床面に漏えいしました。漏えいした量は約4,000リットルです。
 なお、燃料貯蔵プールの水位の変動及び温度の変化はなく、純水供給設備により燃料貯蔵プールへの水の供給機能が維持されているため、燃料貯蔵プールの冷却機能には異常ありません。また、周辺環境及び作業者への影響はありません。

(2011年9月6日お知らせ済み)

 その後、本事象が発生した原因について調査を行ってきましたが、本日、原因及び再発防止対策を取りまとめましたので、お知らせします。

【原因】
プール補給水の漏えいが発生した原因は、配管内の補給水を凍結させて栓を作るためのフリージングジャケットの設置位置の変更により、フリージングジャケットの設置長さが当初考えていたよりも短くなり、その結果、凍結栓の保持力が弱くなったためであると推定しました。(原因@)
また、当社が、作業条件の検討を協力会社に任せ、フリージングジャケットの設置位置や設置長さが変更された状況を把握していなかった等により、フリージングジャケットの設置長さが通常よりも短い状態で作業が実施されたものと推定しました。(原因A)
さらに、今回漏えいが発生した直接的な原因ではありませんが、作業計画時のリスク管理の不足として、今回の作業において凍結栓が溶けた場合には結果的に補給水設備ポンプを止める必要が生じることに対して、凍結栓の作業に対するリスク評価が十分に検討されなかった問題点があります。(原因B)

※フリージングジャケット:配管内の水を凍結させるために配管に巻きつける道具

【再発防止対策】
@フリージングジャケットの設置方法に係る対応(原因@の対策)
フリージングジャケットを用いた作業を行う場合は、原則、通常の設置長さで作業を行うこととし、作業要領においてその旨が考慮されていることを作業要領承認段階で当社が確認することとします。
Aフリージングジャケットを用いた作業の計画時の評価、検討に係る対応(原因Aの対策)
凍結栓による保修作業を実施する場合には、凍結栓利用により想定されるリスクを洗い出し、その結果から作業要領に当社立会項目として手順と条件を設定することを社内ルールとして定めました。
凍結栓による保修作業を行う場合に、フリージングジャケットを用いた作業方法について、これまでの知見や模擬試験の結果をもとに評価し、作業方法の妥当性を当社作業主管部署が確認することを社内ルールとして定めました。
Bフリージングジャケットを用いた作業の安全上重要な設備に与えるリスク評価に対する対応(原因Bの対策)
安全上重要な設備のポンプを運転したまま凍結栓による保修作業を行う必要がある場合には、溶け出した場合を含めてリスク評価を行い、保修作業実施計画書に溶け出さないための安全上の措置及び溶け出した場合の保安上の措置を記載することを社内ルールとして定めます。


別紙:「再処理工場 使用済燃料受入れ・貯蔵建屋のプール補給水の漏えいについて(原因と対策)」

以上


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