平成15年2月25日

報道関係各位

日本原燃株式会社

使用済燃料受入れ・貯蔵施設内燃料送出しピットにおける
出水に係る調査状況と今後の対応について

 当社は、本年2月8日にお知らせしました、使用済燃料受入れ・貯蔵施設の燃料送出しピットにおける出水について、これまで調査を実施してきた結果、本日、当該ピット東側壁面溶接部近傍からのプール水の漏えいであると特定しましたのでお知らせします。
 なお、これらの調査状況および今後の対応につきましては、本日、国、青森県並びに六ヶ所村に対しまして報告しております。


<別 紙>
日本原燃株式会社 再処理事業所 使用済燃料受入れ・貯蔵施設
燃料送出しピットにおける出水に係る調査状況と今後の対応について
1.はじめに
 本年2月7日23時27分頃施設の巡視点検中に発見されました、使用済燃料受入れ・貯蔵施設の燃料送出しピットにおける出水について調査を進めてきた結果、漏えい箇所が特定できましたので、これまでの調査状況と今後の対応につきまして、以下のとおり報告します。

2.漏えい状況について
 平成15年2月7日23時27分頃、使用済燃料受入れ・貯蔵施設の運転員による施設の巡視・点検(1回/直、3回/日)において、燃料送出しピット漏えい検知管(全4箇所)のうち、北東壁部漏えい検知エリア(以下、「当該エリア」という。)の漏えい検知管から1秒間に1〜2滴(0.2〜0.3リットル/h程度)の出水を発見しました。
 試料を採取し、放射能量及びホウ素濃度の測定分析を実施したところ、放射能(コバルト−60)及びホウ素を確認したことから、2月8日8時15分に燃料送出しピット当該エリアから漏えいの疑いがあると判断しました。 その後出水量は2月16日にかけて約1.6リットル/hまで増加しましたが、それ以降はほぼその量で一定した出水量となっています。 (2月24日14時30分現在の累積出水量は約410リットル。)

3.漏えい箇所特定調査について

(1)調査の進め方
 漏えいの疑いのある燃料送出しピット当該エリアに対する漏えい箇所の特定調査を効率的に進めるため、それまで使用済燃料受入れ・貯蔵施設の点検を行っていたダイバーを活用し進めることとしました。
 具体的には、出水が確認された当該エリアの詳細表面点検の結果、確認されたグラインダ痕に対しフェライト量測定を行い、有意なフェライト量(2.5%以上)が測定された溶接部に対して真空発泡検査を行い、漏えい箇所の特定を行うこととしました。(添付−1参照)

(2)これまでの調査状況
(1)詳細表面点検
 1月11日から2月13日にかけ、当該エリアの溶接線近傍(62溶接線)について詳細表面点検を行い、フェライト量測定による点検が必要なグラインダ痕16箇所(9溶接線)を確認しました。(添付−2参照)

(2)フェライト量測定
 2月14日から2月18日にかけ、詳細表面点検で確認された16箇所(9溶接線)のグラインダ痕についてフェライト量測定を行い、16箇所のうちの5箇所(3溶接線部近傍)において、2.5%以上のフェライト量を確認しました。(添付−2参照)

(3)真空発泡検査
 2月18日から2月22日にかけ、2.5%以上のフェライト量が確認された5箇所のグラインダ痕について、逐次真空発泡検査を行ってきた結果、2月21日12時17分頃、当該エリア東側壁面溶接部近傍の1箇所で発泡を確認しました。表面の観察を行ったところ、1〜2mm程度の欠陥を確認しました。(添付−3参照)
 更に2月24日までに実施した5箇所のグラインダ痕を含む3溶接線の他の部位からの発泡は確認されませんでした。

(4)止水処置
 発泡を確認した箇所に対して、2月21日16時46分頃、止水処置を行った結果、直後より出水量が減少し、2月22日0時30分頃出水が停止しました。
 更に、2月22日9時45分頃、表面の観察を行うため止水処置を中断したところ、同日15時30分頃、止水処置前の出水量に戻りました。
なお、現在は止水処置を施しています。

 以上の調査データにより、燃料送出しピットにおける出水は、当該エリア東側壁面溶接部近傍1箇所からのプール水の漏えいであると判断しました。

(3)関係者からの聞取り調査結果
 燃料送出しピットの当該エリアの施工に係わった、元請会社及び専門メーカの関係者から聞取りを行っておりますが、これまでのところ計画外の溶接等漏えいに繋がるような施工を行ったとの情報は得られておりません。
 今後、引き続き関係者からの聞取り調査を進めます。

4.今後の対応について
 発泡を確認した箇所について、レプリカの採取による欠陥表面状態の観察、超音波探傷検査による漏えい部の内部状況調査、関係者からの聞取り調査を行い、今後の調査の進め方及び対策をとりまとめます。
 調査の進め方及び対策については、まとまり次第ご報告致します。

添付-1
燃料送出しピット漏えい箇所特定調査フロー

※ダイバーを活用

添付-2
燃料送出しピット 詳細表面点検、フェライト量測定結果

添付−3(1/2)
真空発泡検査で特定された漏えい箇所

添付−3(2/2)
漏 え い 箇 所 の 状 況

 

 

以  上


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