平成15年2月5日

報道関係各位

日本原燃株式会社

使用済燃料受入れ・貯蔵施設及び再処理施設本体の点検状況について

 当社は、先に報告した「PWR燃料貯蔵プール水漏えいに関する調査結果並びに今後の対応」に基づき、1月7日より使用済燃料受入れ・貯蔵施設の水路、ピットを含む全てのプールなどについて点検作業を開始しております。
 また、再処理本体につきましても、これまでの事前調査を踏まえ、2月3日よりPWR燃料貯蔵プールと同様のライニング構造を持つ貯槽について、液体が接する全ての部位に対し点検を開始しております。
 今般、これまでのプールの点検状況及び再処理本体の事前調査の状況について別添の通り取りまとめましたので、お知らせします。


<別 添>
再処理事業所 使用済燃料受入れ・貯蔵施設及び再処理施設本体の点検状況について
 使用済燃料受入れ・貯蔵施設のPWR燃料貯蔵プール北壁部西側ライニング部からの漏えいは、床面溶接部の不適切な計画外の溶接が原因であることが確認されました。(平成14年12月23日報告済み)
 このため、PWR燃料貯蔵プールと同様のライニング構造をもつ、使用済燃料受入れ・貯蔵施設の設備について、計画外の溶接部の有無を確認するため、1月7日よりテレビカメラを用いたライニングプレート詳細表面点検を開始しました。
 また、再処理施設本体についても、同様のライニング構造を持つ貯槽について、点検を実施しています。
 以下に、これまでの点検状況について取りまとめましたので報告します。


1.使用済燃料受入れ・貯蔵施設

(1)点検状況
 1月7日より、PWR燃料貯蔵プール及びBWR/PWR燃料貯蔵プールの溶接部の詳細表面点検を開始し、他の設備についても逐次点検を開始しています。
 2月4日現在、チャンネルボックス取扱いピット、バーナブルポイズン取扱いピットを除く、プール・ピット等の詳細表面点検を行っています。

・プール・ピット等の詳細表面点検開始日
 1月 7日:PWR燃料貯蔵プール
       BWR/PWR燃料貯蔵プール
 1月 8日:燃料仮置きピット(A)
       燃料取出しピット(A)
 1月10日:燃料送出しピット(斜路(A及びBを含む))
 1月16日:燃料移送水路
 1月20日:BWR燃料貯蔵プール
       燃料仮置きピット(B)
 1月23日:燃料取出しピット(B)
 2月 3日:チャンネルボックス・バーナブルポイズン取扱いピット

 1月31日時点で、全溶接線延長約14kmのうち約3.2km、約22%の詳細表面点検が終了し、計画外溶接部の有無を確認するためにフェライト量測定による点検が必要なグラインダ痕が297箇所確認されています。
(添付−1参照)

 また、12月23日の報告の中で、聞取り調査により追加加工溶接の証言が得られた燃料仮置きピット(A)壁面の埋込金物部について、詳細表面点検を1月28日に行った結果、当該部には計画外の溶接部を研磨したと考えられるグラインダ痕は確認されませんでした。今後、残りの箇所の調査点検を継続します。
(添付−2参照)

 なお、燃料移送水路及び燃料送出しピットのダイバーによる詳細表面点検は、2月4日から開始しました。


(2)今後の予定

 プール等の詳細表面点検を継続するとともに、確認された297箇所のグラインダ痕については、今後、聞取り調査、フェライト量測定、超音波探傷検査等を実施することにより、健全性の評価・確認を行います。
 チャンネルボックス取扱いピット、バーナブルポイズン取扱いピット、低レベル廃液収集槽及び補給水槽については、3月以降、詳細表面点検を開始する予定としています。
(添付−3参照)

 調査のために切り出した部分の補修については、当該部に係わる設工認を1月24日に申請しました。認可が得られ次第補修作業を開始する予定です。


(3)その他

 チャンネルボックス・バーナブルポイズン取扱いピットの水位低下作業を平成14年12月25日より開始し、平成15年1月3日に終了しました。
 また、燃料仮置きピット(A)及び燃料取出しピット(A)についても、1月4日より水位低下作業を開始しています。
 なお、燃料貯蔵ラック下部床面ライニングプレートの施工に係る品質記録の確認として、現地におけるPWR燃料貯蔵プール床面ライニングプレートの抜取り寸法測定を一部1月24日から着手しました。


2.再処理施設本体
(1)点検状況

 再処理施設本体においては、使用済燃料受入れ・貯蔵施設PWR燃料貯蔵プールと同様のライニング構造を持つ貯槽(25基)において、液体が接するすべての部分に対して調査(聞取り調査を含む)を実施しています。
 これまでの調査において低レベル廃液処理建屋のライニング構造をもつ貯槽において計画外の溶接の行われた可能性があることが判り、今後、これらの箇所も含め専門家の支援を受け、点検及び評価検討を進めていくことといたします。
(添付−4、参考参照)

点検対象
・ハル・エンドピース貯蔵建屋(AE):貯蔵プール            2基
・低レベル廃液処理建屋(AD):第一放出前貯槽等           20基
・分離建屋(AB) :回収水受槽                     1基
・チャンネルボックス・バーナブルポイズン処理建屋(DC):切断ピット等 2基

(2)今後の予定
 平成15年3月末終了を目途に点検を実施します。
(添付−3参照)


(上の図をクリックすると大きい画像をご覧になれます)



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