平成14年7月10日

報道関係各位

日本原燃株式会社

低レベル放射性廃棄物の次期埋設施設に関する予備調査の終了について

 当社は、昨年7月4日より、低レベル放射性廃棄物のうち放射能レベルの比較的高い廃棄物の埋設施設の設置が可能かどうかを確認するため、濃縮・埋設事業所内の南側台地において、ボーリングを主体とした地質・地下水に関する予備調査を実施してまいりました。今般、調査が終了し、その結果を別添のとおり取りまとめましたので、お知らせします。
 なお、今後は予備調査の結果を踏まえ、さらに詳細なデータを取得するための本格調査を行うことを検討しております。

低レベル放射性廃棄物の次期埋設に関する予備調査結果の概要について
 
当社は、低レベル放射性廃棄物のうち放射能レベルの比較的高い廃棄物の埋設施設の設置が可能かどうか確認するため、平成13年7月4日より濃縮・埋設事業所敷地内の南側台地において、ボーリングを主体とした地質・地下水に関する予備調査を実施してまいりましたが、平成14年6月末で予備調査が終了しました。その結果は、以下のとおりです。

1.調査内容
 この調査では、9箇所でボーリングを実施しました。ボーリング深さは100m級が3箇所(A、G、H)、200m級が4箇所(C、D、E、F)、300m級が2箇所(B、I)です。主な調査の項目は、次のとおりです。

○ 地質調査
地下の地質状況を把握するため、ボーリング調査、コア観察及び弾性波探査を実施しました。また、岩盤の力学特性を把握するため、室内試験による物理試験や三軸圧縮試験を実施しました。

○ 地下水調査
地下水の流れ易さを把握するため、透水試験を実施しました。また、地下水の流れる方向などを把握するため、地下水位観測、地下水圧測定及び水質試験を実施しました。

2.調査結果

○地質調査
 南側台地に分布する地層は、地表付近に堆積する第四紀層を除くと新第三紀中新世に堆積した鷹架層が広く分布しています。また、鷹架層には主に砂岩・凝灰岩からなる中部層と主に泥岩からなる下部層が分布していることが確認されました。

 南側台地の地表からの深さ50〜100m付近に分布する鷹架層は、割れ目が少なく、三軸圧縮試験などから施設の設置にあたって充分な強さをもつことが確認されたことから、地表からの深さ50〜100m付近に空洞を掘削することは可能であると判断しました。

 南側台地には、f−a断層が確認されているほか、r−1からr−4と称する4条の断層が確認されていますが、f−a断層は、これまでの事業許可申請において、繰り返して動くような断層ではないことを確認しています。また、r−1からr−4の断層の断層面は、固結・ゆ着しており、通常の断層面に特徴的に見られるような断層面の光沢(鏡肌)、破砕部などは認められないことから、鷹架層堆積後間もない未固結時に生じた海底地すべりと考えられ、繰り返して動くような断層ではなく、施設の設置に問題となるようなものではありません。

○地下水調査
 南側台地の鷹架層は、割れ目が少なく、透水試験結果から地下水は流れ難いことを確認したことから、放射性物質は容易に移動しないと考えられます。

 南側台地における降水の大部分は、地表面または第四紀層をとおって台地の周辺へと流れていきます。降水のごく一部は、鷹架層に浸透し、ゆっくりとした速さで深部及び台地の周辺に流れていることがわかりました。また、水質試験結果から、施設の設置に問題となるようなものは確認されませんでした。

3.まとめ

今回実施した予備調査の結果においては、濃縮・埋設事業所内の南側台地には、埋設施設の設置に関して問題となるようなデータは得られていないことから、低レベル放射性廃棄物のうち放射能レベルの比較的高い廃棄物の埋設施設の設置が可能との見通しを得ることができました。











以 上

 

 

 


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