当社使用済燃料受入れ・貯蔵施設のPWR燃料貯蔵プール北壁部西側ライニング部からの漏えいに関しましては、引き続き漏えい箇所の特定調査を行なっておりますが、先般4月23日にお知らせした以降の調査状況につきまして、別添のとおり取りまとめましたのでお知らせいたします。
なお、本報告書につきましては、本日、国、青森県並びに六ヶ所村に対しましても報告しております。
<別 添>
平成14年5月24日
再処理事業所 使用済燃料受入れ・貯蔵施設の
PWR燃料貯蔵プール水漏えい調査状況について
PWR燃料貯蔵プール北壁部西側ライニング部(ステンレス製内張り)から確認された漏えいについて、引き続き漏えい箇所の特定調査を行っております。
これまでのところ漏えい箇所は特定されておりません。
前回報告日(4月23日)以降の調査状況については次のとおりです。
1.漏えい箇所特定調査の現状
(1)水中における漏えい箇所特定調査
○ 漏えい区域の絞り込み調査(シール板検査)
4月9日からシール板による狭隘部の溶接部調査を実施していましたが、4月14日の調査中に出水が停止したため、一旦シール板検査を中断し、水中でのシール板検査による漏えい区域の絞り込み及び真空箱検査による漏えい箇所の特定のために、出水回復作業を実施しています。
5月23日までのところ漏えい箇所の絞り込みには至っていません。
(5月23日現在の進捗率76%、添付−1(2/2)その1 参照)
(出水回復作業として、新たに導入した狭隘部用の強力な超音波洗浄装置による洗浄や吸引作業(ポンプによる吸引等)により出水停止の原因と考えられる付着物の除去作業を行っています。)
(2)気中における漏えい箇所特定調査(液体浸透探傷検査)
水位低下作業は順調に進んでおり、引き続き液体浸透探傷検査を実施しています。
5月23日までのところ漏えい箇所の特定に繋がるような有意な欠陥は確認されていません。
(5月23日現在の進捗率26%、添付−1(2/2)その2 参照)
(5月23日現在のプール水位は、通常水位(11.5m)の22%である、約2.5mです。)
2.漏えい箇所特定調査の今後の予定
(1)水中における漏えい箇所特定調査
漏えい検知水の出水再開後、引き続きシール板検査によるプール底面付近などの狭隘部の溶接部を対象とした漏えい箇所の絞り込み調査を継続します。
絞り込んだ部位のうち、水中で真空箱検査が適用可能な部位(添付−2参照)に対しては、発泡確認により漏えい箇所の特定を行います。
(2)気中における漏えい箇所特定調査
水位が下がった部分について、速やかに液体浸透探傷検査を進めていきます。
また、水位低下作業を速やかに実施できるよう、抜き出したプール水のサンプリング体制を強化して処理量を増加させる対策を講じたことにより、当初の予想よりも早い、6月中旬に終了する予定です。それにより、液体浸透探傷検査は、8月上旬終了の予定が工程を約1ヶ月短縮し、7月上旬終了の予定となります。
なお、水位低下作業が終了する6月中旬から、プール下部の液体浸透探傷検査を実施するため、壁近傍の燃料貯蔵ラックの一部を移動する作業を開始します。
3.安全確保
上記調査は、4月5日報告の安全確保対策と同様、施設の安全確保、作業に伴う放射線管理、作業安全管理を徹底して行っており、これまで作業は支障なく実施されています。引き続き安全確保には万全を期して作業を進めます。
なお、水位低下作業にともなって、5月9日から燃料貯蔵ラックが空気中に出たため、作業者の被ばく低減や放射性物質による汚染拡大防止のため、シートによる養生を実施しています。
更に、今後の燃料貯蔵ラック移動時には、ラックの落下防止に細心の注意を払います。
4.漏えい検知装置に係る運用方法等の改善
(1)結露水発生の抑止対策
(1) 燃料貯蔵プールエリア(地上1階)と漏えい検知装置設置エリア(地下3階)との空気差圧を解消するための換気系の調整作業(3月28日開始)は、4月30日に終了しています。
(2) 建屋コンクリートとライニングプレートとの隙間の空気流入口をシール材で閉止する恒久対策作業(3月29日開始)は、PWR燃料貯蔵プール周辺で漏えい箇所特定調査のために床面をシートで養生している一部の箇所を除き、4月22日に終了しています。
なお、シートで養生している箇所については、関係作業終了後に恒久対策を行います。
(2)漏えい検知水出水時の判定方法
漏えい検知水出水時の判定方法については、4月5日に手順書を改訂して運用しています。
添付−1(1/2)

添付−1(2/2)
添付−2

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