JAPAN NUCLEAR FUEL LIMITED

平成13年10月30日

報道関係各位

 

日本原燃株式会社

 

トラブルに係る調査・検討結果と取り組みについて

 
 

 昨年11月以降、当社の使用済燃料受入れ・貯蔵施設や再処理施設建設現場において、数件のトラブルが発生しておりますが、その都度、トラブルの原因を洗い出し、必要な対策を施してきております。しかしながら、類似したトラブルが連続して発生していることに鑑み、社内の取り組みとして、これらのトラブルの様々な側面・背景の分析を行い、諸課題を摘出して抜本的な対策を講ずるため、5月に社長の指示により「調査・検討チーム」(リーダー:安全技術室担当常務)を設置し(5月18日公表済)、これまで原因の調査、改善策の検討を進めてまいりました。
 更に、9月には猪股副社長を主査とし、事業部長をはじめ各事業の経営陣をメンバーとする「トラブル対策実行プロジェクト」を設置し、調査・検討チームから出された改善策に基づく具体的な実施内容を確認するとともに、これらの検討結果について外部の専門家の意見も伺い、経営陣が自ら先頭に立って、以下のとおり取り組んでいくこととしました。

 


1. 調査内容ならびに結果
 調査のスコープとして、トラブルの直接的な原因や発生後の対応ならびに通報連絡体制について調査するとともに、トラブルの原因が誤操作等による人的なものに起因することを踏まえ、その背景にある組織面の当社全体に係る共通原因についても調査を行いました。

(1) 調査内容
1)現場調査ならびに通報連絡体制等の実態調査
・トラブル発生時における現場の状況及び通報連絡体制に関する実態調査を、5月から6 月にかけて実施。
2)聞き取り調査
・再処理事業所長、濃縮・埋設事業所長をはじめとする経営層から一般職まで約60名に
対して、トラブルの要因や日常の仕事のやり方などに関する聞き取り調査を、6月から7月にかけて実施。
3)アンケート調査
・操業中の施設の運転関係者(対象:約340名)に対して、安全意識に関するアンケート調査を7月から8月にかけて実施。


(2)調査結果
 これらの調査により、以下のような問題点が明らかになりました。
1)トラブルの直接的な原因
・作業開始前に体制、役割の確認がなされていなかった。
・手順書の内容に不適切な点や、見誤りやすい構成があった。
2)トラブル対応体制の問題
・各事業部に設置されるトラブル対応本部の全体統制が十分でなかった。
・社内の情報連絡のラインが整理されていなかった。
3)会社全体の組織的な問題
・管理職の現場巡視が十分でなかった。
・教育の内容に十分ではないところがあった。
・技術の伝承に十分ではないところがあった。
・手順書のチェックや改訂に十分ではないところがあった。
・各階層間(管理者と現場など)のコミュニケーションが不足していた。

2. 取り組み内容
 トラブルの直接的な原因や、通報等に関する課題に加え、これらに共通する課題について改善策を検討し、全社的に以下の取り組みを行っていくこととしました。更に、実施状況について継続的にフォローしていきます。

(1) トラブルの直接的な原因の対策
 事象毎にトラブルの直接的な原因の背景を分析し、次の対策を全社的に実施しております。
1)作業体制の確認のルール化
2)作業前打合せの徹底
3)手順書の見直し等

(2) トラブル対応体制の対策
 トラブルの対応体制については、以下の対策について各事業部により具体的な運用方法を検討し、取り組みを行っています。
1)六ヶ所・青森・東京間の情報ルートの明確化
2)トラブル対応に関する事業部長の責務の明確化
3)事前準備段階ならびにトラブル事象発生時における役割分担の明確化 等

(3) 会社全体の組織的な問題への取り組み
聞き取り調査やアンケート調査から得られた意見や課題も踏まえ、会社全体の組織的な問題に対し、以下のとおり5つの目標を掲げて取り組んでいます。
1)トラブル対応を的確、スムーズに行おう!
・トラブル対応用図面集の整備と各所への備え付けによる対応の迅速化
・トラブル対応についての講習会開催による社員の危機管理意識の向上 等
2)人材を活かそう!
・人材配置にあたってプラント運転経験及びトラブル対応経験等の重視 等
3人を育てよう!
・アドバイザリーグループ(社内の各分野における専門家会議)による不具合事例の改善検討や社員教育の充実
・頑張っている人を適切に評価することによる社員モチベーションの向上 等
4)仕事のやり方を変えよう!
・管理職による不安全行動の防止を重視した現場巡視の実施
・手順書の内容の再確認及び改訂ルールの徹底
・設計関連資料の再整理による技術伝承 等
5)職場風土を良くしよう!
・部門間の垣根を越えたフリーディスカッションによる社内コミュニケーションの活性化
・社員から社長に直接意見を伝えることのできる「社長目安箱」の設置 等

 

以 上

 

 

 


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