平成21年8月31日


社長記者会見挨拶概要

 本日は、当社再処理施設の工事計画の変更について、ご報告させていただきます。
 今朝開催いたしました当社取締役会におきまして、再処理施設のしゅん工時期をこれまでの「本年8月」から「来年の10月」へ変更することを決定し、本日午前10時に経済産業大臣へ工事計画の変更を届け出るとともに、三村青森県知事ならびに古川六ヶ所村長へご報告いたしました。
 知事からは、「今後ともスケジュ−ルにこだわることなく、安全を最優先に進めて欲しい」とのお言葉をいただきました。私どもといたしましても、県民の皆さまのご期待にお応えできるよう、今後とも安全を最優先に、慎重の上にも慎重に、一つひとつ着実かつ確実に取り組んでまいる所存であります。

 全体の工程の流れにつきましては、最初に、@「セル内の洗浄作業」を9月上旬から開始し、作業終了後、2009年12月までを目途に、レンガ回収のための熱上げ前のA「セル内機器の点検」において、直接廃液が付着した機器を洗浄し、絶縁抵抗値の回復等その効果が得られたことをしっかりと確認するとともに、高レベル廃液の硝酸成分の影響を受けたと思われます約220の機器全ての点検を実施し、必要に応じて補修いたします。
 次に、B「熱上げ・レンガの回収」では、溶融炉を加熱して、ガラス溶融炉の底部に落下しているレンガを、レンガ回収装置を使って遠隔操作で慎重に引き上げ、回収します。C「ガラスの抜出し・放冷」では、炉内に溜まっているガラスの抜出しを実施し、更に、炉を冷やした後、炉内観察を実施いたします。
 続いて、2010年7月までを目途に、D「セル内機器の点検」をもう一度実施した上で、E「溶融炉内の残留物除去」では、Cのガラス抜出しで残ってしまった残留物を、高効率残留物除去装置等を使い、ITVカメラで確認しながら遠隔操作で慎重に回収していきます。その後、更にもう一度F「セル内機器の点検」を行い、溶融炉を復旧し、アクティブ試験再開の準備を完了する予定です。
 また、これらの作業と並行してレンガ損傷に係る原因究明結果や炉内観察結果等を報告書に取りまとめて国に報告し、ご審議いただいた上で試験を再開してまいりたいと考えております。
 次に、試験再開に向けてG溶融炉を「再熱上げ」し、Hの「ガラス固化施設のアクティブ試験」では、不溶解残渣を含まない高レベル廃液から試験を再開し、データを取得しつつ、不溶解残渣を含む高レベル廃液のガラス固化試験を行います。
  そして、最後の「アクティブ試験報告書の提出」では、試験の結果を報告書に取りまとめて国に報告し、ご審議いただいた上で来年の10月には、しゅん工にもっていきたいと考えております。

 今回の工程の見直しにあたっては、3点の視点から検討を進めてまいりました。
 第1点目は、これまでのガラス固化試験や、セル内作業の点検の実績を踏まえ、試験や復旧作業に伴う主要なリスクを洗い出し、その対応策をも含めて検討した点であります。例えば、レンガの回収については、遠隔での操作となることから、改良を重ねながら回収装置の操作訓練を徹底して行うとともに、この回収操作が複数回にわたって行われる等のリスクを考えました。また、流下性低下の原因になったと思われるガラス溶融炉内にあります残留物を除去する作業につきましても、前回の残留物除去の経験から炉内にあります残留物が前回の除去した量の2倍程度はあるものとして作業工程を想定するとともに、前回使用した除去装置よりも、より高効率の除去装置を開発し、この装置の操作訓練を行います。
 第2点目は、セル内機器の点検に相当の期間を織り込んだことであります。高レベル廃液が漏洩し、硝酸がミスト状になって飛散した結果、広範囲にセル内の機器に影響を及ぼしている可能性があります。したがって、操業後の長期にわたる運転を考えた時、この試験段階で、より丁寧にセル内の機器を点検し、補修すべきは補修するということで、大きくは3度にわたって点検作業を織り込んだことです。
  第3点目は、ガラス固化施設の再試験に万全を期すため、東海村にあります実規模モックアップ施設を活用することとした点です。ガラス固化試験については、日本原子力研究開発機構の全面的な協力を含め、オールジャパン体制はもとより、国内外の知見を結集して取り組むこととしておりますが、今後のガラス固化試験に万全を期すため、念のため、同機構の実規模モックアップ施設を活用して、白金族の挙動や洗浄運転の効果等を確認し、アクティブ試験に反映してまいることといたしました。(参考資料1

 いずれにいたしましても、今回の工程変更で大幅にしゅん工時期を延ばすことになり、県民の皆さまには大変ご心配をおかけすることになりましたが、先程の知事のお話をしっかりと受け止め、今後ともじっくりと腰を据えて取り組むこととし、安全を最優先に、慎重の上にも慎重に、一歩一歩着実かつ確実に進めてまいりたいと考えております。
 なお、今回の工事計画の変更による建設工事費の変更はございません。

 また、今回の大幅な工程変更に伴い、先行操業施設として運用しております使用済燃料の受入れ・貯蔵施設の管理区域内の作業等で使用した木材や紙、ウエス、作業着、ゴム手袋等につきましては、同じ使用済燃料の受入れ・貯蔵施設にあります貯蔵建屋の中で保管しておりますが、保管スペースが非常にタイトとなり、かなりの量を受入れ・貯蔵施設内に仮置きしている状況になっており、本日、国から改善のための措置を可能な限り早期に図ること、との指示を受けました。

 私どもといたしましては、この指示を重く受け止め、速やかに仮置き状況を改善すべく対応していくとともに、改善策ならびに措置状況を取りまとめて、9月7日までに国にご報告し、また県にもご報告した上で、皆さまにもお知らせしたいと考えております。(参考資料2

以上