日本原燃
2010年3月31日

 

定例社長記者懇談会挨拶概要



 本日は、「ガラス溶融炉の復旧に向けた作業状況」と、「使用済燃料受入れ・貯蔵施設内の仮置き廃棄物解消に向けての取り組み」について申し上げます。

 まず、「ガラス溶融炉の復旧に向けた作業状況」についてご説明いたします。
 既に、皆さまにはご報告させていただきましたが、今月17日からレンガ回収に向けて炉内のガラスを溶かすための熱上げを開始いたしました。まず、間接加熱装置により加熱し、その後、主電極間、続いて補助電極間の通電によるガラスの溶融を行っておりますが、この後、熱上げの最終段階である主電極と底部電極間の通電による炉底部のガラス加熱を行います。
 炉内のガラスが所定の温度まで上昇し、熱上げが終了した段階で炉の上部にレンガ回収装置を設置し、通電を停止してレンガ回収装置のハンド部分を降下させまして、レンガをつかみ・持ち上げる計画です。早ければ、今週末からこうした一連の作業に取り掛かる予定であります。
 回収作業は、遠隔での作業であることから複数回実施することを想定しており、期間としては1週間から10日間程度を見込んでおります。
 レンガ回収後は、再度熱上げしてガラスを抜き出し、炉を冷やした後、炉内の詳細観察を行うとともに、再度、セル内の機器の点検を行う予定であります。

 また、東海村にある実規模モックアップ施設、いわゆるKMOCを使った試験につきましては、先月行ったドレンアウトの後、炉内の詳細調査を実施してまいりましたが、炉内に残留物は殆んど見られず、白金族を含む炉内のガラスが期待通りに流下していることを確認することができました。
 これは、アクティブ試験再開後に計画をしております運転方法を検証できたという点で、大きな意味があったと考えております。
 先月申し上げました廃ガス冷却器の先端リングの回収作業も終了いたしまして、今月23日には熱上げを開始しました。4月上旬には試験を再開し、4月下旬から不溶解残渣を含んだ模擬廃液を用いた試験を実施し、5月下旬まで試験を続けていきたいと考えております。

 次に、「使用済燃料受入れ・貯蔵施設内の仮置き廃棄物解消に向けての取り組み」についてご説明いたします。
 昨年の8月末に国からご指示を受けまして、仮置き状態の解消に向けてドラム缶で約8,100本相当の仮置き廃棄物を容器に封入する作業を進めてまいりましたが、昨日、全ての封入作業を終了いたしました。
 なお、スラッジポンプ室に仮置きされている線量の高い廃棄物の取扱いにつきましては、分析試料の残液の誤移送の問題も合わせまして、この度、国から保安規定違反としてご指示をいただき、青森県・六ヶ所村からもご注意をいただきました。県民の皆さまにご心配をおかけいたしましたことを大変申し訳なく思っております。
 私どもといたしましては、このことを重く受け止め、4月9日までに、国に、適切に管理するための方策をご報告するとともに、青森県・六ヶ所村にもご説明し、全社をあげて再発防止に向けて取り組んでまいる所存であります。

 また、今月の2日に、青森県・六ヶ所村に申入れさせていただきました海外からの返還低レベル廃棄物の受入れにつきましては、昨日から、青森県が設置されました「海外返還廃棄物の受入れに係る安全性チェック・検討会」での検討が始まりました。
 私どもといたしましては、電気事業連合会とも連携いたしまして、その安全性や必要性について丁寧にご説明をさせていただくとともに、皆さまにご理解をいただき、何とか受入れをご了解いただけますよう、今後も理解活動を進めてまいりたいと考えております。

 最後になりますが、明日4月1日に当社も入社式を行います。
 今春は、93名の新入社員を迎えることとしておりますが、このうち県内の出身者が約8割となりました。また、平成23年度につきましても、同規模の90名の採用を計画しております。
 私どもといたしましては、今後とも、地元雇用の安定に何がしかお役にたてればと考えている次第であります。

 
以上

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