日本原燃
2010年1月29日

 

定例社長記者懇談会挨拶概要



 本日は、「固化セル内の復旧に向けた作業状況」と、「今後に向けた取り組み」について申し上げます。

 まず、「固化セル内の復旧に向けた作業状況」についてご説明いたします。
 既に、皆さまにはご報告をさせていただきましたが、先月23日に再開した固化セル内の洗浄作業につきましては、年が明けた今月4日からブスバ−という電源設備の絶縁抵抗値を測定し、現在、洗浄作業の総合評価と漏えいした放射性物質の回収量について評価を行っております。
 固化セル内では、引き続き、機器の点検を慎重に実施しており、既に9割以上の点検を終了しております。点検の結果、一部の機器の表面に潤滑剤が変化したと思われる付着物が見られるなどの不具合が確認されたため、表面の清掃や潤滑剤の塗り付けなどの補修作業を丁寧に実施しているところであります。
 なお、レンガ回収のための熱上げに必要な機器につきましては、もう一度念のために点検を実施しております。
 これら洗浄作業、点検作業の結果につきましては、まとまり次第、国に報告したいと考えております。
 また、点検終了後、ガラスなどを供給するために必要な原料供給器の取り付けなどの諸準備を進めた上で溶融炉を熱上げしてまいりますが、現時点で、レンガの回収時期は3月にずれ込むものと見込んでおります。

 次に、「今後に向けた取り組み」についてご説明いたします。
 先月のこの場で、これからやるべきことを確実に進めるための取り組みとして、レンガ回収のための装置の改良と訓練などについてご説明をさせていただきましたが、本日は、こうした取り組みの状況についてご説明したいと思います。
 まず、レンガの回収装置につきましては、この間、様々な改良を重ねてまいりましたが、現在は、東海村の三菱マテリアル株式会社の研究所における溶融炉を利用しまして、実際に高温の溶けたガラスの中からレンガを引き上げて回収できるところまで至っております。
 一方、当社サイト内の施設におきましては、現在、この回収装置を遠隔操作するために、「ITVカメラで回収装置の状態を観察できること」、あるいは、「手順書どおりに回収装置を溶融炉の上部に取り付けたり・取り外したりの操作ができること」などの検証を行っております。
 来月からは、実際にこの装置を使ったレンガ回収のための遠隔操作訓練を本格的に実施してまいります。
 また、東海村の実規模試験施設、いわゆるKMOCにおいては、昨年末から白金族を含んだ模擬廃液を用いた試験を開始しております。これまでの試験は、ほぼ順調に進んでおり、KMOCの炉内のガラスの温度分布や白金族の挙動を把握することができるなど、今後のアクティブ試験に役立つ有益なデ−タが得られつつあります。

 新しく開発を進めてまいりました炉内残留物の除去装置につきましても、一昨年の炉内除去で使用した従来の装置に比べて数倍またはそれ以上の除去性能が見込めるものと評価しております。
 来月からは、当社サイト内の施設におきまして、遠隔操作により、これまで得られている除去性能を改めて確認するとともに、訓練を実施してまいります。

 今後とも、こうした取り組みを積み重ね、アクティブ試験に万全を期してまいりたいと考えております 。

 
以上

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