日本原燃
2009年11月26日

 

定例社長記者懇談会挨拶概要



 本日は、「高レベル廃液漏えいの原因に関する検討状況」と、「再処理施設における保安活動」、更には、「東海村のモックアップ施設(KMOC)における試験の実施」について申し上げます。

 まず、先月22日におきました「高レベル廃液漏えいの原因」につきましては、特に、「なぜ、配管内部の閉止フランジ部に廃液が滞留していたのか」、また、「なぜ、チェーンが閉止フランジ部の取っ手に接触した際に廃液が漏えいしたのか」等について原因の絞込みを行い、モックアップ試験を実施して実際に事象が発生するかどうかの実証を丹念に行ってきたところであります。
 得られたデ−タや評価結果に基づいて、現在、今回の事象の原因究明と再発防止対策の取りまとめを行っているところでありますので、まとまり次第、報告書を国へ提出し、青森県と六ヶ所村にも報告したいと考えております。
 なお、中断しております洗浄作業につきましては、今回の高レベル廃液漏えいの原因と再発防止対策をしっかりと取りまとめた後に再開したいと考えておりますので、それまでの間は、できるところから順次点検作業等を進めてまいりたいと考えております。例えば、機器の年次点検やパワーマニピュレーターのテレスコープの損傷ケーブルの交換作業などを開始しているところであります。

 続きまして、「再処理施設における保安活動」について申し上げます。
 一昨日、保安活動に関するこれまでの実施状況の検証結果と今後の改善策につきまして国に報告させていただきました。今回、アクションプランに基づくこれまでの取り組みを検証した結果、安全技術担当の各課への配置や運転部門の日勤者と当直員との連携強化を目的とした「気付き事項メモ」の運用等につきましては、一定の成果が得られつつあるものの、「リスクを低減する活動の基盤強化」や「組織の連携強化」の項目の中に、更なる改善が必要なことも明らかとなりました。
 また、アクションプランに基づく取り組みの中には、即効的な成果を得ることが困難な項目もあり、成果が未だ十分に現れていないものもありますので、今回明らかとなった改善項目も含めまして、優先順位を付けて実施すること等により着実に成果が上がるよう努めてまいりたいと考えているところであります。
 いずれにいたしましても、皆さまには大変ご心配をおかけしておりますが、最も大切なことは、社員一人ひとりが、原子燃料サイクル事業の意義を十分に理解するとともに、その事業の一端を担っているという誇りを持つこと、そして、安全に対する感度を更に高め、慎重に、そして、緊張感を持って仕事を進めていくことでございます。
 そうした意識を浸透させるためにも、私をはじめ事業部の幹部が率先して現場に出向き、社員一人ひとりに声がけをし、励ましていきたいと思っております。

 次に、「東海村のモックアップ施設(KMOC)における試験の実施」についてご説明いたします。
 いわゆるKMOCを活用した試験につきましては、日本原子力研究開発機構の全面的な協力をいただきながら、アクティブ試験で処理を行った実際の廃液の組成割合を模擬した「模擬廃液」を用いて、これまでアクティブ試験で経験した様々な運転条件一つ一つを再現し、慎重にデータを取得しつつ、アクティブ試験再開後に計画している運転方法が適切であるかどうかを確認していくこと、また、これまで模擬ガラスビーズの供給で行っていた洗浄運転を模擬廃液に変えて実施することの効果を確認すること等を主な目的として実施するものであります。
 既に、今月の5日にKMOCの熱上げを開始いたしまして、来月の上旬頃には「模擬廃液」の炉内供給を行いますが、その後、条件を変えながら白金族元素の流下状況のデータを採取しつつ、慎重かつ段階的に、来年3月頃まで試験を行い、ガラス固化のアクティブ試験に万全を期していきたいと考えております。

 最後になりますが、MOX燃料工場につきましては、引き続き、安全審査、耐震バックチェックの状況や今後の手続き等を踏まえて新たな着工時期を含む工事計画の検討を実施しているところであります。12月中にも国に事業許可申請書の一部補正を提出し、着工の時期につきましても皆さまにお知らせできるものと考えております。

 
以上

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