日本原燃
2009年10月30日

 

定例社長記者懇談会挨拶概要



 本日は、「固化セル内の漏えい」と、「使用済燃料受入れ・貯蔵施設内の仮置き廃棄物改善への取り組み状況」について申し上げます。

 まず、「固化セル内の漏えい」の概要を改めてご説明させていただきます。
 今月22日1時55分頃、固化セル内の高レベル廃液を移送する配管の閉止フランジの下に設置してありますトレイ内に液だまりがあることを確認いたしました。
 この約20mlの液体は、録画していた映像から、洗浄作業の準備に使用していたクレーンに取り付けられている補助ホイストのチェーンが閉止フランジの取っ手に接触した後に、閉止フランジ部から漏えいしたものであることがわかりました。
 私どもは、安全上重要な設備における「閉じ込め機能の喪失」に該当すると判断いたしまして、国・青森県・六ヶ所村に連絡するとともに、公表した次第であります。
 その後、漏えい液を採取し、放射能濃度等の性状分析を行いました。更に、配管内部に残液が存在するかどうかを調査するため、当該閉止フランジと隣接しておりますもう一つの閉止フランジを取り外したところ、配管内から約135mlと約375mlの液体を回収しました。性状分析を行った結果、「双方の配管内に液体が存在したこと」、「漏えいおよび回収した液体の放射能濃度などの調査結果」から、漏えいした液体は高レベル廃液であると判断いたしました。
 今回の漏えいは、何らかの原因により配管内の閉止フランジ部にたまった高レベル廃液がチェ−ンの接触により閉止フランジ部から漏れ出たものと考えておりますが、閉止フランジ部に高レベル廃液が存在した原因につきましては、現在、様々なケ−スについて評価を行っているところであります。
 ただいまご説明いたしました漏えいに関する経緯につきましては、本日、国に報告するとともに、青森県・六ヶ所村にもご報告いたしました。
 今年の1月と2月に高レベル廃液が漏えいして以来、様々な対策を講じまして、安全を最優先に作業を進めるべく取り組んでまいりましたが、再び、高レベル廃液を漏えいさせてしまったことは誠に遺憾であり、青森県民の皆さまにご心配をおかけいたしましたことを申し訳なく思っております。
 なお、洗浄作業につきましては、今回の漏えいの原因究明ならびに再発防止対策をきちんと取りまとめた後に行っていきたいと考えております。
 また、22日以降洗浄作業が中断しておりますので、今後の状況にもよりますが年内を目途としております炉内のレンガ回収および炉内ガラスの抜出しの作業は、年明けにずれ込むものと考えておりますが、来年10月のしゅん工までの全体工程の中で吸収できるものと考えております。

 次に、「使用済燃料受入れ・貯蔵施設内の仮置き廃棄物改善への取り組み状況」について申し上げます。

 私どもは、仮置き廃棄物に対する3つの改善策のうち、抜本的な対策であります「保管廃棄能力向上」に向けて、本日9時、安全協定に基づく「新設等計画書」を青森県・六ヶ所村に提出いたしました。
 使用済燃料受入れ・貯蔵施設では、法令に基づく定期検査等に伴い発生する作業着やウェス等の低レベル廃棄物が、200リットルドラム缶の本数に換算して毎年約1,100本程度発生いたします。こうしたことから、今後発生する廃棄物にもしっかりと対応していくため、建屋を新設する等の「3つの対策」によりまして、新たに、保管廃棄能力を確保してまいります。
 1点目の「使用済燃料受入れ・貯蔵建屋内の貯蔵室設置」につきましては、本建屋の空きスペ−スを活用して、最大保管廃棄能力約430本の貯蔵室を設置するもので、来年7月からの運用開始を目指していきたいと考えております。
 2点目の「アクティブ試験中の低レベル廃棄物貯蔵建屋の一部先行使用」につきましては、使用済燃料受入れ・貯蔵施設から発生する廃棄物をアクティブ試験中の低レベル廃棄物貯蔵建屋内でも貯蔵できるように、本建屋の最大保管廃棄能力約50,000本のうち約7,500本について、再処理設備本体の運転開始に先立つ来年7月から使用することを目指していきたいと考えております。
 3点目の「低レベル廃棄物貯蔵建屋の設置」につきましては、既設の貯蔵建屋の近くに、既設建屋と同規模の約13,500本を貯蔵できる建屋を新たに設置するというもので、平成24年3月の運用開始を目指していきたいと考えております。
 今後、青森県・六ヶ所村からご了解をいただいた上で、国に事業変更許可の申請をさせていただくことになります。

 さて、最後に、MOX燃料工場の現状について一言申し上げます。MOX燃料工場につきましては、現在も行われております安全審査や今後の手続き等を考えますと、来月着工することは現実的に極めて厳しいと判断し、新たな着工時期を含む工事計画の検討に着手いたしました。
 具体的な時期につきましては、工事計画の検討終了後、国に事業許可申請書の一部補正を提出いたしますので、その時点で、皆さまにお知らせをさせていただきたいと考えております。

 
以上

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