日本原燃
2007年9月7日

 

定例社長記者懇談会挨拶概要



 本日は「アクティブ試験の第4ステップの開始」、次に「再処理施設の工事計画の変更」について、お話しします。

 まず「アクティブ試験の第4ステップの開始」についてです。
 さる8月31日に、知事ならびに六ヶ所村長から「耐震データ入力誤りについての当社対応と、国の確認結果について理解できる」との言葉をいただき、同日から第4ステップの試験を開始しました。
 まず、低レベル廃棄物処理建屋において廃棄物圧縮・減容化の処理性能確認試験に着手するとともに、せん断・溶解の準備として使用済燃料をプールから送り出しピットへ移送開始しました。その上で、本日から使用済燃料のせん断作業を開始しています。
 第1〜第3ステップを通じ、これまで個々の設備における性能と基本的な安全性の確認を行ってきましたが、第4ステップでは、再処理施設全体を通して運転性能を連続運転によって確認します。あわせて、高レベル廃液ガラス固化設備の処理能力の確認を行います。
 同時に、施設全体の運営という視点から、さらなる技術の習熟を図ることが重要な目的です。また、試験を進めるにあたって、コンプライアンスの徹底、風通しの良い職場風土と安全文化の醸成、緊張感を持った品質保証活動の継続など、経営の最重要課題に対し、協力会社各社の所長と当社経営層とのマネジメント会議を開くなど、協力会社とともに決意を新たに取り組んでいます。
 今後とも私どもは、安全を第一に、常に緊張感と使命感を持ち、安全確保を第一とする厳しい心構えで試験に取り組みます。

 次に「再処理施設の工事計画の変更」についてです。
 耐震データ入力誤りが判明してから、4カ月余りが経過しました。このため、第4ステップの開始は当初の計画からみて、約4カ月の遅れとなりました。
 同時に「11月しゅん工」という計画も厳しくなってきたことを踏まえ、工程について種々検討を重ねた結果、本日開催の当社取締役会で、再処理施設のしゅん工時期をこれまでの「平成19年11月」から「平成20年2月」に変更することを決定しました。あわせて、その旨を経済産業大臣へ届け出た上で、青森県と六ヶ所村へ報告しました。
 今回の計画変更に伴う、しゅん工時期の繰り延べは3カ月です。これは、当初計画と比べた約4カ月の遅れに対して、約1カ月の短縮を見込んでいます。
 これは、第1〜第3ステップの良好な実績の反映などにより、合理的に実現・達成できることを見通したものです。
 それは、第3ステップでBWRの使用済燃料のせん断を約40トン連続した際、1日あたり約3.8トンという、アクティブ試験開始当初の予想を大幅に上回る、非常に良好なせん断性能を持っていることを確認できたことであります。同時に、PWR燃料のせん断性能についても、世界トップレベルにあることを確認することができました。こうした優れた性能・実績を踏まえ、第4ステップでは予定のPWR燃料約110トンのうち、約100トンを連続的に処理することとし、約0.5カ月の期間短縮を見込みました。また、第5ステップでも同様の連続処理を予定し、これらの合計などで、約1カ月の期間短縮を見込みました。こうした対応などは、いずれも安全確保を大前提としたものです。
 一方、今回の工事計画の変更に伴う建設工事費への影響については、既に建物関係を中心に完成済みで確定しているものが多いので、耐震データ入力誤りに伴う求償分を除き、効率化によって十分対応できる、と考えています。従って、今回の工程変更に伴う建設工事費に変更はありません。
 また、使用済燃料の受入れ計画については現在、電力各社と調整を進めていますが、同時に受入れ再開について、早速今週初めから準備を開始したところです。

 最後になりましたが、昨日、原子力安全委員会主催による当社MOX燃料工場に関する公開ヒアリングが開催されました。尽力賜りました関係の皆さまには心から感謝申し上げます。
 当社としては、引続き、地域の皆さまの安全・安心を大前提に、MOX燃料工場の着実な計画推進に努力してまいります。
 しかし、現在の安全審査の状況を踏まえると、10月着工は厳しい状況になっています。今後、安全審査の状況を見極めた上で、着工時期について具体化した段階で、お知らせしたいと考えています。

 
以上

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