日本原燃

平成18年1月31日


定例社長記者懇談会挨拶概要


 本日は、今月22日に総合確認試験が終了し、ウラン試験が完了したことから、ウラン試験の概要について、ご説明させていただきます。
 ウラン試験は、一昨年12月から、再処理施設の機能や性能の確認をはじめ、設備の不具合の早期発見と是正を目的として実施してきました。
 総合確認試験では、再処理工場全体としての負圧調整や排気筒の風量などの健全性を確認し、最後に4体の模擬ウラン燃料集合体をせん断しましたが、これまでの試験で得た経験と知見を生かして順調に行うことができました。
 この総合確認試験の終了をもってウラン試験を終了したことから、本日、総合確認試験結果を中心に取りまとめた「ウラン試験報告書」を国に提出いたしました。

 概要は、まず「ウラン試験計画書」で計画していた再処理施設本体等の性能、および安全性に関する機能について、すべて健全性を確認したこと。次に、ウラン試験全体を通して、安全上重要な施設において安全機能に係る不適合等は発生しなかったこと。その他の不適合等については、改善された品質保証体制に基づき、適宜、改造等の対策を実施したことなどです。
 これまで実施してきた通水作動、化学、ウランの各試験を通じて、施設の性能や健全性等の確認に加え、運転・保修・放射線管理に従事する各要員が、それぞれの業務に必要な知識や技能を習得してきました。
 さらに、ウラン試験期間中に確認された不適合等によって得られた知見を、運転手順書等へ反映し充実を図ってきました。
 このように、これまでの各種試験を通じて、再処理施設の機能や性能といったハード面だけでなく、運転や保修などソフト面においても、一人ひとりが経験や知見などを着実に身に付けてきているものと感じております。

 ウラン試験は終了しましたが、アクティブ試験開始までの間、設備の状態を把握するための分析作業をはじめ、換気設備やユーティリティ設備などの計器の監視や保守点検を行うことにより、設備を維持・管理していきます。
 また、運転・保修などの各要員については、引き続き、教育・訓練を行い、さらなるレベルアップを図るなど、次のステージに向けた準備を着実に行っております。

 一方、電事連および電力各社は、プルサーマル導入に向けて不退転の決意で臨む旨を表明し、現在、鋭意取り組まれております。
 プルサーマルは、私どもが進めている再処理事業およびMOX燃料加工事業と一体のものであり、これらの事業を着実に進めていくことによって、原子燃料サイクルの輪が結ばれていくことになるものと考えております。
 こうした中、今年に入り、電力各社がプルトニウム利用計画を公表し、先般、原子力委員会より、その計画について「利用の透明性向上の観点から妥当である」との判断が示されたことは、私どもにとりましても大変心強く受け止めております。

 当社は、次のステージに向けて万全の体制で臨むことができるよう、今後とも協力会社と一体となって、安全確保と品質管理を大前提に一つひとつ着実に取り組んでまいります。合わせて徹底した情報公開による事業の透明性を図り、地域の皆さまから一層のご理解をいただけるよう、全力で取り組んでまいる所存です。


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