2015年2月27日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、「新規制基準への対応状況」、「全社防災訓練の実施結果」、「新型ガラス溶融炉のモックアップ試験の実施状況」の3点についてご説明します。

 まず、「新規制基準への対応状況」についてですが、再処理施設につきましては、これまでの審査会合等でのご指摘を踏まえ、現在、設計基準に関する考え方や重大事故対策として想定する条件等について再整理しているところであります。
 具体的には、まず、設計基準について申し上げますと、防護対象として選定すべき設備を網羅していないとのご指摘に対して、防護対象の考え方や防護の方法などについて改めて検討を行い、詳細に説明するよう準備を進めているところです。
 また、重大事故対策については、設計上の条件を超える範囲が明確でなく、対策の検討範囲が不足している可能性があるとのご指摘に対して、事故を発生させる条件や、それを踏まえた対策を講じる対象設備などについて検討を行っているところです。
 さらに、審査会合において、それらの検討結果だけを示すのではなく、その検討過程も説明するよう準備を進めているところです。
 一方、今月は耐震の審査会合が開催されました。出戸西方断層の南端については、残っていたボーリングの調査結果や反射法地震探査の解析結果をお示しし、その評価についてご説明させていただくとともに、再処理施設などの地下構造についても、地震観測記録などを分析・評価し、基準地震動を複数個所で設定する必要がないことを説明させていただきました。
 それぞれ、概ねご理解をいただけたものと考えておりますが、頂戴したご質問などに対して、引き続き、丁寧に対応してまいります。
 いずれにしても、当社としては、先週20日の審査会合でご説明させていただきましたとおり、今後は、十分な準備を行った上でヒアリングに臨み、審査会合には論点を十分整理した上で対応してまいります。また、いただいたコメント等にも迅速に対応するなど、万全を期してまいりたいと考えております。

 次に、「全社防災訓練の実施結果」について申し上げます。
 先月の懇談会でもご紹介いたしましたが、今月23日に全社をあげた防災訓練を実施いたしました。
 この訓練は2012年度以降、毎年厳冬期に実施しており、当社の4つの施設-再処理工場、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理施設、ウラン濃縮工場、低レベル放射性廃棄物埋設施設-において、外部電源の喪失をはじめとする様々な事故が同時発生することを想定し、当社と協力会社の社員、総勢約530名が参加して実施いたしました。
 当日は、各事業部とも事故収束や復旧に向けた活動をスムーズに実施し、全社対策本部との情報共有など、全社をあげて迅速に対応できることを確認いたしました。
 再処理工場における訓練では、高レベル廃液の貯槽を冷却する設備に直接注水する準備作業やモニタリングカーによる測定などを行っております。
 当社としましては、今後も様々な状況を想定した訓練を繰り返し実施し、万が一の際にも確実に対応できるようにしてまいります。

 最後に、「新型ガラス溶融炉のモックアップ試験の実施状況」について申し上げます。お手許の資料をご覧ください。
 当社は、現在、ガラス固化技術の一層の向上を図るため、新型ガラス溶融炉の開発を進めております。1ページ左上に開発計画の概要を整理いたしましたが、2013年11月からは、第1段階の試験として模擬廃液に白金族元素などを加え、現行炉と同様の運転条件で新型ガラス溶融炉の温度管理や流下性が優れていることを確認しました。
 これに続いて、昨年11月からは第2段階の前半の試験として、実機への導入判断に向け、白金族元素などを加え、新型ガラス溶融炉の特性を踏まえた運転条件で流下性の向上などを確認する試験を実施いたしました。
 この試験では、当初、必要に応じて洗浄運転を挟んで30バッチ運転を行う計画としていましたが、右上にまとめましたとおり、実際は、洗浄運転をすることなく当初の試験計画の最大量である40バッチの連続運転ができることを確認するとともに、流下性も著しく向上し、溶融炉の底に白金族元素が堆積する兆候は見られませんでした。
 2ページにグラフや写真をお示ししておりますが、これまでに比べ、流下速度が向上するとともに、バッチ数が連続しても変わらないことや、炉内の残留物が少なく、流下性が大幅に向上していることがご覧いただけると思います。
 現在、準備を進めている第2段階の後半の試験では、さらに様々な廃液条件で処理能力に関する試験を実施し、新型ガラス溶融炉の実機への導入を総合的に判断していく予定です。

 本日、私からは以上です。