2014年11月27日
定例社長記者懇談会挨拶概要
本日は、「再処理施設の新規制基準への対応状況」、「新型ガラス溶融炉のモックアップ試験の継続実施」についてご説明させていただきます。
まず、「再処理施設の新規制基準の適合性に係る審査への対応」について申し上げます。
当社は、8月29日に提出した設計基準の一部補正(溢水、化学薬品、竜巻、航空機落下、外部火災)に引き続き、明日、残りの設計基準に関する補正を提出いたします。これにより、設計基準の補正は、一部を除き、出揃うことになります。
今回の補正の主な内容は、「火災及び爆発による損傷の防止」と「内部発生飛散物による損傷の防止」などの設計方針に関するものであります。
具体的には、火災や内部飛散物から守るべき対象設備を明確にするとともに、それらの設備に対する影響評価について記載したもので、これまでの審査会合でのご指摘等を踏まえ、従来の申請書の追加・充実を図りました。
詳細につきましては、明日、原子力規制委員会へ提出後、皆さまにお知らせしますので、よろしくお願いいたします。
なお、重大事故対策の補正につきましても、鋭意作業を進めているところであり、準備の状況にもよりますが、できるだけ早期に提出したいと考えております。
一方、先週21日には耐震の審査会合が開催され、出戸西方断層南端付近におけるトレンチやボーリング調査結果の中間報告について、ご説明をさせていただきました。来月1日、2日には現地調査が行われますので、引き続き、しっかりと対応してまいります。
次に、「再処理施設の新規制基準を踏まえた対策の取り組み状況」について申し上げます。
先月30日に新工程を公表した際にご説明させていただきましたとおり、対策工事につきましては、設工認の認可後でなければ実施できないものもありますが、その前に着手可能なものは、全力で進めているところであります。
例えば、設計基準への対応については、内部溢水対策として、昨年秋から堰や防水扉の設置工事に着手しており、既に使用済燃料受入れ・貯蔵建屋は完了し、他の建屋でも順次工事を進めているところであります。
また、竜巻対策も、屋外に設置している安全冷却水系の冷却塔などの設備を防護する対策に昨年秋から着手しており、既に鋼鉄製の防護ネットの手配を完了し、現在、基礎工事を実施しているところであります。
同様に、重大事故への対応につきましても、万一、大規模火災が発生した際の消火や放射性物質の拡散を抑えるために大量の水を放水する「放水砲」や「大型移送ポンプ」の導入を完了したほか、セル内で発生した火災に備え、濃縮した窒素を供給して消火する、水を使わない消防設備も配備いたしました。
次に、「新型ガラス溶融炉のモックアップ試験の継続実施」について申し上げます。
本年3月31日の定例記者懇談会でも、皆さまにご説明しておりますが、当社は、ガラス固化技術のさらなる向上を目指し、敷地内の研究開発施設に実機と同じ大きさの改良型のモックアップ試験炉を設置し、昨年11月から本年2月にかけて模擬廃液を使った第一段階の試験を実施いたしました。その結果、炉内の温度管理機能やガラスの流下性が著しく向上したことなどを確認しております。
これを踏まえ、第二段階として、溶融炉の連続・安定運転といった処理能力の一層の向上などを目的とした試験を行うこととし、今月17日から試験炉の熱上げを開始しております。来月上旬からは模擬廃液を使って来年春頃まで試験を行う予定であり、引き続き、着実に新型ガラス溶融炉の開発を進めてまいります。
本日、私からは以上です。