2014年10月30日

社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、「再処理工場のしゅん工時期の変更」についてご説明させていただきます。
 昨日開催の取締役会において、再処理工場のしゅん工時期をこれまでの「本年10月」から「2016年3月」へ変更することを決定し、その内容について、先ほど、青森県の佐々木副知事と阿部議長、六ヶ所村の橋本副村長と橋本議長に、それぞれご報告させていただきました。
 この工程変更の内容については、明日、原子力規制委員会に届け出る予定です。

 それでは、工程変更の内容についてご説明させていただきます。
 お手許の資料をご覧ください。新たなしゅん工時期については、当社施設の新規制基準の適合性審査の状況や原子力発電所の審査の動向等をギリギリまで見て判断した結果、約1年5ヶ月延ばして「2016年3月」に変更いたしました。

 新たな計画の内訳についてご説明いたします。
 まず、原子力規制委員会による再処理工場の審査会合は、これまで13回開催されており、現在も続いているところであります。
 こうした中、「審査期間」につきましては、本年1月に申請した時点では、原子力発電所の申請時に想定されていた期間と同程度の「約6ヶ月」としておりましたが、審査の状況や当社としての検討状況、さらには原子力発電所の審査の動向などを踏まえ、「約18ヶ月」といたしました。

 次に、「対策工事」については、先行して工事を進めるなどの取り組みを前提として、当初、審査終了後「約4ヶ月」としておりましたが、新たに設工認の認可後でなければ実施できない内部溢水対策の追加工事等が必要になったことを踏まえまして、「約9ヶ月」とし、「使用前検査」につきましても、これまでの考え方と同様、「対策工事」の期間中に受検することといたしました。

 なお、8月29日に設計基準の一部(溢水・化学薬品・竜巻・航空機落下・外部火災)について申請書の補正書を提出し、その後、審査が行われておりますが、今後も準備が整い次第、順次、残りの設計基準や重大事故対策について補正を行う予定です。

 また、現在、出戸西方断層南端部の説明性向上のために、トレンチ調査やボーリング調査を追加して実施するとともに、反射法地震探査のデータ解析を行っているところであります。
 調査結果については、来月には中間報告として取りまとめる予定です。
 新基準への対応は、さらなる安全性・信頼性の向上につながるものであり、これらの調査結果も含め、原子力規制委員会へしっかりと説明するなど、着実に進めてまいります。

 なお、大陸棚外縁断層については、3月28日の審査会合で説明させていただいておりますが、並行して4事業者共同で海上ボーリングなどの調査を実施いたしました。現在、採取したボーリングコアなど、データの解析を進めており、評価がまとまった段階でお知らせしたいと考えております。

 当社の事業は、「地域の皆さまの信頼によってはじめて成り立ち得る」ものであります。
 このことを常に念頭におき、原子燃料サイクルの確立に向けた新しい安全の姿を作り上げていくため、引き続き全社をあげて万全の体制で取り組んでまいります。

 これまで時間を要しておりましたガラス固化設備の試験は昨年5月に終了し、しゅん工に向けた技術は確立できたものと考えております。
 今回、新規制基準への対応とはいえ、結果として、しゅん工時期を再び変更することになり、残念ではありますが、新たな工程の実現に向けて、何よりも安全を最優先に取り組んでまいる所存です。

 六ヶ所村民の皆さまをはじめ、青森県民の皆さまにおかれましては、引き続き、何卒、ご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 本日、私からは以上です。