2014年6月27日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、「新規制基準の適合性に係る審査」と「平成25年度決算の概要」の2点についてご説明させていただきます。

 まず、「新規制基準の適合性に係る審査」について申し上げます。
 ご案内のとおり、先週19日の審査会合や、一昨日開催された原子力規制委員会において、厳しいご指摘をいただきました。当社といたしましては、ご指摘の内容をしっかりと受け止め、今後の審査に臨んでまいりたいと考えております。
 なお、再処理工場のしゅん工時期につきましては、国の審査期間を約6ヶ月と見込んでおりましたことから、現在の審査の状況を踏まえますと、現実問題として非常に厳しいという認識を持っております。現時点では、10月しゅん工の旗を降ろすことは考えておりませんが、今後の審査の動向をぎりぎりまでみまして、検討してまいりたいと考えております。
 また、既にお知らせしております出戸西方断層南端部のトレンチ調査につきましては、これまで長さ約100m、幅約50m、深さ約10mまで掘削するとともに、並行して地質観察を行い、概略評価を実施した結果、これまでの評価を変えなければならないものではありませんでした。
 なお、5月30日の審査会合において、トレンチ調査範囲の拡大についてご意見をいただきましたので、現在の場所からさらに東側に長さを約100m延ばして調査を行う方向で現在準備しているところです。これらの結果については、今後の審査会合の場などでご説明してまいりたいと考えております。

 次に、「平成25年度決算の概要」についてご説明させていただきます。お手許の「損益計算書」をご覧ください。
 まず、「売上高」は2,868億円となり、前年度に比べて72億円の減収となりました。これは、主に再処理料金などが減少したことによるものです。
 次に、「売上原価」ですが、2,429億円と前年度に比べて55億円の減少となりました。その主な要因は、新規制基準対応による費用の増加はありましたものの、修繕費の抑制など業務全般にわたり可能な限りの削減に努めたことによるものであります。
 この結果、「売上総利益」は439億円、「販売費及び一般管理費」を差し引いた営業利益は、ほぼ前年度並みの221億円となりました。
 営業外損益を反映した「経常利益」は前年度に比べ36億円減の90億円となり、固定資産の除却関連費用などの「特別損失」および「法人税など」を差し引いた当期純利益は、前年度を若干下回る54億円の減収減益決算となりました。以上が、「平成25年度決算の概要」であります。

 さて、最後になりますが、私はこの6月30日開催の株主総会をもちまして社長を退任いたしますので、一言ご挨拶をさせていただきます。
 振り返りますと、2009年8月に兒島前社長から日本原燃の舵取りを引き継ぎまして、5年近くが経ちました。
 この間、それぞれの事業を何とかここまで進めてこられましたのも、六ヶ所村の皆さまはじめ青森県の皆さまの深いご理解とご協力があったればこそであり、改めて深く御礼申し上げる次第であります。
 この5年、実に色々なことがありました。中でも、3.11の東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故により当社を取り巻く経営環境が激変したことでありまして、厳しい経営環境は現在も続いているわけでありますが、そうした中で閉塞状態にあった再処理工場のガラス固化試験については、時間はかかりましたが、徹底的な検証を行い、昨年5月に成功裏に試験を終了、何とか技術的課題をクリアすることができました。
 また、ウラン濃縮事業については、2000年から研究開発に取り組み、世界最高性能と自負できる新型遠心機を2012年に営業運転までもっていくことができました。
 さらに、MOX燃料工場についても、3.11により長期中断を余儀なくされたものの、工事を再開し、一昨年末には岩盤検査に合格し、現在、建屋の建築工事を進めているところであります。
 このように、少しずつではありますが、各事業を一歩二歩、前に進めることができましたのも地域の皆さまのご理解に加えて、わが技術陣の頑張りによるものであり、私自身、非常に誇りに思っているところであります。
 加えて、この4月11日には、エネルギー基本計画が閣議決定され、私どもが進めているサイクル事業についてもこれを推進するとして、しっかりと位置づけられました。これもとても大きなことでありました。
 今後の最大の課題は、現在、審査が進められている新規制基準への対応でありますが、社内には「世界一安全なサイクル施設をつくるとの気概を持って取り組もう」とずっと言い続けてまいりました。
 地域の皆さまからご信頼をいただくためにも、新しい基準をしっかりとクリアすることが私どもの責務であり、必ずやクリアできるものと考えております。
 今後は、立場は変わりますが、引き続き青森に残りまして、この課題につきましても、側面から新しい経営陣をバックアップしてまいりたいと考えております。
 青森県政記者会の皆さまには、大変お世話になり、本当にありがとうございました。
 引き続き日本原燃をよろしくお願いいたします。

 本日、私からは以上であります。