2014年4月25日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、「新規制基準の適合性に係る審査」と「エネルギー基本計画の閣議決定」の2点についてご説明させていただきます。

 まず、「新規制基準の適合性に係る審査」についてですが、今月17日の審査会合では、再処理施設の重大事故対策の拡充について、また、昨日は安全上重要な施設の再整理についてご説明をさせていただき、大筋でご理解をいただけたのではないかと考えております。
 例えば、再処理施設の重大事故について申し上げますと、重大事故が起こっても、放射線被ばくによりご迷惑をおかけしないようにすることが最大の目的であり、その対策として、事故を早期に収束させるための措置を講じることはもとより、可能な限り施設から放射性物質の放出を抑制することを基本方針とする旨、改めて説明させていただきました。
 そして、その具体的方策として、例えば高レベル廃液貯蔵タンクの冷却機能が喪失した場合について言えば、冷却ループやタンク本体への直接注水といった発生防止・拡大防止策も機能せず、セル内のタンクから放射性物質が漏れ出たとしても、容量の大きなセル等に導いた上で、放射性物質のセル内での滞留時間を確保して沈着させ、その量の低減を図る、さらには、施設内の圧力が上昇するような二次的なリスクにつながるおそれがある場合には、増配備した可搬式の高性能粒子フィルタ等により放射性物質を可能な限り除去した上で排気するといった対策についてご説明させていただきました。
 これに対し、放射性物質をセル等に閉じ込めるための詳細な手順をはじめ、可能な限りの対策、すなわち、それ以外の対策はないかといった検討も含めて示してほしいといったご意見をいただきましたので、引き続き準備し、今後ご説明してまいりたいと考えております。

 また、先月28日に開催されました耐震に関する第1回目の審査会合において、出戸西方断層の南端を明確にするため、トレンチ調査の実施についてご意見をいただきました。このため、私どもといたしましては、ご意見にしたがいましてトレンチ調査を実施することとし、できれば来週から具体的な掘削場所を決めるためのボーリングを行い、早ければ5月上旬から調査を開始したいと考えております。

 また、既にお知らせしておりますが、当社と東北電力株式会社、東京電力株式会社、リサイクル燃料貯蔵株式会社の4社は、下北半島東部における地質データのさらなる拡充を目的として、地球深部探査船「ちきゅう」による海上ボーリング調査を実施しております。
 今月6日から調査を開始し、現在、ボーリングコアの採取を進めており、順調にデータが集まってきております。引き続き、調査と評価を行い、まとまり次第、ご説明させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 最後に、「エネルギー基本計画の閣議決定」について申し上げます。
 今月11日に新しい「エネルギー基本計画」が閣議決定されました。
 今回の計画では、原子力発電を「エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源」と位置付けるとともに、私どもが担っております原子燃料サイクルにつきましても、引き続き関係自治体や国際社会の理解を得つつ推進するとされ、具体的には、「安全確保を大前提に、プルサーマルの推進、六ヶ所再処理工場のしゅん工、MOX燃料加工工場の建設、むつ中間貯蔵施設のしゅん工等を進める」と明記されました。
 資源に乏しい我が国のエネルギー事情を踏まえますと、原子力発電は今後とも重要な電源として活用していく必要があり、原子燃料サイクルについても、ウラン資源の有効利用、廃棄物の減容の観点から極めて重要であると考えます。
 その意味で、国の「エネルギー基本計画」において、改めて原子燃料サイクルを進めるということがしっかりと位置付けられましたことは、極めて大きな意義があるものと考えております。
 私どもといたしましても、引き続き、安全を最優先に、原子燃料サイクルの確立に向けて、全社をあげて取り組んでまいる所存であります。

 本日、私からは以上であります。