2013年11月27日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、「新規制基準への取り組み状況」についてご報告させていただきます。
 まず、申請に向けた今後の進め方についてご説明いたします。
 新基準が12月18日に施行されるということになりましたので、当社といたしましては、準備を進めまして、まず青森県ならびに六ヶ所村に対し、各施設の新基準適合に向けた対応策についてご報告したいと考えております。
 その後、原子力規制委員会へ安全審査の申請をするために、安全協定に基づき、事前了解願いを青森県と六ヶ所村に提出し、ご了解をいただき次第、速やかに再処理施設やMOX燃料加工施設など各施設について「事業変更許可」などの申請を行いたいと考えております。

 次に、新基準への対応状況についてご説明させていただきます。
 まず、再処理施設の場合でありますが、今回の新基準では、従来の「自然現象」や「火災・爆発」、あるいは「地震」等について基準が強化されるとともに、新たに「重大事故対策」や「内部溢水対策」などの対策が求められる見通しです。
 このうち、重大事故対策については、使用済燃料貯蔵プールにおける燃料の損傷やセル内において発生する臨界など6項目について、その対応策を求められることになると考えられますので、これまで可搬式設備での対応を中心に検討を進めてまいりました。具体的には、使用済燃料貯蔵プール水の大規模漏えい対策としては可搬式のスプレイ設備を設ける、また、臨界を抑えるための対策としては中性子吸収材を溶解槽へ供給する可搬式の設備を配備することとし、これらにつきましては、既に発注いたしております。
 また、内部溢水対策といたしましては、安全確保上必要な電気盤などが影響を受けないようにするための防水扉や防水板の設置が必要ですが、これらについても、工事の手配を進めているところです。
 その他、自然災害や火災などについても、現在それぞれ検討を進めており、必要なものについては、順次、工事に着手しております。

 次にMOX燃料加工施設についてご説明いたします。
 12月の新基準施行後、まずは事業変更許可を申請し、審査いただきたいと考えております。
 MOX燃料加工施設は、現在、建設中であることから、今後、工事の進捗に合わせて、段階、段階で設計及び工事の方法の認可(設工認)の申請を行い、新基準に適合していることを審査いただくことになります。

 また、ウラン濃縮施設についても、このタイミングで事業変更許可などの申請を行うとともに、現在、新基準に対応するための適合性の評価・確認を行っているところであります。今後、必要な対策等があれば、順次、対応していきたいと考えております。

 最後に、低レベル廃棄物埋設施設については、新規制基準では、最新の技術知見を踏まえた定期的な評価が要求されておりますので、その点を記載した保安規定変更認可申請を行ってまいります。

 当社としては、こうしたハード面での対策に加え、ソフト面の対策も重要と考えております。これまでも種々の訓練を実施してまいりましたが、重大事故対策を意識して、今月5日には、冷却機能喪失によって高レベル濃縮廃液等が蒸発した結果、外部へ放射性物質が放出することを防止する対策として、冷却用コイルに直接ポンプで給水する訓練を実施し、手順書通り対応できることを確認いたしております。
 今後、これ以外の重大事故対応についても、「目標とする時間内に準備した手順に基づく対応が実施可能か」といったことなどを確認するための訓練を、順次、実施していく計画です。

 以上、新基準の施行まで1か月足らずとなりましたが、その準備に万全を期し、全社をあげて取り組んでまいる所存であります。