2013年4月1日

2013年度入社式 社長挨拶要旨

 本日、68名の皆さんを日本原燃の新しい仲間として迎えることができましたことを、大変うれしく、かつ心強く思います。

 東日本大震災および東京電力福島第一原子力発電所の事故以来、原子力を取巻く状況は激変しましたが、昨年末に政権が変わり、安倍首相は「わが国は世界でも高い核燃料サイクル技術を有している。世界各国とも連携を図りながら引き続き取り組んでいく」と発言され、茂木経済産業大臣も「サイクルの意義は今後も変わらない。様々な課題解決を目指し、国策として継続していく。」と発言されています。
 すなわち、原子燃料サイクルを国内にしっかりと確立し、わが国の長期的なエネルギーの確保を支え、日本国民の豊かな生活に貢献するという「原子燃料サイクルの意義」、そしてわが社の「使命」は、いささかも変わるものではないということであります。

 ご存知のとおり、わが国は資源をほとんど持っていません。加えて、わが国を取り巻くエネルギー情勢は、ここにきて、ますます厳しさを増しています。原油輸入の中東依存度は87%とオイルショック時よりむしろ高くなっています。万が一ホルムズ海峡が封鎖されるような事態になると、たちまち原油の輸入はストップし、原油価格はさらに急騰するでしょう。このこと一つとってみても、わが国のエネルギーの供給構造がいかに脆弱であるかということです。
 そうした中で、わが国が技術立国として今後も一流国であり続けるためには、原子力が一定の役割を果たさざるをえないのであり、再処理、サイクルの必要性もそこにあります。このことをしっかりと認識し、日本のエネルギーを我々が支えていくんだという「高い志」と「揺るぎない信念」をもって、これからの仕事に取り組んでいただきたい。必ずそこには「やりがい」があり、「生きがい」があり、「ロマン」があるはずです。

 原子燃料サイクルの要である再処理事業、濃縮事業、低レベル放射性廃棄物の埋設事業、MOX燃料加工事業のいずれもが、原子力発電にとって欠かすことのできない重要なもので、当社は、これら全ての事業を着実に進めていかなければなりません。
 その際、何よりも重要なことはやはり「安全の確保」であります。安全を実績として一つひとつ積み重ねていくことによって、はじめて地域の皆さまから信頼が得られ、その結果、当社の使命の実現につながっていくわけであります。
 そのためには、「現場力」「技術力」であります。皆さんには、現場にどんどん足を運び、そして、自分の仕事を追究し、「現場のプロ」「持ち場のプロ」になってもらいたい。

 「明るく、楽しく、元気よく、そして世界の六ヶ所を目指そう」を合言葉に、一日も早く会社生活に慣れ、活躍されることを心から期待しています。