2013年4月26日
定例社長記者懇談会挨拶概要
本日は、「ガラス溶融炉A系列におけるガラス固化試験の状況」と「原子力規制委員会における核燃料施設等の新規制基準の検討」の2点について申し上げます。
まず、「ガラス溶融炉A系列におけるガラス固化試験の状況」についてですが、既にお知らせいたしておりますが、先週17日から熱上げを開始し、これまで順調に推移しているところであります。
熱上げは5月初めには完了する予定で、その後、今後のガラス固化試験に万全を期す観点から、模擬ビーズによる流下確認を2バッチ程度、模擬廃液による仮焼層形成のための運転を3バッチ程度実施します。そして、早ければ連休明けには実廃液を使ったガラス固化試験を開始する予定です。
具体的な試験の内容は先月もご説明しましたとおり、「安定運転確認」と「性能確認」をB系列と同様のバッチ数で実施いたします。
「安定運転確認」では、実廃液10バッチ、洗浄3バッチ、実廃液10バッチの順に行い、「性能確認」では、実廃液5バッチの運転の中でガラス溶融炉の最大処理能力である1時間あたり70Lの廃液供給量で運転ができることを確認いたします。
一連の作業が順調に進みますと、5月末から6月初旬頃までには終了する予定です。アクティブ試験の最後の試験項目となりますが、引き続き、安全を最優先に慎重に取り組んでまいります。
ガラス固化設備につきましては、これまで様々な課題を克服してきており、このたびの試験が順調に進めば、当社が使用前検査の前に実施する必要がある項目はすべて終了いたします。
当社としては、新規制基準が公布・施行されれば、しっかりと対応してまいる所存でありますが、ガラス固化設備に関する使用前検査については、既に認可どおり工事が施工されているかについての確認は終了しており、今後は安全に直接関係する機能の確認ではなく、設備の処理能力に関する性能検査を残すのみであることから、是非、粛々と受検させていただきたいと考えている次第であります。
次に、先週15日から原子力規制委員会において、核燃料施設等の新規制基準に関する検討が開始されましたので、一言申し上げたいと思います。
先日の会合では、検討の基本方針や新規制基準案の構成と対応方針などが示されました。その際、再処理施設が原子力発電所と異なる特徴を持っていることも明示されました。
具体的には、
- 運転の状態は、原子力発電所が高温・高圧であるのに対し、再処理施設は常温・大気圧であり、従って、万一、再処理施設で異常事象が発生した場合でも、その進展は比較的緩やかであること
- 放射性物質の分布は、原子力発電所が炉心と使用済燃料プールに集中して存在するのに対し、そもそも再処理施設には炉心がなく、複数の建屋に分散しており、さらにそのほとんどは、ガラス固化体、使用済燃料といった密封された安定的な状態であること
- さらに、冷却機能喪失から一部の放射性物質の異常放出に至るまでの時間が数日程度あり時間的余裕が大きいこと
などが示されました。
今後の議論にあたりましては、引き続き、こうした再処理施設と原子力発電所の違いを踏まえたご検討をいただくとともに、当日の資料にも明記されていたように、是非、事業者の意見を聞く場を設けていただきたいと思う次第であります。