2013年3月29日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、「再処理工場における現在の取り組み状況」と「新型ガラス溶融炉の開発状況」、「2013年度入社式」の3点についてご説明させていただきます。

 まず、ガラス溶融炉B系列におけるガラス固化試験の評価結果についてご説明いたします。お手許の資料①をご覧ください。
 これまでも随時お知らせしてまいりましたが、試験で得られたデータや炉内観察、さらには、今月初めに終了したはつり作業の結果も踏まえた最終的な評価結果の概要を取りまとめました。
 詳細につきましては、懇談会終了後、担当部長からご説明させていただきますが、これまで申し上げておりますとおり、試験の結果、安定した運転が維持できること、設計上の処理能力で運転ができることを確認するとともに、溶融炉の健全性にも問題がないことを確認いたしております。
 評価結果のまとめとして、2ページ左側の下と3ページ左側の下に下線を引いていますが、今後の運転に対して反映すべき新たな対策は必要ないことを確認しております。
 引き続き、これまでの経験で得られた運転管理手法を確実に実施してまいりたいと考えております。
 また、3ページ右側の5に示しましたとおり、今回の評価結果をもとに、これから始めますA系列のガラス固化試験の進め方について検討した結果、「立上げ運転」、これはガラス溶融炉を加熱する供給電力量とガラス温度の変化などを確認するものですが、今回使用する廃液がB系列のガラス固化試験で使用したものと同様であることから実施せず、「安定運転確認」と「性能確認」については、B系列と同様のバッチ数で実施することといたしました。
 早ければ来月中旬から溶融炉の熱上げを行い、5月上旬から試験を開始する予定です。
 試験期間は1ヶ月程度を見込んでおり、順調に進みますと5月末から6月初旬頃までにはガラス固化試験が終了する予定であります。
 アクティブ試験の最後の試験項目となりますが、引き続き安全を最優先に着実に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、「新型ガラス溶融炉の開発状況」についてご説明します。お手許の資料②をご覧ください。
 当社は、ガラス固化技術の更なる向上を図るため、新型ガラス溶融炉の開発を進めているところですが、このたび再処理事業所敷地内に建設中のガラス固化技術開発施設内に新しい試験炉の据付を完了いたしました。
 この新型ガラス溶融炉の改良点は、左側中ほどの図をご覧いただきたいと思いますが、白金族元素の流下性を向上させる観点から、炉底部の構造を現行の四角すいから円すいにするとともに、傾斜角度も45度から60度に変更し、炉底部の電極なども追加しております。
 今後は、右上の図に示しましたとおり、運転の監視性向上のため、炉内にあるガラスの量をこれまで以上に精度よく確認する新型の液位計や、万一、流下性が低下した際に回復作業がしやすいよう溶融炉にあらかじめ改良型の直棒をセットする設計なども進めまして、できればこの秋から模擬廃液を使った試験を開始したいと考えております。

 次に、入社式についてご説明します。2013年度の入社式は4月1日に行う予定で、新年度は68名の新入社員を迎えることとなりました。内訳は、高卒・高専卒39名、大卒・大学院卒29名で、このうち青森県出身者は48名となり、全体の約7割が青森県出身者であります。
 なお、2014年度につきましては75名程度の採用を計画しております。その内訳は、高卒・高専卒45名、大卒・大学院卒30名で、高卒については青森県内の高校から採用することにしております。
 私どもといたしましては、地域に根ざした企業として、こうした取り組みを通して地元の雇用に少しでもお役にたてればと考えております。

 最後になりますが、先月お知らせいたしましたウラン濃縮工場における新型遠心機の初期導入・後半分、年間37.5tの慣らし運転につきましては、本日午後から開始することとなりました。
 本年5月からの生産運転の開始に向けて、慎重に作業を進めてまいりたいと考えております。