2013年2月28日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、「再処理工場における現在の取り組み状況」と、「低レベル放射性廃棄物2号埋設設備の建設工事の状況」についてご説明させていただきます。
 まず、ガラス溶融炉B系列におけるガラス固化試験後の炉内観察の状況についてご説明します。
 既にお知らせしましたとおり、B系列のガラス固化試験につきましては順調に終了し、その後、炉内観察を行っております。その概要をお手許の資料1にまとめましたのでご覧ください。
 天井レンガについては、1ページの左側に示したとおり、レンガの欠けなどはなく、健全であることを確認いたしております。また、一番下に示したとおり、昨年8月の事前確認試験後の状況と比べても大きな変化はありません。
 次に、側壁レンガについてですが、右側に示したとおり、同様に大きな割れや欠けは確認されておらず、健全であることを確認しております。2ページ左側には、事前確認試験後の状況との比較を示しておりますが、ご覧のとおり、割れや欠けが大きく進展している状況は見られませんでした。
 炉底部については、2ページ右側に示しております。残留物は事前確認試験後の状況と比べ、若干多いものの、通常の運転管理範囲内であることを確認いたしております。
 このように、炉内観察により、天井レンガなどに今後の運転に影響を及ぼすような損傷はなく、溶融炉の健全性に問題がないことを確認いたしました。
 なお、現在は今後の運転に備え、炉底部の残留物を取り除くためのはつり作業を実施しているところですが、B系列のガラス固化試験の結果につきましては、只今ご説明した炉内の観察状況も踏まえ、引き続き、詳細な評価を行ってまいります。
 こうしたはつり作業や試験結果の評価、さらには設備点検などの状況を踏まえますと、A系列のガラス固化試験につきましては、現時点では4月中旬から溶融炉の熱上げを行い、5月上旬には試験を開始できるものと考えております。引き続き、焦らず慎重に作業を進めてまいります。

 次に、「低レベル放射性廃棄物2号埋設設備の建設工事の状況」についてご説明します。
 お手許の資料2をご覧ください。ご案内のとおり、当社では全国の原子力発電所の運転や点検作業などに伴い発生する低レベル放射性廃棄物を受け入れ、埋設しております。
 具体的には、1号と2号の2つの埋設地にそれぞれ20万本の廃棄物を埋設する計画ですが、3月中旬から、資料中ほどの2号埋設地の図に赤色の点線で示した4基のピットと呼ばれるコンクリートの埋設設備を建設することとなりました。これにより、2号埋設設備の建設は完了することになります。
 これまで1号埋設地にはすでに約14.7万本、2号埋設地には約10.4万本を埋設しており、引き続き、安全を第一に進めてまいります。

 一方、既にお知らせしておりますが、昨日、イギリスから第3回となります、返還ガラス固化体の輸送が無事完了いたしました。フランスからの返還とあわせてこれまで15回の輸送で1,442本の受け入れを実施したことになります。

 濃縮事業につきましては、今月8日にウラン濃縮工場の新型遠心機について、現在進めている初期導入の年間75トンに続き、本格導入分・年間375トンの更新工事を実施することについて、青森県ならびに六ヶ所村に計画書を提出いたしております。
 また、新型遠心機の初期導入・前半分(年間37.5トン)が、昨年3月から生産運転を開始し、順調に運転を継続いたしております。
 初期導入・後半分については、今年2月からの慣らし運転の開始時期が若干3月にずれ込むことになりましたが、5月からの生産運転開始の計画については、現時点で変更はありません。
 いずれにいたしましても、各事業とも安全を最優先に進めてまいる所存であります。