2013年1月30日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 今年最初の懇談会となります。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 本日は、「再処理工場における現在の取り組み状況」と、「全社原子力防災訓練の実施」の2点についてご説明させていただきます。
 まず、再処理工場におけるB系のガラス固化試験については、既にお知らせしましたとおり、1月3日に順調に終了し、ガラス温度や炉の上部の気相温度、炉底部の温度が目標の範囲内となるなど、安定した運転が維持できることや、設計上の最大処理能力で運転ができることを確認いたしております。
 また、昨日までに炉内をカメラで確認したところ、天井レンガ、側壁レンガなどに今後の運転に影響を及ぼすような損傷はなく、溶融炉の健全性に問題がないことを確認いたしております。
 炉内の残留物につきましても、通常の運転管理の範囲内であり、順調に流下できていることを確認いたしました。
 引き続き、詳細な評価を行うとともに、B系の溶融炉については、今後の運転に備え、炉内の残留物を取り除くためのはつり作業を昨晩から開始いたしました。
 一方、A系のガラス固化試験については、今後行う安全蒸気ボイラなどの法定点検が終了し、準備が整い次第、早ければ4月から溶融炉の熱上げを行い、試験を開始したいと考えております。
 A系の試験の詳細な進め方については、今後、B系の試験結果の評価を踏まえ検討することとしておりますが、順調に進めば概ねB系と同程度の期間である約1ヶ月程度と見込んでおります。
 A系のガラス固化試験が終了すれば、2010年11月に国へ報告したガラス溶融炉運転方法の改善検討結果報告書に示した当社としての試験項目はすべて完了することになります。
 引き続き、焦らず慎重に作業に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、「全社原子力防災訓練の実施」についてご説明します。
 当社は、来月4日に全社をあげた総合防災訓練を実施いたします。具体的には、六ヶ所村で大規模な地震が発生し、当社の4つの施設で全交流電源の喪失や火災などが同時に発生したと想定し、電源車を使った給電や代替水源である尾駮沼から取水した水の注水、さらには、消防署との合同消火訓練など、全社としての収束に向けた迅速な対応が、厳冬期でも確実に実施できることを総合的に確認いたします。
 当社は、今後とも様々な状況を想定した訓練を繰り返し実施し、万が一の際にも確実に対応できるようにしてまいりたいと考えております。

 最後になりますが、今年は再処理工場のしゅん工やMOX燃料工場の建設工事の本格化、ウラン濃縮工場の新型遠心機による初期導入・後半分の生産運転開始など、当社の各事業にとって重要な年であります。
 引き続き、安全を最優先に全社一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。