2012年11月28日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、「再処理工場におけるガラス固化試験の状況」、「再処理事業部におけるエンジニアリングセンターの設置」、「再処理企業協議会の設立」の3点についてご説明します。
 はじめに、再処理工場におけるガラス固化試験についてご説明します。既にお知らせしましたとおり、非常用ディーゼル発電機など主要な設備の点検が終了したことから、先週19日からガラス溶融炉B系の熱上げを開始いたしております。
 熱上げ終了後は、事前確認試験と同様に、念のため、あらかじめ炉内に直棒を設置して、模擬ビーズを流下させながら異物の発生状況について確認する流下確認を1~2バッチ程度実施する予定であります。
 その後、実廃液を用いたガラス固化試験へと進みまして、この試験は来月上旬には開始できるものと考えております。
 ガラス固化試験では、「安定運転確認」と「性能確認」を行います。「安定運転確認」では、事前確認試験で得られた実績を踏まえ、ガラス温度や気相温度などを管理目標の範囲内に調整することで、ガラス溶融炉の安定した運転が維持できることを確認いたします。
 具体的には、まず、溶融炉を加熱する供給電力量とガラス温度の変化の関係などを確認するために実廃液5バッチの運転を行い、その後、実廃液10バッチ、洗浄3バッチ、実廃液10バッチの順に安定運転を確認するための運転を実施してまいります。
 次に、「性能確認」として、ガラス溶融炉の最大処理能力である1時間あたり70Lの廃液供給量で運転ができることを確認いたします。
 すなわち、この「性能確認」では、事前確認試験とKMOC試験の結果を踏まえ、実廃液5バッチの運転の中で最大処理能力での運転の確認を行うものであります。
 一連の作業が順調に進みますと、B系のガラス固化試験は1ヶ月程度で終了する予定であります。引き続き、安全を最優先に、あせらず、慎重かつ着実に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、「再処理事業部におけるエンジニアリングセンターの設置」についてご説明します。
 お手許の資料1をご覧ください。これまで再処理事業部では、施設の増設・改造に関するプロジェクトの管理・設計・安全評価などを各部ごとに実施しておりましたが、技術力をさらに向上させるため、これらの部を再編して、新たにエンジニアリングセンターを設置し、その下に「プロジェクト部」、「設計部」を設けることとしました。
 「プロジェクト部」では、今後の増設工事や設備改造について、設計から建設、試運転まで一貫してプロジェクトの取りまとめを行うこととし、「設計部」では、プロセス・機器、電気計装、安全解析などの設計の分野ごとにグループを設け、専門的な設計を自ら実施することといたしました。これに、技術開発研究所を加え、「エンジニアリングセンター」として、来月12日に発足させる予定です。
 今後とも専門性の高い技術者を継続的に育成・確保し、自前の技術力の向上を目指してまいります。

 最後に、「再処理企業協議会の設立」についてご説明します。
 お手許の資料2をご覧ください。再処理施設では、多くの協力企業のご協力をいただきながら、施設の運転・定期検査・保修・建設など構内において種々の業務をお願いしておりますが、この業務の円滑な推進と、技能訓練・教育などの一層の強化を図ることを目的に、協力企業約70社の皆さまと一緒になり、昨日(27日)、「再処理企業協議会」を設立いたしました。
 今後は、この協議会において、これまで各社が個別に実施していた入所時教育や保安教育などの共通する研修を一本化するとともに、外部組織とも連携して技術・技能の向上を図ってまいる活動を進めてまいります。