2012年10月29日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、「再処理工場における現在の取り組み状況」、「MOX燃料工場の建設工事の状況」、「原子力メンテナンスマッチングフェア2012」の3点についてご説明します。

 はじめに、「再処理工場における現在の取り組み状況」ですが、既にご案内のとおり、先月   19日に再処理工場の新たな工程を公表させていただきました。
 現在、その工程に基づきまして、アクティブ試験の最後の試験でありますガラス固化試験に向けて準備を進めているところです。
 具体的には、事前確認試験終了後、ガラス溶融炉B系およびA系の炉内確認を行い、今後のガラス溶融炉の運転には問題がないことを確認しました。
 また、今後のガラス固化試験の結果をしっかりと評価するために、炉内の残留物を取り除くはつり作業を順次実施し、今月16日までにB系・A系とも終了しております。
 一方、炉内確認やはつり作業と並行して、工場全体の電気設備や機械設備の点検を行っており、点検作業の中でも重要な非常用ディーゼル発電機の点検につきましては、2系統のうち1系統が今月11日に終了するなど、順調に進んでいるところであります。
 こうした設備点検の状況を踏まえますと、B系のガラス固化試験につきましては、年内には開始できるものと考えております。
 引き続き、2013年10月のしゅん工に向けて、安全を最優先に慎重かつ着実に取り組んでまいります。

 次に、「MOX燃料工場の建設工事の状況」についてご説明します。
 MOX燃料工場の建設工事は、一昨年の10月末に着工しましたが、震災などの影響により約1年間中断し、本年4月から再開しました。
 その後、MOX燃料工場の耐震性確保のため、地表から約24mの鷹架層という安定した岩盤まで掘り下げる掘削工事を行っておりましたが、順調に進み、今月20日までに終了しました。
 現在は、掘り下げた岩盤について、国による使用前検査、すなわち、地質の状況を目視などにより確認する外観検査や、岩盤のサンプルを採取して強度を確認するといった基盤検査を受検しているところです。

 最後に、「原子力メンテナンスマッチングフェア2012」についてご説明します。
 お手許の資料のとおり、既に主催者の青森県および青森県中小企業団体中央会からご案内されておりますが、来月15日に、六ヶ所村文化交流プラザスワニーにおいて、青森県内の企業に対して、県内原子力関連施設のメンテナンス業務への参入を促進することを目的に、「原子力メンテナンスマッチングフェア2012」が開催されます。
 当社としても、安定して再処理などの事業を進めるためには、メンテナンス業務は極めて重要であり、できるだけ多くの県内企業の皆さまに参入していただきたいとの思いから、2006年以来、「メンテナンス見本市」や「予備品倉庫見学会」を開催し、メンテナンス業務の具体的な作業のご説明や、廃棄物用の容器など再処理工場の予備品を紹介してまいりました。
 さらに、2008年以降は、「メンテナンスマッチングフェア」、すなわち、メンテナンス業務の中核をなす工事会社と県内企業の面談の場を持つ取り組みに積極的に参加しているところであります。
 これらの取り組みにより、昨年度はメンテナンス業務に156社の地元企業の皆さまに参入いただくとともに、6社に廃棄物を収納する容器や遠隔操作の治具など5品目の予備品を発注しております。
 今後も、こうした取り組みを継続し、お役に立てればと考えている次第です。