2012年6月27日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 はじめに、「ガラス溶融炉B系における事前確認試験の状況」についてご説明します。
 既にお知らせしたとおり、溶融炉の熱上げ完了後、今月7日から模擬ビーズを用いて炉内の異物の発生状況について確認する「流下確認」を行うとともに、11日からは運転方法の改善を目的として追加設置した温度計などの設備の健全性を確認する「作動確認」を実施し、いずれも問題がないことを確認いたしました。そして、18日から「事前確認試験」を開始いたしました。
 この試験は、東海村にありますガラス溶融炉の実規模モックアップ施設、いわゆるKMOCといっておりますが、このKMOCの運転を通じて得られた温度管理の方法を、実機でも確認することを目的に行うものであります。
 まず、KMOCで使用した模擬廃液を使って確認を行っているところですが、これまでのところ、炉底部の温度管理や流下性に問題のないことを確認しており、これが終了しますと次のステップとして実廃液による試験に移行する予定であります。
 これは、実際の高レベル廃液を使うもので、模擬廃液とは異なり、崩壊熱による影響があることから、しっかりと炉内の温度管理ができるか確認してまいります。
 順調にいけば、来週中には模擬廃液による試験は終了し、実廃液による試験を開始できるものと考えております。
 実廃液を使った試験は、約1ヶ月程度かかる予定ですので、一連のB系の事前確認試験の終了時期は、7月末から8月初め頃になる見込みであります。なお、B系の試験終了後、準備が整い次第、A系においても試験を行う予定であります。
 いずれにいたしましても、焦らず慎重に、安全第一で、段階的にデータを確認しながら、一つひとつ着実に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、「平成23年度決算の概要」についてご説明します。お手許の資料、「損益計算書」をご覧ください。
 まず、「Ⅰ.売上高」は3,017億円となり、前年度に比べて65億円の減収となりました。これは、主に使用済燃料再処理料金などが減少したことによるものであります。
 一方、「Ⅱ.売上原価」は2,522億円と、前年度に比べて110億円の減少となりました。その主な要因といたしましては、減価償却費や諸税等の費用が減少したことに加えて、震災の影響などによる事前確認試験の遅れなどにより、当初予定していた委託業務などの一部が翌期へズレ込んだことなどによるものであります。
 この結果、「売上総利益」は494億円、「Ⅲ.販売費及び一般管理費」を差し引いた「営業利益」は257億円、「営業外損益」を反映した「経常利益」は112億円となりました。
 加えて、「特別損失」として、固定資産の除却関連費用85億円を計上しましたので、「当期純利益」は26億円となりました。

 以上が決算の概要でありますが、昨年度の決算を一言で申し上げますと、これまで進めてまいりました経営の効率化に加えて、昨年度は特に減価償却費などの減少や、業務の実施が震災により一部翌期へズレ込んだことなどの費用減の影響により、結果として利益を確保することができたということであります。
 当社といたしましては、今後も、事業全般の効率化に全力で取り組み、更なる経営基盤の強化に努めてまいりたいと考えております。