日本原燃
2012年2月29日

 

定例社長記者懇談会挨拶概要



 はじめに、「ガラス溶融炉B系列における流下性回復に向けた作業の状況」についてご説明します。既にお知らせしたとおり、今月3日より溶融炉の冷却を開始し、15日には異物除去装置を用いて流下ノズル内部の流路を確保する作業を終了いたしました。
 その後、回収したサンプルの分析を行っているところですが、これまでに判ってきた内容について、お手許の資料1にまとめましたのでご覧ください。図の右上に点線で示してある範囲からサンプルを採取し、電子顕微鏡やエックス線を用いて分析を行いました。
 現在までに確認された状況としましては、流下ノズル部のサンプルからは、ガラスの成分以外にクロムやアルミニウムなど、溶融炉内のガラスと接しているレンガの代表的な成分が確認されました。
 こうした状況から、現時点では炉内のガラスと接しているレンガの剥離片が、ノズル部内に流れ込み、流下性を低下させたのではないかと推定しておりますが、引き続き、分析作業を進めてまいります。
 また、今後、ガラスの流下性を確認するため、現在、溶融炉の再熱上げに向けた準備作業を進めております。具体的には、異物除去作業のため一旦取り外しました結合装置の再取り付け作業を進めているところであり、遠隔操作による作業ですので一つひとつ確認しながら慎重に作業を進めております。早ければ、再熱上げは4〜5日後にも開始できるのではないかと考えております。
 私どもとしては、今後の事前確認試験を確実に実施するため、炉内のガラスをすべて抜き出し、流下状況や抜き出した後の炉内の状況などを確認するとともに、一度炉内をきれいにしたいと考えております。さらに、採取したサンプルの分析結果も踏まえ、流下性が低下した原因究明をしっかりと行った上で、事前確認試験を開始したいと考えているところです。
 なお、ガラスを流下した際に、再度、流下性が低下することも考慮し、回復作業のために先端の構造や材質を改良した直棒もあらかじめ準備しました。また、必要に応じて今回と同様に異物除去装置による除去作業を行うことも考えております。引き続き、安全を最優先に慎重に作業を進めてまいります。

 次に、「緊急安全対策の取り組み状況」についてご説明します。
 当社では、厳冬期における訓練を今月6回実施いたしました。このうち5回は既にご報告しておりますが、全交流電源喪失時を想定した当直員全員による訓練で約400名が参加いたしました。2月15日の訓練につきましては、検証委員会委員の方々やヒューマンファクターなどの専門家の方々、県内の原子力事業者の方々にもご覧いただきました。厳冬期の訓練は初めてではありましたが、昨年の夏場の訓練と変わりなく、迅速に対応することができたと考えております。
 また、お手許の資料2をご覧ください。
 当社では、再処理施設における緊急時の備えとして貯水槽10,000トンや消火用水の貯槽900トン、40トンの防火水槽を38ヶ所備えておりますが、さらに万が一、複数の貯槽が利用できなくなった時のことを考えて、付近の沼や沢などから取水することとしております。
 これらの水源からの取水が可能かについては、一度昨年の夏場に実施し、揚水が可能であることを確認しておりますが、厳冬期でもしっかり行えるか確認するための訓練を24日に追加で実施いたしました。当日は、当社・自衛消防隊の消防車のポンプを使って水源である尾駮沼から取水し、標高55mの防火水槽へ確実に揚水できることを確認いたしました。
 今後も様々な環境を想定した訓練を繰り返し継続することにより、習熟度を上げ、万が一の際にもしっかりと対応をとれるようにしてまいりたいと考えております。

 
以上

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